昭和 安定成長期とその後のバブル景気

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昭和

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/14 00:04 UTC 版)

安定成長期とその後のバブル景気

高度経済成長により日本は、世界有数の人口密度に由来する過剰人口問題を解決して国民の生活は有史以来初めてといえる豊かさになった。2度のオイルショック後の急激なインフレーション狂乱物価)と不況は短期間で終わり、素材産業など一部の重厚長大産業は没落したが、省エネルギー化を推進して、ハイテク産業サービス業が成長して、安定成長へと順調に移行することができた。欧米諸国がスタグフレーションに苦しむ中、自動車や電化製品の生産を激増させ、集中豪雨的な海外輸出の拡大によって貿易黒字は増大の一途を辿り、ついに日本の経済は昭和40年代にソ連・西ドイツを抜き世界第2位の経済大国となった。昭和50年代の1980年(昭和55年)には、戦後わずか30数年にしてGNPレベルではアメリカ合衆国の経済に次ぐ規模を持うようになり、国民の生活レベルは一億総中流と呼ばれた。この間、コンビニウォークマンカラオケが普及して、昭和50年代に日米貿易摩擦が問題となった。日本の人口の増加は戦後急速に進んでいたが、団塊の世代(特に女性)の結婚が増加した影響で(昭和46年度〜昭和49年度)に第2次ベビーブームが発生したのが日本の人口構造の転換点となった。出生数が一時的に増加した団塊ジュニア世代が誕生した直後の1975年(昭和50年)以降の昭和50年代にはしらけ世代の女性の未婚率の上昇で出生率が2人を下回った。昭和50年代から日本国少子高齢化社会へと移行していく。

公共事業によるケインズ政策の実施

都市部の人口流入と農村部の人口減少が続き、農村部における過疎と都市部における過密が社会問題となった。昭和40年代(1965年(昭和40年) 〜1974年(昭和49年))には、大都市部を中心に革新勢力が台頭して、社会党と共産党の革新統一のための協定が結ばれ、東京都美濃部亮吉を初めとして、京都府大阪府神奈川県などの主要地方自治体で続々革新自治体が生まれた。中でも京都府では、蜷川虎三が7期28年にわたり知事を務めた。こうした中、保守勢力(自由民主党)は三大都市圏太平洋ベルト工業地域で深刻化した過密と農村部で深刻化した過疎の人口問題や地域格差の解決と、革新勢力への対抗のため、都市部のインフラ整備を急ぐとともに、農村部にも道路や圃場整備などの公共事業投資を増加させ、農村部の保守層からの支持を取り付ける利益誘導政策を行った。社会保障面でも、1961年(昭和36年)に国民皆保険が実現して、1973年(昭和48年)には老人医療自己負担無料化が実現して、本格的な福祉国家実現への機運が高まった。こうしてGDPの約1割を占めるほどに膨れ上がった公共事業投資と高齢化に伴い増加した社会保障投資は、財政悪化の主な要因となった[78]

派閥政治と保革の対立

1972年(昭和47年)には、日本列島改造論を唱えた田中角栄内閣が成立した[79]ロッキード事件を経て、三角大福中自由民主党の派閥争い[80]金権政治の時代となった。保革伯仲国会中道政党公明党民社党)と革新政党日本社会党日本共産党)の野党が勢力を伸ばす中、影の実力者の田中角栄闇将軍として君臨した。1976年(昭和51年)以降は自由民主党出身の政治改革派が分離した新自由クラブや日本社会党から構造改革派が分離した社会民主連合などの議員数が少数の新党が結成されて多党化が進んだ。一党優位政党制複数政党制だったのが戦後日本国政治史であったが、昭和30年代の自由民主党と日本社会党の保守・革新の二大政党制の時代から、昭和40年代から昭和50年代にかけて中道政党や都市型新党が勢力を伸ばして多党化が進んだ。1980年(昭和55年)のハプニング解散による衆参同日選挙で自由民主党が大勝して保守政権が安定した昭和50年代に社共共闘が消滅したこともあり、保守勢力の巻き返しが顕著となる。昭和50年代になり政治的な思想面では靖国神社問題歴史教科書問題右翼左翼の対立が激化して、朝日新聞社への赤報隊事件などの右翼によるテロ事件が起きた。昭和22年の時点で元号が法制度上廃止されていた。1947年から1979年までの昭和22年から昭和54年までの期間は昭和が慣習として広く普及していただけで法制度上は昭和ではない状態だったので、左翼の間で1970年代に元号廃止の動きがあった。元号の昭和に法的根拠を与えるために1979年(昭和54年)6月6日に大平内閣が元号法を成立させて、元号法によって次の元号の平成改元の法的準備ができた。1979年(昭和54年)6月12日に元号法が公布されて、即日施行された。

芸能史

文化面では芸能界のニュースが注目されて、昭和50年代に森昌子桜田淳子山口百恵花の中三トリオキャンディーズピンクレディー松田聖子などの昭和30年代生まれの芸能人が国民の間で話題となった。バブル景気が始まった昭和60年代にはおにゃん子クラブなどのアイドルブームがあった[81]

教育問題

教育面では、受験競争偏差値教育・学歴社会管理教育が進行して、1986年(昭和61年)の中野富士見中学いじめ自殺事件で注目されたいじめによる自殺問題[82][83]少年犯罪・非行などの教育問題がマスコミから非難されて、詰め込み教育から個性重視教育への転換と平成時代に実施されるゆとり教育が唱えられて、子供たちの娯楽となった任天堂テレビゲーム機「ファミリーコンピュータ」などのゲームが誕生した。

新自由主義への移行とバブル時代

鈴木内閣から中曽根内閣時代に行政改革が叫ばれて臨調が設置された。中曽根内閣の行革路線を皮切りに、老人医療の無料化制度を廃止するなどの福祉の縮小が行われた。三公社民営化日本専売公社から → 日本たばこ産業 に移行する。日本国有鉄道から → 日本国有鉄道清算事業団JRグループに移行する。日本電信電話公社から → NTTグループに移行する)と消費税導入計画が構想されて[84]、日本社会党など野党の猛反対があったが、1988年(昭和63年)に消費税法案が可決した。福祉国家路線は見直されて新自由主義路線へと舵が切られた。西側諸国イギリスサッチャリズム政策とアメリカ合衆国レーガノミックス政策の実施、東側諸国ペレストロイカ改革開放政策、そしてアジアNIEs諸国の躍進などの世界経済の大転換期の中で、日本の経済はプラザ合意を発端とする円高の進行で日本銀行による円高不況対策が行われて内需拡大が続くバブル景気に突入した[85][86][87][88][89]1986年(昭和61年)に男女雇用機会均等法が執行されて、昭和60年代(1985年(昭和60年) から〜1989年(昭和64年)まで)に女性の社会進出が進んだ[62]。学生は就職売り手市場でありバブル世代と呼ばれた。好景気の中、昭和の時代は平成へと移り変わり、冷戦の終結を迎える。




  1. ^ 昭和天皇は父・大正天皇の病状を受け1921年(大正10年)11月25日に「摂政宮」に就いている。
  2. ^ 昭和天皇1989年(昭和64年)1月7日午前6時33分に崩御し、皇太子明仁親王(現・上皇)が同時刻に直ちに皇位継承。同日中に元号を改める政令が新天皇の署名によって公布され、同政令の附則の施行期日の定めに基づき、昭和は同日午後12時を以て幕を閉じ、翌1月8日午前0時を以て平成と改元された。
  3. ^ 1947年(昭和22年)の旧皇室典範の廃止・日本国憲法及び現皇室典範の施行によって、元号に関する条文が削除され、元号は法的根拠を消失した。しかし、その後も慣習として昭和の年号は公私を問わず広く使用され続けた結果、1979年(昭和54年)の元号法の制定に至った。
  4. ^ 「明治」は11度目の正直=選から漏れた元号案、最多は40回、時事ドットコム、2019年2月2日15時19分。
  5. ^ 「昭和改元の詔」の日付は大正15年12月25日であり、同じ日に公布された大喪使官制(昭和元年勅令第1号)の日付は昭和元年12月25日となっている。
  6. ^ 遠山茂樹・今井清一・藤原彰『昭和史』[新版] 岩波書店〈岩波新書355〉1959年 32ページ
  7. ^ 第1回は1927年(昭和2年)5月28日「居留民保護」の名目で出兵。第一次大戦以来山東省には日本の各種の権益が多く、多くの日本人も居留していた。徐州に迫っていた国民政府軍(国民革命軍)の阻止が主目的で在った。第2回は1928年(昭和3年)4月19日に一次出兵と同じ目的で一個師団を投入した。しかし、中国統一や民族運動に譲歩していた英米とは違って、日本は中国の民族運動を抑えるためであった。5月3日には居留民殺傷という理由で済南城を攻撃し占領した。第3回は9日後の1928年(昭和3年)5月9日にさらに一個師団を増派し、合わせて15,000の大群で華北を抑えた。(遠山茂樹・今井清一・藤原彰『昭和史』[新版] 岩波書店 〈岩波新書355〉 1959年 39と44-45ページ)
  8. ^ 時代の流れが図解で分かる。『早わかり昭和史』古川隆久20頁〜21頁
  9. ^ 遠山茂樹・今井清一・藤原彰『昭和史』[新版] 岩波書店 〈岩波新書355〉 1959年 78-79ページ
  10. ^ 反対は日本のみ、ほかにシャム(タイ)のみが棄権
  11. ^ 飛行機、戦車、火砲などの近代装備の大幅な充実
  12. ^ 武蔵、大和などの世界最大の戦艦や航空母艦の建艦
  13. ^ 遠山茂樹・今井清一・藤原彰『昭和史』[新版] 岩波書店 〈岩波新書355〉 1959年 135-137ページ
  14. ^ 遠山茂樹・今井清一・藤原彰『昭和史』[新版] 岩波書店 〈岩波新書355〉 1959年 136ページ
  15. ^ 遠山茂樹・今井清一・藤原彰『昭和史』[新版] 岩波書店 〈岩波新書355〉 1959年 169ページ
  16. ^ 遠山茂樹・今井清一・藤原彰『昭和史』[新版] 岩波書店 〈岩波新書355〉 1959年 171ページ
  17. ^ 遠山茂樹・今井清一・藤原彰『昭和史』[新版] 岩波書店 〈岩波新書355〉 1959年 172ページ
  18. ^ 遠山茂樹・今井清一・藤原彰『昭和史』[新版] 岩波書店 〈岩波新書355〉 1959年 172-174ページ
  19. ^ 遠山茂樹・今井清一・藤原彰『昭和史』[新版] 岩波書店 〈岩波新書355〉 1959年 239ページ
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  111. ^ 時差の都合で日付の差異が絡むため。







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