原子力発電とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 産業 > 製造業 > 発電 > 原子力発電の意味・解説 

げんしりょく‐はつでん【原子力発電】

読み方:げんしりょくはつでん

原子炉発生した熱エネルギー蒸気をつくり、タービン発電機運転して発電する方法原発(げんぱつ)。→原子炉[補説]


原子力発電

読み方げんしりょくはつでん
【英】: nuclear power generation / atomic power generation
同義語: atomic power generation  

原子力発電は、原子炉内でウラン 235 などの核分裂性物質制御下で連続的に核分裂反応を行わせ、その際生じ反応熱利用して発電するもので、熱エネルギー電気変える方法火力発電と同じである。
ウラン 235原子核分裂することによって発生するエネルギーは、同じ質量炭素原子酸化するときに発生するエネルギー250 万倍達するので、少量ウラン 235燃料)の装荷によって燃料補給なしに長期間エネルギー出し続ける。制御下で連鎖的ウラン 235核分裂起こさせる原子炉仕組みは、第二次世界大戦中米国原子爆弾用のプルトニウム製造のために考案され戦後動力炉として米国中心に開発されてきたが、その主な構成要素以下のとおりである。(1) ウラン燃料棒、(2) 中性子吸収し連鎖反応調節する制御棒(3) 中性子減速し連鎖反応起こりやすくする減速材、(4) 発生する熱を取り出す冷却材、(5) 以上の一式格納する圧力容器
現在実用されている原子炉には減速材冷却材種類および燃料仕様などによって次のような種類がある。(1) 軽水炉軽水通常の)が減速材冷却材兼用されており、燃料には濃縮ウラン用いる。軽水炉現在世界の原子力発電の主力になっているが、沸騰水型BWR)と加圧水型PWR)の 2 種類がある。沸騰水型は、原子炉の中で蒸気発生させ、それを直接タービンに送る方式であり、加圧水型原子炉発生した高温高圧熱湯蒸気発生器熱交換器)に送り、そこで蒸気作ってタービンに送る方式である。(2) 重水炉減速材重水重水素酸素から成る)を用いたもので、冷却材には重水または軽水用いる。カナダ開発されCandu 炉重水冷却方式である。わが国では、冷却材軽水用いた炉を新型転換炉ATR)として原型炉「ふげん」を運転中である。(3) ガス炉冷却材として加圧ガス用いるもので、減速材には黒鉛使われる英国世界さきがけて動力炉として実用化したコールダーホール型炉は CO2用いた冷却材として加圧ヘリウム・ガス用い出口温度高温にする高温ガス炉新たに多目的炉として検討対象となっている。
原子炉用いた商業発電1956 年から始まり以後年々増えて 1984 年央には米国トップ世界中で 311 基、2.1KW 、その発電量は総発電量の 10 %超える至ったわが国では、日本原子力研究所による数年間にわたる研究用原子炉経験経て1963 年発電試験炉、1966 年商用発電炉の運転が始まりそれ以来各電力会社による原子力発電所建設進み1985 年末には 31 基、23.6 百万 KW達し1984 年度発電量は総発電量の 22.9 %に達した。このシェア今後引き続いて増えていく見通しである。原子力発電を成り立たせるためには、核燃料サイクル確立される必要がある。すなわち、天然ウラン非分裂性のウラン 238 が 99.3 %)中のウラン 235 を約 3 %にまで含有率高める「濃縮」、原子炉で約 1 年間使った燃料中で発生したプルトニウム 239分離し燃え残りウラン 235 を再濃縮する再処理」のサイクルであるが、わが国はまだこれらを外国依存しており、国内でこれらを完結させることが一つ課題である。またこれに関連して将来原子炉として高速増殖炉FBR)を実用化することが大きな課題である。高速増殖炉は、プルトニウム濃縮ウランとの混合物燃料として使用し減速材用いず高速中性子燃料当て、そのなかのウラン 238プルトニウム転換することにより、消費されるプルトニウムよりも多くプルトニウムが炉内で生産されるこのためこの種の原子炉導入されると、核燃料資源利用効率著しく増大することになる。この炉心部は高温になるので冷却材には液体ナトリウム使用するなど、高度の技術要求される。さらに将来の夢エネルギーとして核融合原子力発電が考えられ米国ソ連西欧わが国それぞれ研究取り組んでいる。これは海水から濃縮採取される重水素三重水素原子核融合するときに放出するばく大なエネルギー利用するのであるが、この核融合反応起こさせるためにはばく大なエネルギーが必要で、現在はまだ各国とも、その条件となるプラズマ高エネルギー密度状態を作り出す研究大きな資金投入している段階である。

原子力発電

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/25 00:24 UTC 版)

原子力発電(げんしりょくはつでん)とは、原子力を利用した発電のことである。現代の多くの原子力発電は、熱エネルギーで高圧の水蒸気を作り、蒸気タービンおよびこれと同軸接続された発電機を回転させて発電する。ここでは主に軍事用以外の商業用の原子力発電の全般について説明する。




「原子力発電」の続きの解説一覧

「原子力発電」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



原子力発電と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「原子力発電」の関連用語

原子力発電のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



原子力発電のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
JOGMECJOGMEC
Global Disclaimer(免責事項)
本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、 機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。 また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。 したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。 なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
※Copyright (c) 2024 Japan Oil, Gas and Metals National Corporation. All Rights Reserved.
このホームページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの原子力発電 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS