陽子線治療とは? わかりやすく解説

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陽子線治療

読み方:ようしせんちりょう
別名:陽子線がん治療プロトンビームセラピー
英語:proton beam therapy

放射線治療一種で、従来エックス線替えて陽子線使用する治療方式

従来放射線治療用いられてきたエックス線は、身体突き抜けてがん細胞破壊する効果を持つが、体表近くで最も大きなエネルギーを受けるため、病巣の手前の正常な細胞ダメージ受けてしまい、諸々副作用生むという難点があった。これに対して、陽子線治療は体内任意の深さ最大エネルギー放出し、さらにエネルギーがその位置留まる突き抜けない)ように制御することができるという特徴を持つ。

がん細胞集中させたピンポイント治療実現することで、正常な細胞破壊少なくし、副作用抑えることができる。

放射線治療用い放射線の種類としては、陽子線治療と共に重粒子線」も注目されている放射線は「光子線」と「粒子線」に分類されエックス線光子線に分類されるが、陽子線重粒子線はいずれ粒子線分類される

関連サイト
陽子線治療について - 国立がん研究センター東病院
陽子線治療について - 筑波大学 陽子線医学利用研究センター

ようしせん‐ちりょう〔ヤウシセンチレウ〕【陽子線治療】

読み方:ようしせんちりょう

放射線一種である陽子線体内病巣照射する治療法体内深くまで到達するのでX線ガンマ線より効果的とされる対象は主に悪性腫瘍。→重粒子線癌治療


陽子線治療(ようしせんちりょう)


陽子線治療

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/25 13:08 UTC 版)

治療に使用する装置

陽子線治療(ようしせんちりょう、proton beam therapy)は、粒子線治療(りゅうしせんちりょう、particle therapy)に分類される放射線療法の一手法。がんに対して用いられ、日本国内では約20施設に治療装置が導入されている[1]

粒子線治療には他に陽子よりも重い粒子(主に炭素イオン)を使う重粒子線治療がある。

概要

線形加速器サイクロトロンシンクロトロンなどの加速器から患部に陽子線を照射する[2]

2016年診療報酬改訂で小児がんへの陽子線治療が公的医療保険の対象となった[3]

生物学的な効果は、X線の照射に対して陽子線が1.1倍、重粒子線が3倍とされる[3]

陽子線治療の適用部位に関しては、は常時動いていて正確に照射することが困難なため、穿孔の危険性もあるので胃癌小腸癌大腸癌の原発巣に対しては実施されていない[3]

適用

作用原理

中エネルギー(250MeV程度まで)の陽子線を照射してブラッグ曲線ピーク腫瘍の位置を一致させて、選択的に腫瘍に放射線を与えつつ危険臓器(正常細胞)の障害を抑える。

陽子線治療機関

そのほか

北海道大学病院陽子線治療センター、札幌禎心会病院陽子線治療センター、北海道大野記念病院札幌高機能放射線センター、南東北がん陽子線治療センター、高井病院、兵庫県立粒子線医療センター付属神戸陽子線センター、岡山大学・津山中央病院共同運用がん陽子線治療センター、メディポリスがん粒子線治療研究センター、など

脚注

  1. ^ 「がん陽子線装置、小型に」『日経産業新聞』2021年6月2日イノベーション面
  2. ^ 稲田哲雄「陽子線治療」『RADIOISOTOPES』1989年 38巻 1号 p.28-39, doi:10.3769/radioisotopes.38.28, 日本アイソトープ協会
  3. ^ a b c 小児がんに対し陽子線治療が保険適用に, https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/report/201610/548613.html 
  4. ^ 先進がん治療の拠点 松本の相沢病院「陽子線治療センター」完成”. 長野日報 (2012年9月28日). 2016年5月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月23日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク


陽子線治療

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 02:04 UTC 版)

粒子線治療」の記事における「陽子線治療」の解説

詳細は「陽子線治療」を参照 線形加速器サイクロトロンシンクロトロンなどの加速器から陽子線患部照射して腫瘍細胞破壊する。体の表面での吸収線量低く抑えられ腫瘍組織において吸収線量ピークになる特性有している。胃や腸は常時動いていて正確に照射することが困難で粘膜が薄いので放射線照射により潰瘍ができやすく穿孔危険性もあるので胃癌小腸癌大腸癌には実施できない

※この「陽子線治療」の解説は、「粒子線治療」の解説の一部です。
「陽子線治療」を含む「粒子線治療」の記事については、「粒子線治療」の概要を参照ください。

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