陽子崩壊の触媒作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 08:26 UTC 版)
予想される大統一理論においては、クォークとレプトンは本来同じ粒子の異なった状態であり、インフレーションの際の相転移によって分化したとされ、相互に変換可能であるとされる。陽子内のクォークがレプトンに変化するとバリオン数を保持できなくなり陽子崩壊が発生する。しかし陽子の予想寿命が極めて長いことからもわかるようにクォークからレプトンへの変化は極めて低い確率でしか発生しない。だがモノポールはインフレーション以前のクォークとレプトンが分化する前の空間の位相欠陥であり、その中心部付近においてはクォークとレプトンは分化することができず、分化前の粒子に戻ってしまい、そこから通常空間に復帰した粒子はクォークにもレプトンにも変化する可能性がある。そのため陽子や中性子のクォークがモノポールの磁力で引き付けられ、中心部付近を通過してレプトンに変化すると陽子崩壊が発生する。モノポール自身は外部からのクォークを変換しただけで不変であるので、これを触媒に見立てることができる。これらの作用を予想した人物の名を取ってルバコフ効果と呼ぶ場合もある。
※この「陽子崩壊の触媒作用」の解説は、「磁気単極子」の解説の一部です。
「陽子崩壊の触媒作用」を含む「磁気単極子」の記事については、「磁気単極子」の概要を参照ください。
- 陽子崩壊の触媒作用のページへのリンク