【中性子】(ちゅうせいし)
neutron.
素粒子の一つで、電荷を持っていないもの。
電気的に中性であることからこの名がついている。
水素以外の原子で、陽子とともに原子核を構成しているが、核分裂などの際に高速で飛び出し、放射線の一種である中性子線となる。
関連:中性子爆弾
中性子
中性子(線)
中性子
中性子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/17 23:26 UTC 版)
注釈
- ^ 陽子1個で出来ている 1
1 H と陽子3個で出来ている 3
3 Li の2つを例外として、2015年現在の時点で発見報告のある原子の内、最も重い 294
118 Og までの全ての"既知の"原子核は陽子と中性子の2種類の核子から構成されている。 - ^ チャドウィックによる実験的確証を得るまでの経緯については、チャドウィックによる中性子の発見が詳しい。
- ^ 電荷を持たないため、直接的に観測することが難しく、中性子の発見は電子や陽子と比べて遅れた。
- ^ 通常の状態では荷電していない原子は中性子と同じようには利用することができない。なぜならば、正電荷を持つ原子核の周りに負電荷を持つ電子が広く分布していることから、原子は中性子よりも約1万倍も大きいものとして扱わなくてはならないためである。
- ^ 例えば三重水素は重水素とは異なり、不安定核種である。
- ^ 同様な崩壊(β崩壊)が何種類かの原子核においても起こる。核内の粒子(核子)は、中性子と陽子の間の共鳴状態であり、中性子と陽子は互いにπ中間子を放出・吸収して移り変わっている。これは、アイソスピンという考え方に基づいたもので、陽子と中性子は質量や核力がほぼ等しいので、共にアイソスピンが ±1/2 の核子という1つの粒子の異なる荷電状態であり、+ の状態が陽子で − の状態が中性子であるとする考え方のことである。
- ^ 陽子、電子やα粒子などの荷電粒子や、γ線のような電磁波は、物質中を通過する際に電磁気力によって通過する物質の原子をイオン化するため、エネルギーを失う。イオン化に費やされたエネルギーはすなわち、荷電粒子の失ったエネルギーであり、その結果、荷電粒子は減速し、γ線は吸収されるが、中性子はそのような過程でエネルギーを失うことはない。
- ^ 空気中で 220 m、軽水の場合は 0.17 cm、重水では 1.54 cm、ウランでは 0.035 cm である。
- ^ 厳密な分類ではなく、ほぼその領域で分けられるという意味である。
- ^ 夫妻は陽子が飛び出して来る理由を、γ線が陽子に当たった際に発生するコンプトン効果であると考えた。そこで、飛び出して来る陽子のエネルギーからそのエネルギーを計算してみると、γ線の持つエネルギーが 50 MeV となった[21]。
出典
- ^ a b CODATA Value
- ^ a b CODATA Value
- ^ a b c 日本アイソトープ協会 (1992), p. 29.
- ^ Murray & 杉本 (1955), p. 29.
- ^ a b 武谷 (1954), pp. 93–95.
- ^ a b c 化学小事典
- ^ a b c d e f 日本大百科全書
- ^ a b 物理小事典
- ^ 2014CODATA推奨値(一覧)
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- ^ 日本アイソトープ協会 (1992), pp. 29–30.
- ^ Rutherford (1919).
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- ^ a b c d e f g チャドウィックによる中性子の発見
- ^ Ambartsumian1930 (1930).
- ^ Heisenberg (1932a).
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- ^ Curie (1931).
- ^ Curie & Joliot-Curie (1932).
- ^ Chadwick (1932a).
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中性子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/12/24 23:25 UTC 版)
中性子散乱過程は、 b {\displaystyle b} で記述されるコヒーレント中性子散乱長を含んでいる。
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中性子
出典:『Wiktionary』 (2021/06/26 02:05 UTC 版)
名詞
関連語
翻訳
- アイスランド語: nifteind 女性
- アラビア語: نترون
- イタリア語: neutrone 男性
- インターリングア: neutron
- ウェールズ語: niwtron
- 英語: neutron
- エスペラント: neŭtrono
- オランダ語: neutron 中性
- カタルーニャ語: neutró
- クロアチア語: neutron 男性
- スウェーデン語: neutron 通性
- スペイン語: neutrón
- チェコ語: neutron 男性
- 中国語: 中子
- ドイツ語: Neutron 中性
- ハワイ語: huna hohoki
- フランス語: neutron 男性
- ポーランド語: neutron 男性
- ポルトガル語: nêutron 男性
- ラトヴィア語: neitrons 男性
- ロシア語: нейтрон 男性
「中性子」の例文・使い方・用例・文例
- 重陽子は1個の陽子と1個の中性子から構成される。
- 中性子の動的アルベド
- 陽子、中性子、電子、およびそれらすべてのエキゾチック変種
- この核は速度の遅い中性子を捕らえた
- 低速さ中性子を数えるため、ホウ素を敷き詰めたまたは三フッ化ホウ素ガスを充満させた電離箱
- 中性子を数えるための比例計数管
- ほとんどどんな減速体も使用されていないため、核分裂の原子炉が高速中性子によってもたらされる
- より少ない爆破で致命的な中性子を生み出す原子爆弾
- 核分裂が減速材によって減速させられる中性子により引き起こされる原子炉
- 与えられた系において電子、陽子、または、中性子が2個、量子数の同じセットで特徴づけられる状態にいあることはできない
- 素粒子間の強い相互作用の理論(核で陽子と中性子を結びつける相互作用を含む)
- 中性子の反粒子
- 原子核の構成要素(陽子と中性子)
- 縮退した中性子星
- カナダの物理学者で、物質の構造を研究するため、原子核の中性子ビームを反射させた(1918年−2003年)
- イタリアの原子物理学者(1939年以降、米国)で、中性子衝撃によって引き起こされる人工放射能に取り組み、1942年に初の制御された核反応を実現したグループを率いた(1901年−1954年)
- (中性子爆弾によって発生する)中性子の放射線
- 正電荷をおびた(例えば、アルファ粒子)、負電荷を帯びた(例えば、ベータ粒子)、あるいはどちらでもない(例えば中性子)である原子粒子あるいは亜原子粒子の流れ
- 原子核で陽子と中性子を結びつける相互作用
- 原子核内の中性子と陽子の数の総数
中性子と同じ種類の言葉
- 中性子のページへのリンク