超対称性粒子とは? わかりやすく解説

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ちょうたいしょうせい‐りゅうし〔テウタイシヨウセイリフシ〕【超対称性粒子】

読み方:ちょうたいしょうせいりゅうし

素粒子物理学超対称性理論から導かれる未知粒子既存ボース粒子フェルミ粒子対し同質量でスピンが1/2だけ異な超対称性パートナーを指す。主な超対称性粒子として、ボース粒子フォトン光子に対してフォティーノフェルミ粒子クオークに対してスクオークなどの存在予想されている。また超対称性粒子のうち電気的に中性で最も軽い粒子LSPとよばれ、暗黒物質の候補考えられている。超対称粒子SUSY粒子


超対称性粒子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/25 18:38 UTC 版)

超対称性粒子(ちょうたいしょうせいりゅうし、英語: supersymmetric particle、SUSY粒子) は、超対称性によって予想される粒子の分類である。既存のある粒子に対し、スピンが1/2ずれるだけで、電荷などは等値の素粒子。スピンが1/2ずれるため、既存のフェルミオンに対し未知のボソン、既存のボソンに対し未知のフェルミオンが対となる。対をなす相方を超対称性パートナー (supersymmetric partner) という。

超対称性粒子の中で最も軽いものはLSP (Lightest Supersymmetric Particle) と呼ばれる。英語: R-parityの保存を仮定すればその粒子は崩壊しない安定粒子となるため、LSPが電気的に中性であればダークマターの候補となる。

現在の宇宙ではこのような粒子は観測されていない。少なくとも低エネルギーでは超対称性は破れており、超対称性の破れによって粒子とその超対称パートナーの質量が異なっていると考えられている。

実験での直接探索ではLEPTevatron, 2008年からはCERN加速器LHCが行われているがこれまでのところ兆候は見つかっていない。[1][2] CERNが掲載した最新の論文(2021)では、「超対称性粒子が、いかなる条件でも全く観察されなかった」ことを改めて報告した。[3]

少なくとも、13TeVのエネルギーで探索できる領域までにはSUSY粒子が存在しないことが示唆された。仮にヒッグス粒子の超対称パートナーである「ヒグシーノ」が暗黒物質である場合、LHCの探索実験の死角に入りやすいとされている。[4]

命名法

ボソンに対するフェルミオンの超対称性パートナーは、元のボース粒子の名の語尾を-inoとする。-inoは「小さい」という意味。

フェルミオンに対するボソンの超対称性パートナーは、元のフェルミ粒子の名の語頭にs-をつける。s-はスカラーの略で、フェルミオンに対する超対称性粒子はスピンが0のスカラー粒子であることを表す。略さず「スカラー」を頭につけることもある。

主な超対称性粒子

脚注


超対称性粒子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/24 15:01 UTC 版)

超対称性」の記事における「超対称性粒子」の解説

「超対称性粒子」を参照 通常の粒子と超対称性粒子の関係は、超対称性パートナー呼ばれるフェルミオンボソンは、互いに超対称性パートナーの関係にある。 フェルミオン対応する超対称性粒子クォーク スカラークォークスクォークレプトン スカラーレプトンスレプトン電子 スカラー電子スエレクトロンミュー粒子 スカラーミュー粒子スミューオンタウ粒子 スカラータウ粒子スタウニュートリノ スカラーニュートリノスニュートリノボソン対応する超対称性粒子ゲージ粒子 ゲージーノ(en:Gaugino) Wボソン ウィーノ Zボソン ジィーノ 光子 フォティーノ グルーオン グルイーノ グラビトン グラビティーノ ヒッグス粒子 ヒッグシーノ チャージーノウィーノ荷電ヒッグシーノ混合状態(質量固有状態)の粒子 ニュートラリーノ ― ジィーノ、フォティーノ中性ヒッグシーノ混合状態(質量固有状態)の粒子

※この「超対称性粒子」の解説は、「超対称性」の解説の一部です。
「超対称性粒子」を含む「超対称性」の記事については、「超対称性」の概要を参照ください。

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