サイヤング‐しょう〔‐シヤウ〕【サイヤング賞】
サイ・ヤング賞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/14 13:06 UTC 版)

サイ・ヤング賞(サイ・ヤングしょう、Cy Young Award)は、メジャーリーグベースボール(MLB)の賞のひとつ。ナショナルリーグとアメリカンリーグのそれぞれから、その年に最も活躍した投手1人ずつが選出される。
概要
通算勝利・通算敗戦・通算先発・通算投球回など数々のメジャー記録を保持している、球史に残る大投手で1955年に死去したサイ・ヤングの名誉を称え翌1956年に制定された。最初は両リーグのうちから1人だけが選ばれていたが、1967年から両リーグからそれぞれ1人ずつという現在の形式になった。
選出方法は、全米野球記者協会所属の記者60人による投票で決まる。記者が、1位票(7点)、2位票(4点)、3位票(3点)、4位票(2点)、5位票(1点)の5種類の票を投票し、その合計獲得点の最も高い選手が受賞者となる。各記者の投票内容は全米野球記者協会の公式サイトで公表される。
歴代最多受賞は、ロジャー・クレメンスの7回。連続受賞記録はグレッグ・マダックスとランディ・ジョンソンの4年連続である。一方、ノーヒットノーラン(7回)や通算奪三振(5174個)のMLB最多記録を持つノーラン・ライアンは一シーズンでの奪三振MLB記録を更新した1973年のアメリカン・リーグ投票で2位になったのが最高で[1]、選手生活の中では受賞できなかった。
日本プロ野球(NPB)にも、その年の最も優れた投手に贈られる賞として沢村栄治賞(沢村賞)がある。ただし、サイ・ヤング賞はリリーフ投手も受賞対象だが、沢村賞は先発投手限定である。沢村賞はサイ・ヤング賞を真似て作られた賞とする文献も存在するが[2]、沢村賞が制定されたのは1947年であり、その歴史はサイ・ヤング賞(1956年制定)より古い。
歴代受賞者
凡例
複数回受賞者
凡例
- 着色セルは両リーグ受賞達成者を示す。
はアメリカ野球殿堂入り投手。
- ●は2025年は開幕時点で現役
投手 | 回数 | 年度 |
---|---|---|
ロジャー・クレメンス |
|
1986, 1987, 1991, 1997, 1998, 2001, 2004 |
ランディ・ジョンソン![]() |
|
1995, 1999, 2000, 2001, 2002 |
スティーブ・カールトン![]() |
|
1972, 1977, 1980, 1982 |
グレッグ・マダックス![]() |
|
1992, 1993, 1994, 1995 |
サンディー・コーファックス![]() |
|
1963, 1965, 1966 |
トム・シーバー![]() |
|
1969, 1973, 1975 |
ジム・パーマー![]() |
|
1973, 1975, 1976 |
ペドロ・マルティネス![]() |
|
1997, 1999, 2000 |
クレイトン・カーショウ● |
|
2011, 2013, 2014 |
マックス・シャーザー● |
|
2013, 2016, 2017 |
ジャスティン・バーランダー● |
|
2011, 2019, 2022 |
ボブ・ギブソン![]() |
|
1968, 1970 |
デニー・マクレイン |
|
1968, 1969 |
ゲイロード・ペリー![]() |
|
1972, 1978 |
ブレット・セイバーヘイゲン |
|
1985, 1989 |
トム・グラビン![]() |
|
1991, 1998 |
ロイ・ハラデイ![]() |
|
2003, 2010 |
ヨハン・サンタナ |
|
2004, 2006 |
ティム・リンスカム |
|
2008, 2009 |
コーリー・クルーバー |
|
2014, 2017 |
ジェイコブ・デグロム● |
|
2018, 2019 |
ブレイク・スネル● |
|
2018, 2023 |
チーム別受賞回数
2チームに受賞経験がない。最多はロサンゼルス・ドジャースの12回
チーム | 回数 | 年度 |
---|---|---|
ブルックリン/ロサンゼルス・ドジャース |
|
1956, 1962-1963, 1965-1966, 1974, 1981, 1988, 2003, 2011, 2013-2014 |
ミルウォーキー/アトランタ・ブレーブス |
|
1957, 1991, 1993-1996, 1998, 2024 |
フィラデルフィア・フィリーズ |
|
1972, 1977, 1980, 1982-1983, 1987, 2010 |
ボストン・レッドソックス |
|
1967, 1986-1987, 1991, 1999-2000, 2016 |
ニューヨーク・メッツ |
|
1969, 1973, 1975, 1985, 2012, 2018- 2019 |
ボルチモア・オリオールズ |
|
1969, 1973, 1975-1976, 1979-1980 |
クリーブランド・インディアンス/クリーブランド・ガーディアンズ |
|
1972, 2007-2008, 2014, 2017, 2020 |
ニューヨーク・ヤンキース |
|
1958, 1961, 1977-1978, 2001, 2023 |
デトロイト・タイガース |
|
1968-1969, 1984, 2011, 2013, 2024 |
アリゾナ・ダイヤモンドバックス |
|
1999-2002, 2006 |
オークランド・アスレチックス |
|
1971, 1974, 1990, 1992, 2002 |
シカゴ・カブス |
|
1971, 1979, 1984, 1992, 2015 |
トロント・ブルージェイズ |
|
1996-1998, 2003, 2021 |
ヒューストン・アストロズ |
|
1986, 2004, 2015, 2019, 2022 |
サンディエゴ・パドレス |
|
1976, 1978, 1989, 2007, 2023 |
カンザスシティ・ロイヤルズ |
|
1985, 1989, 1994, 2009 |
ミネソタ・ツインズ |
|
1970, 1988, 2004, 2006 |
シカゴ・ホワイトソックス |
|
1959, 1983, 1993 |
サンフランシスコ・ジャイアンツ |
|
1967, 2008-2009 |
セントルイス・カージナルス |
|
1968, 1970, 2005 |
モントリオール・エクスポズ/ワシントン・ナショナルズ |
|
1997, 2016-2017 |
ミルウォーキー・ブルワーズ |
|
1981-1982, 2021 |
ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム/ロサンゼルス・エンゼルス |
|
1964, 2005 |
ピッツバーグ・パイレーツ |
|
1960, 1990 |
シアトル・マリナーズ |
|
1995, 2010 |
タンパベイ・レイズ |
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2012, 2018 |
シンシナティ・レッズ |
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2020 |
マイアミ・マーリンズ |
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2022 |
コロラド・ロッキーズ |
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|
テキサス・レンジャーズ |
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脚注
- ^ この年のライアンの成績は21勝16敗1セーブ、防御率2.87、奪三振は上記の通りにMLB新記録の383。
- ^ 一例として玉木正之著『プロ野球大辞典』(新潮文庫、1990年、ISBN 4101070121)には「沢村賞という投手に与えられるタイトルですら、アメリカのサイ・ヤング賞にならったものだ」(P.209)という誤った記述がある。
関連項目
外部リンク
サイ・ヤング賞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 05:58 UTC 版)
詳細は「サイ・ヤング賞」を参照 サイ・ヤング賞(Cy Young Award)は、最も活躍した投手を表彰する賞で、アメリカンリーグとナショナルリーグからそれぞれ1人ずつ選出される。この賞は、1955年に死去したサイ・ヤングを称え、翌1956年に当時のコミッショナーであったフォード・フリックが制定。当初は両リーグのうちから1人だけが選ばれていたが、1967年から両リーグからそれぞれ1人ずつという現在の形式になった。
※この「サイ・ヤング賞」の解説は、「MLBの賞の一覧」の解説の一部です。
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