放射線治療とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > ヘルスケア > 医療 > 治療 > 放射線治療の意味・解説 

ほうしゃせん‐ちりょう〔ハウシヤセンチレウ〕【放射線治療】

読み方:ほうしゃせんちりょう

放射線療法


放射線療法

(放射線治療 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/26 09:26 UTC 版)

放射線療法(ほうしゃせんりょうほう、英語: radiation therapy / radiotherapy[2])は、放射線を患部に体外および体内から照射する治療法である[3]手術抗がん剤治療とともに、(がん)に対する主要な治療法の一つである[4]。放射線腫瘍学はこの放射線処方に対しての専門分野であり、撮影を主とする放射線診断学とは区別される。


注釈

  1. ^ 放射線治療は、治療後にも臓器機能を温存し、生活する上で支障となるような合併症をもたらさないことを目指すのが原則であり、合併症が当然とされる手術と対照的である。しかし、一般に有害事象は完全に避けることはできず、同一部位への再度の照射では合併症が生じる危険性が増す(近藤 1999 pp.15,99)。
  2. ^ 人類初の放射線治療は1896年11月24日から12月3日まで、1日1回の照射に分割された形式で行われた局所進行鼻腔癌の治療である。分割されたのは機械の性能が不足していたためであり、その後は治療機器が改良され高線量を1回で照射することも行われたが、20年後には、1回で照射する方式の効果が極めて低いと結論付けられている。現在、経験的知見から推奨される治療計画はどれも同じように分割化されている(アリソン 2011 p.156)。
  3. ^ 近藤誠によれば、治癒率を上げようと線量を多くしたり、照射する範囲を広げたりすることが原因として多いとされている(近藤 1999 p.99)。

出典

  1. ^ a b 西村恭昌 『肺がん』 p.92
  2. ^ a b CG175: Prostate cancer: diagnosis and management (Report). 英国国立医療技術評価機構. January 2015.
  3. ^ 青山喬(編著)「放射線基礎医学」第9版 金芳堂(2000.3)
  4. ^ 鎌田中川 2007, p.115
  5. ^ 放医研ニュース No.41”. www.nirs.qst.go.jp. 2021年8月19日閲覧。
  6. ^ a b 西村恭昌 近畿大学医学部放射線腫瘍学部門
  7. ^ 唐澤 2009, p.14
  8. ^ 井上手島 2010, p.14
  9. ^ 鎌田中川 2007, pp.115-116
  10. ^ 中川 2007, p.42
  11. ^ 唐澤 2009, p.12
  12. ^ 唐澤 2009, p.15
  13. ^ a b c d e f g h i 「3.放射線治療の副作用」『放射線によるがんの治療(特徴と利点) (08-02-02-03)』原子力百科事典ATOMICA
  14. ^ 晴山雅人 良性疾患の放射線治療 臨床放射線 第47巻 別冊 2002/11/30 発行
  15. ^ Jeong, Youn Kyoung; Oh, Ju Yeon; Yoo, Jae Kuk; Lim, Sun Ha; Kim, Eun Ho (2020-01-29). “The Biofunctional Effects of Mesima as a Radiosensitizer for Hepatocellular Carcinoma”. International Journal of Molecular Sciences 21 (3): 871. doi:10.3390/ijms21030871. ISSN 1422-0067. PMC 7036851. PMID 32013255. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7036851/. 
  16. ^ Mohamad, Osama; Tabuchi, Takahiro; Nitta, Yuki; Nomoto, Akihiro; Sato, Akira; Kasuya, Goro; Makishima, Hirokazu; Choy, Hak et al. (2019-5). “Risk of subsequent primary cancers after carbon ion radiotherapy, photon radiotherapy, or surgery for localised prostate cancer: a propensity score-weighted, retrospective, cohort study”. The Lancet. Oncology 20 (5): 674–685. doi:10.1016/S1470-2045(18)30931-8. ISSN 1474-5488. PMID 30885458. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30885458. 
  17. ^ Ann C. Mertens et al. (2002). “Pulmonary complications in survivors of childhood and adolescent cancer”. Cancer 95 (11): 2431–2441. doi:10.1002/cncr.10978. http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/cncr.10978/full. "The lung is one of the most radiation-sensitive structures in the body. Therapy-related radiation damage to the lung depends on the volume of lung tissue irradiated, the total dose received, and fractionation scheduling.2 Radiation-induced lung disease includes an acute phase of radiation pneumonitis that occurs 2–6 months after exposure." 
  18. ^ Ann C. Mertens et al. (2002). “Pulmonary complications in survivors of childhood and adolescent cancer”. Cancer 95 (11): 2431–2441. doi:10.1002/cncr.10978. http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/cncr.10978/full. "Chest radiation was associated with a 3.5% cumulative incidence of lung fibrosis at 20 years after diagnosis." 
  19. ^ Ericka Wiebe al. (2006), “RADIATION-INDUCED LUNG INJURY” (PDF), Oncology Exchange 5 (2): 29–32, http://www.oncologyex.com/gif/archive/2006/vol5_no2/5_protocols_practices_2.pdf 
  20. ^ 中川 2007, p.66
  21. ^ 中川 2007, pp.66-68
  22. ^ 唐澤 2009, p.25
  23. ^ 中川 2007, pp.68-70
  24. ^ 中川 2007, p.70
  25. ^ 「放射線治療計画ガイドライン」の付表1:通常分割照射における正常組織の耐容線量 日本放射線科専門医会・医会放射線診療ガイドライン策定事業
  26. ^ a b 放射線治療|治療法について|がん研有明病院「Chapter.3: 放射線治療法の種類」
  27. ^ 世界初の加速器によるホウ素中性子捕捉療法の動物実験を開始しました。(2009年8月5日) — 京都大学
  28. ^ 世界初の加速器BNCTによる治験開始について (PDF)
  29. ^ 世界初の加速器BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)による治験開始について (PDF)
  30. ^ http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=96938 頭頸部がんで世界初の治験…京大など中性子治療
  31. ^ 世界初 病院設置型加速器によるホウ素中性子捕捉療法システム(BNCT)を受注 | お知らせ 2012年度 | 住友重機械工業株式会社
  32. ^ a b 2011年2月17日の朝日新聞朝刊33面
  33. ^ a b c d e f g h i 井垣 2011 p.516


「放射線療法」の続きの解説一覧

放射線治療

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/07/11 02:58 UTC 版)

上衣腫」の記事における「放射線治療」の解説

上衣腫治療において手術単独より放射線治療を併用した方が治療成績はよく、また、線量依存性効果があるといわれている。髄液播種はまれで、全脳全脊髄照射するメリット少なく、現在では局所照射のみでよいと考えられている。したがって局所限局して高線量をあてることができて、かつ正常組織への線量低減できる方法として、三次元原体照射(3D Conformal Radiation Therapy)や強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy: IMRT )などが発展してきており、実際に行われてきている。また、3歳未満の子供に放射線治療を行うと、知能障害などの晩期障害重篤になるため、可能な限り避けられてきた。しかし、最近の研究では、Conformalテクニック用いて放射線治療を行い3歳未満の子供でもIQ低下をきたさずによい治療成績得られているという報告もあり、最近では、Conformal照射テクニック用いて54~59.4Gyあてるのが良い考えられている 。

※この「放射線治療」の解説は、「上衣腫」の解説の一部です。
「放射線治療」を含む「上衣腫」の記事については、「上衣腫」の概要を参照ください。


放射線治療

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 09:49 UTC 版)

喉頭癌」の記事における「放射線治療」の解説

放射線治療が著効するため広く施行されている。

※この「放射線治療」の解説は、「喉頭癌」の解説の一部です。
「放射線治療」を含む「喉頭癌」の記事については、「喉頭癌」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「放射線治療」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「放射線治療」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



放射線治療と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「放射線治療」の関連用語

放射線治療のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



放射線治療のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの放射線療法 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの上衣腫 (改訂履歴)、喉頭癌 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS