リンパ節とは? わかりやすく解説

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リンパ‐せつ【リンパ節】

読み方:りんぱせつ

リンパ管所々にある粟粒大や大豆大の小器官網状結束した構造をもち、リンパ球マクロファージなどが充満しており、リンパ中の異物病原菌毒素などを捕食した免疫応答行ったりして生体防御する哺乳類にみられ、頸(けい)部・鼠蹊(そけい)部・腋窩(えきか)をはじめ全身分布リンパ腺

「リンパ節」に似た言葉

リンパ節

英訳・(英)同義/類義語:lymph node

ヒト組織で、リンパ管途中にあり、リンパ球の生産など生体防御に働く。
「生物学用語辞典」の他の用語
個体の器官や組織など:  ランゲルハンス島  ランビエ絞輪  リンパ液  リンパ節  リンパ系  一次根  一次気管支

リンパ節

Lymph node

【概要】 昔はリンパ腺呼んだが"腺(gland)"ではない。リンパ管リンパ液という液体を流す管でいずれ静脈合流する。リンパ節は多数リンパ管合流したところ。リンパ液細胞細胞の間を流れ液体集めたもの。赤血球血小板好中球はいないが、リンパ球はいる。警察官であるリンパ球にとって、リンパ節は警察署のようなもの。ここで情報交換したり増えたりする。悪性リンパ腫は普通リンパ節が腫れる。  

【詳しく】 HIV感染症では、ある時期にリンパ節が慢性腫れている状態がある。リンパ節の中でさかんにHIV生産され、また免疫の力で処理され仕事量が多い頃であろうエイズ末期になると、リンパ球死んでなくなり、リンパ節は縮んで小さくなり、中身荒廃してしまう。

《参照》 リンパ球悪性リンパ腫HIV


リンパ節

【仮名】りんぱせつ
原文lymph node

リンパ組織の丸い塊で、周囲結合組織被膜覆われている。リンパ節ではリンパリンパ液)の濾過が行われているほか、リンパ球白血球)の貯蔵場所にもなっている。リンパ節はリンパ管沿って分布している。「lymph glandリンパ腺)」とも呼ばれる

リンパ節(りんぱせつ)

リンパ節とは、全身にはりめぐらされリンパ管所々集り関所のような節を作っているところです。豆のような形をしていて、リンパ球作ったり、リンパ液運んできた細菌不純物濾過するフィルターのような役目もします。体の免疫機能を担う大切な器官で、数は個人差があり一定ではありません。股の付け根鼠径(そけい)部や、腕の付け根腋窩(えきか)といった、手足リンパ管体幹に入るところに多く集中してます。頭からリンパ管のために、頸部にも多くリンパ節が集ってます。乳がんにおいては、リンパ節へのがんの転移有無が、リンパ液通じた遠隔転移予測する要素となり、補助療法決め大切な情報となります

リンパ節郭清リンパ節郭清レベル


リンパ節

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/21 09:22 UTC 版)

リンパ節
人体におけるリンパ系 リンパ節は小さな黒丸で示されている
英語 Lymph node
器官 免疫系
テンプレートを表示
リンパ節の構造
・Afferent lympahatic vessel:輸入リンパ管
・Valve to prevent backflow:逆流防止弁
・Capsule:皮膜
・Sinus:リンパ洞
・Nodule:リンパ小節
・Cortex:皮質
・Hilum:リンパ節の門
・Efferent lymphatic vessel:輸出リンパ管

リンパ節(リンパせつ)とは免疫系に属する二次リンパ器官である。獣医学領域では体の同一部位にみられるリンパ節またはリンパ節群をリンパ中心(lymph center)と称する[1][2]

哺乳類免疫器官のひとつである。全身からリンパ液を回収して静脈に戻すリンパ管系の途中に位置し組織内に進入、あるいは生じた非自己異物が血管系に入り込んで全身に循環してしまう前にチェックし免疫応答を発動して食い止める関所のような機能を持つ。 豆の様な形の0.2-3cmの大きさの小体で一つの場所に2~10数個集まり、全身で600個程度ある。 リンパ節には、周囲から多くのリンパ管が入り、一部の凹んだリンパ門からは入ったリンパ管よりも少ない数のリンパ管が出ている。

概要

リンパ節は細網組織から構成されるリンパ洞と、リンパ球(免疫抗体を産生する細胞)の集まるリンパ小節により成る。 リンパ小節ではリンパ球の増生が行われリンパ洞は濾過装置として細菌や異物を食作用によって処理する。抗体生産も行う。 ブタのリンパ節は他の動物と異なり、皮質と髄質が逆に位置する(逆リンパ節)。

病原体などの異物が流入したとき、免疫応答のパターンによっては発赤腫脹を起こしてリンパ節炎を起こすことがある。また細胞が組織液に遊離してリンパ管に流入した場合には当然癌細胞をここでせき止めて殺そうとするが、殺しきれない場合にはそのまま癌細胞が増殖してリンパ節自体に転移が生じることが多い。いずれにせよリンパ節の異常の多くはリンパ管系のリンパ節より上流側に位置する末梢組織に病原体や毒素などの非自己異物の進入、あるいは悪性新生物などの自己起源の非自己異物の発生が起き、それに対する免疫応答が発動したことを意味する。

癌の摘出手術に合わせ、必要な「リンパ節郭清」を行う[3]

構造

リンパ節はソラマメ状の形態をしており、凸側から多数の輸入リンパ管が入り、「門」(hilum) と呼ばれる凹側から輸出リンパ管が出ている。また、血管が門から出入している。

全体の形態は被膜 (capsule) と、これより内部に突出した梁柱 (trabecula) により形成されている。これらにそってリンパ洞が存在し、流入したリンパ液が流れている。梁柱間の空間は輸入リンパ管側より、皮質と髄質を持っており、さらに皮質はB細胞からなる濾胞を中央にもち、周囲におもにT細胞からなる傍皮質を持つ。T細胞領域には高内皮性小静脈 (high endothelial venules, HEV) と呼ばれる血管が存在し、リンパ球はこの領域で血中よりリンパ節に移動する。髄質は髄索 (medullary cord) と髄洞からなる。

主なリンパ節

後頭リンパ節
後頭部の皮下にあるリンパ節。後頭部、頚部のリンパの集合場所。
耳介後リンパ節
胸鎖乳突筋上部表面にあるリンパ節。耳介後面、頭頂部のリンパの集合場所。
耳下腺リンパ節
耳下腺の実質中もしくは被膜上にあるリンパ節。頭頂前部、耳介、外耳道、鼓膜、耳下腺のリンパの集合場所。
顎下リンパ節
顎下腺付近にあるリンパ節。顔面部、口腔のリンパの集合場所。
オトガイリンパ節
オトガイ下にあるリンパ節。舌尖、下唇、オトガイなどのリンパの集合場所。
ウィルヒョウのリンパ節
左鎖骨上部にあるリンパ節。ここの腫れは胃癌の徴候として知られている。
腋窩リンパ節
腋窩にある20~30個のリンパ節群を指す。乳癌転移を起こしやすい場所。転移を認めると、リンパ節郭清を行う。
気管支肺リンパ節
肺内のリンパの総称。肺門リンパ節とも呼ばれ、肺結核初期に炎症が起こる。
腸リンパ本幹
腹腔内のリンパの集合場所。
鼡径リンパ節
下肢の付け根の前面(鼡径部)に集まる数十個のリンパ節。触診しやすく臨床上非常に有効。

他にも多くのリンパ節が存在する。

センチネルリンパ節 (Sentinel node ,SN)

腫瘍から最初にリンパ流が到達するリンパ節で見張りリンパ節とも呼ばれる。特に乳癌患者に対する腋窩リンパ節郭清について、このリンパ節への転移が郭清の要否を判断する材料とする見解が主流[4] である。センチネルノードコンセプト(Sentinel Node concept)が乳癌以外にも応用可能かには未だ議論がある。

腫大リンパ節の良性・悪性の鑑別

ここでいう良性とはリンパ節炎、悪性とはリンパ腫のことである。

追加画像

出典

  1. ^ リンパ中心 - vet-Anatomy - IMAIOS”. www.imaios.com. 2024年7月7日閲覧。
  2. ^ “リンパ中心” の検索結果”. 日本獣医解剖学会/獣医解剖分科会. 2024年7月7日閲覧。
  3. ^ 日本胃癌学会編『胃癌治療ガイドライン』、2014年5月改訂【第4版】参照
  4. ^ 乳癌診療ガイドライン2.外科療法2008年版

関連項目

外部リンク


リンパ節

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 09:02 UTC 版)

循環器」の記事における「リンパ節」の解説

リンパ管が集まる箇所には、所々にリンパ節がある。皮膜覆われ直径1~25 mm器官で、複数本の輸入リンパ管から液が流れ込み輸出リンパ管から流れ出る。ただし、単に輸入リンパ管から流入してきたリンパ液輸出リンパ管へと送っているわけではなく輸入リンパ管から入ってきた液量約半分がリンパ節で吸収され残り輸出リンパ管へと流れ出ている。また、輸入リンパ管輸出リンパ管流れているリンパ液組成異なっており、一般にリンパ節を通過すると、リンパ液中のタンパク質濃度上がることが知られている。リンパ節の中には網目状組織であるリンパ洞リンパ球集まった小節があり、小節中には胚中心という部分見られる胚中心リンパ球の分裂増殖促しリンパ洞不純物引っ掛け濾過する機能を持つ。がん細胞転移すると、この濾過を行うリンパ節に溜まりやすく、腫瘍になりやすい。 ワルダイエル咽頭輪パイエル板などは、消化器粘膜付随するリンパ小節集まった部分である。そのほか小腸粘膜にもリンパ小節散在している。

※この「リンパ節」の解説は、「循環器」の解説の一部です。
「リンパ節」を含む「循環器」の記事については、「循環器」の概要を参照ください。

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