たんぱく‐しつ【×蛋白質】
タンパク質
英訳・(英)同義/類義語:protein, Cerberus protein Cerberus
細胞を構成する主要成分で、アミノ酸がペプチド結合で重合し高分子化したもの。生物体の構造の維持や酵素としての機能を持つ。
酵素タンパク質モチーフなど: | タンパクキナーゼ タンパクファミリー タンパク複合体 タンパク質 タンパク質分解酵素 タンパク選別シグナル ターミナルデオキシリボヌクレオチジルトランスフェラーゼ |
タンパク質
例えば、人間であれば筋肉や内臓などの構成成分であり、皮膚の色やお酒に強いか弱いかなどの性質を決めているのもタンパク質である。さらにホルモン、酵素、コラーゲン、ケラチンなど生物活動を担うタンパク質は10万種類以上もある。このように個々の組織や機能ごとに共通して必要なタンパク質もあれば、異なった種類のタンパク質もある。これは、タンパク質の種類によって働き方が違うからである。
ところでタンパク質はアミノ酸という物質が長く鎖のようにつながったものであるが、このアミノ酸の並び方でタンパク質の種類が違ってくる。そのため、生命活動の必要性に応じて、どのようなタンパク質を作ればよいのかは、細胞の中にあるこのアミノ酸の並び方を決めている遺伝子が命令を出している。
生物の体を構成している主な成分であり、細胞の主成分でもある。また、生きていく上で非常に重要な機能を果たすのがタンパク質である。 例えば、人間であれば筋肉や内臓などの構成成分であり、皮膚の色やお酒に強いか弱いかなどの性質を決めているのもタンパク質である。さらにホルモン、酵素、コラーゲン、ケラチンなど生物活動を担うタンパク質は10万種類以上もある。このように個々の組織や機能ごとに共通して必要なタンパク質もあれば、異なった種類のタンパク質もある。これは、タンパク質の種類によって働き方が違うからである。 ところでタンパク質はアミノ酸という物質が長く鎖のようにつながったものであるが、このアミノ酸の並び方でタンパク質の種類が違ってくる。そのため、生命活動の必要性に応じて、どのようなタンパク質を作ればよいのかは、細胞の中にあるこのアミノ酸の並び方を決めている遺伝子が命令を出している。 | ![]() | ![]() 拡大表示 |
タンパク質 [Protein(s)]
アミノ酸のみから構成されている場合を単純タンパク質、アミノ酸以外の成分も含まれて構成されている場合を複合タンパク質という。前者にはカゼイン、コラーゲン、ケラチン、アルブミン、プロタミン、ヒストンなどがあり、後者には糖タンパク質、リポタンパク質、核タンパク質、色素タンパク質、金属タンパク質、リンタンパク質などがある。すべての酵素もこれらのいずれかのタンパク質である。また、その分子の形状から繊維状タンパク質(ケラチン、コラーゲン)と多くの球状タンパク質に分けられる。
タンパク質の構造は順次、一次構造(アミノ酸の配列)、二次構造(α-ヘリックスやβ-構造、ランダムコイル)、三次構造(特定の空間的配置)をとり、さらに三次構造の単位(サブユニット)が集合して四次構造をつくっている。一般にタンパク質は熱で変性しやすいが、これはその高次構造が破壊されるからである(好熱菌のタンパク質は耐熱性)。一般にタンパク質を抗原として異種の動物へ接種するとそれの抗体ができる。その抗体は抗原タンパク質と抗原-抗体反応をおこすので、この反応を利用して微量のタンパク質を検出することができる。タンパク質の標準物質としてウシ血清アルブミン(分子量66,000)がよく用いられる。
タンパク質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/19 02:12 UTC 版)
タンパク質(タンパクしつ、蛋白質、英: protein [ˈproʊtiːn]、独: Protein [proteˈiːn/protain])とは、20種類のアミノ酸が鎖状に多数連結(重合)してできた高分子化合物であり、生物の重要な構成成分のひとつである[1]。
注釈
- ^ 東京大学の和田昭允教授の命名による。
出典
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- ^ 武村(2011)、p.3-6、はじめに
- ^ a b 生化学辞典第2版、p.812 【タンパク質の一次構造】
- ^ a b c d e 武村(2011)、p.34-48、第一章 たんぱく質の性質、第三節 「焼く」とどうなる?たんぱく質
- ^ a b 生化学辞典第2版、p.816 【タンパク質の二次構造】
- ^ a b c d 武村(2011)、p.85-96、第二章 たんぱく質の作られ方、第四節 ポリペプチドはいかにして「たんぱく質」となるか
- ^ a b 生化学辞典第2版、p.812 【タンパク質の三次構造】
- ^ a b c 生化学辞典第2版、p.816 【タンパク質の四次構造】
- ^ (PDB) [1]
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- ^ 武村(2011)、p.98-113、第三章 たんぱく質のはたらき、第一節 たんぱく質はたんぱく質を分解する
- ^ a b c d e 武村(2011)、p.113-123、第三章 たんぱく質のはたらき、第二節 体のはたらきを維持するたんぱく質を
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- ^ a b c d 武村(2011)、p.134-145、第三章 たんぱく質のはたらき、第四節 たんぱく質の装飾品と、その利用
- ^ ガラクトース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、マンノース、L- フコース、グルコース、キシロース、グルクロン酸、シアル酸(武村(2011)、p.139)
- ^ a b 武村(2011)、p.145-153、第三章 たんぱく質のはたらき、第五節 たんぱく質の「死」
タンパク質 (ポリペプチド)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/18 05:49 UTC 版)
「主鎖」の記事における「タンパク質 (ポリペプチド)」の解説
タンパク質(proteins)は重要な生体分子であり、ウイルス、細菌、真核細胞の構造や機能に不可欠な役割を果たしている。その骨格は、20種類のアミノ酸のそれぞれのα炭素に結合したアミノ基とカルボン酸基が重合してできたアミド結合を特徴としている。これらのアミノ酸配列は、細胞質内のリボソームによって細胞内のmRNAから翻訳される。リボソームには酵素活性があり、この酵素の指示により、連続した各アミノ酸の間にアミド結合を作る縮合反応が起こる。これは、翻訳と呼ばれる生物学的プロセス中に起こる。この酵素のメカニズムでは、共有結合したtRNAシャトルが縮合反応の脱離基として機能する。新たに遊離したtRNAは、別のペプチドを「拾い上げ」、この反応に継続的に関与することができる。ポリペプチド骨格のアミノ酸の配列は、タンパク質の一次構造として知られている。この一次構造を経て、タンパク質はバックボーンのカルボニル酸素とアミン水素の間の水素結合によって形成される二次構造へと折りたたまれる。個々のアミノ酸残基間のさらなる相互作用により、タンパク質の三次構造が形成される。そのため、ポリペプチド骨格に含まれるアミノ酸の一次構造はタンパク質の最終的な構造の「地図」であり、その生物学的機能を示している。主鎖原子の空間的な位置は、主鎖再構築のための計算ツールを使用して、α炭素の位置から再構築することができる。
※この「タンパク質 (ポリペプチド)」の解説は、「主鎖」の解説の一部です。
「タンパク質 (ポリペプチド)」を含む「主鎖」の記事については、「主鎖」の概要を参照ください。
「タンパク質」の例文・使い方・用例・文例
- 動物性タンパク質
- 良質タンパク質とビタミンCをしっかり摂取しましょう
- 1年中食べますが、夏は夏バテ防止になります。うなぎにはビタミンとタンパク質とが豊富に含まれています。
- 熱はタンパク質を変性させる。
- 動物性タンパク質は植物性タンパク質より消化率が高い。
- 細胞内タンパク質は代謝回転が速い。
- タンパク質キナーゼ
- これらの分子はタンパク質をつかむ。
- 味噌の原料となる大豆は、タンパク質を多く含む。
- その抽出物中に糖とタンパク質が含まれる。
- タンパク質のアミノ酸配列を、メッセンジャーRNAの情報を使用することによるその合成の間に、見つけ出す
- 複合タンパク質
- 共有結合を作ることでつなげる(重合体またはタンパク質の隣接したつながりの)
- ウイルスの核酸を囲むタンパク質の外側の覆い
- 20面体のタンパク質の殻の中にDNAを含み、犬と牛の疾患を引き起こす一群のウイルスの総称
- 純度が高いタンパク質とビタミンB群の源として潜在的に重要な不遊単細胞緑の藻
- 腹膜腔でタンパク質と電解質の豊かな流体の異常蓄積から関連するか、または生じるさま
- タンパク質に関して、またはそれの性質
- タンパク質と銀の化合物から成る殺菌(商標名アージロール)
- 高分子化合物とタンパク質の大きな分子の相対的な分子量を決定するために使われる高速の遠心分離機
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