グリコーゲン合成とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 学問 > 生物学用語 > グリコーゲン合成の意味・解説 

グリコーゲン合成

英訳・(英)同義/類義語:glycogen synthesis, biosynthesis of glycogen

動物細胞でのグリコーゲン合成は、まずUTPグルコース1リン酸反応してUDPグルコース合成される。これを、既に存在する多糖の1ー4結合させて鎖をのばす。また、1−6結合形成して枝分かれ起こす場合もある。

グリコーゲン合成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/30 09:48 UTC 版)

グリコーゲン合成(グリコーゲンごうせい、: glycogenesis)は、グリコーゲン鎖にグルコース分子が付加していく過程である。この過程は高血糖のときに放出されるインスリンによって活性化される。

グリコーゲンの合成と分解が別経路であることが分かったのはマッカードル病という遺伝的グリコーゲン貯蔵病があったからである。この遺伝病の患者はグリコーゲンホスホリラーゼの異常によってグリコーゲンを分解することができないが、グリコーゲン合成は正常に行われていた。こういうことから分解と合成が別経路であることが判明した。

反応工程

生理的リン酸濃度では、グルコース-1-リン酸(G1P)からグリコーゲンを合成するのは熱力学的に不可能である。この反応を可能にするのが、UTPからUDP-グルコースを合成する発エルゴン反応で、1957年ルイ・ルロワールが発見した。

グリコーゲン合成に関わる酵素は、グルコース-1-リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ(UDPグルコースピロホスホリラーゼ)とグリコーゲンシンターゼ、グリコーゲン分枝酵素の3酵素である。

グルコース-1-リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ

グルコース-1-リン酸ウリジリルトランスフェラーゼは、UTPとG1PからUDP-グルコースを合成する酵素で、副産物に二リン酸を与える。二リン酸無機ピロホスファターゼで即座に加水分解されて2分子のリン酸となる。UDP-グルコースが合成される過程のΔG は約0[kJ/mol]であるが、二リン酸の加水分解のΔG は-33.5[kJ/mol]であるため合計すると発エルゴン過程となる。

グリコーゲンシンターゼ

グリコーゲンシンターゼはグリコーゲンを伸長する酵素で、UDP-グルコースのグリコシル基がUDPから外してオキソニウム中間体を作り、グリコーゲンの非還元末端グルコース残基のC4-OHがそれを求核攻撃してα(1→4)結合ができる。酵素反応のΔG は-13.4[kJ/mol]である。

グリコーゲン分枝酵素

グリコーゲンを枝分かれにするのは、1,4-α-グルカン分枝酵素である。グルカン鎖が11残基以上になるとこの酵素は、その非還元末端から約7残基を切り取り、同じまたは別のグルカン鎖のC6-OHに移す。このとき、新しい枝は直前の枝から4残基以上離れた場所にできる。熱力学的には、α(1→4)結合の加水分解はΔG =-15.5[kJ/mol]、α(1→6)結合の加水分解はΔG =-7.1[kJ/mol]であり、α(1→4)結合を切ってα(1→6)結合をつなぐのは発エルゴン過程となる。

関連項目



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「グリコーゲン合成」の関連用語

グリコーゲン合成のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



グリコーゲン合成のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
JabionJabion
Copyright (C) 2025 NII,NIG,TUS. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのグリコーゲン合成 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS