ヌクレオチドとは? わかりやすく解説

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ヌクレオチド【nucleotide】


ヌクレオチド

英訳・(英)同義/類義語:nucleotide

ヌクレオシドの糖部分リン酸エステル化され化合物

ヌクレオチド

Nucleotide

【概要】 核酸であるDNARNA構成分。DNAアデニン、グアニンシトシンチミン塩基デオキシリボースという糖が結合したものをヌクレオシドと言い、さらに燐酸結合したものをヌクレオチドという。糖と燐酸結合することにより、ヌクレオチドが縦に並んで鎖のようになっていく。

《参照》 DNARNAヌクレオシド


ヌクレオチド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/02 14:04 UTC 版)

ヌクレオチド (英語: nucleotide) とは、ヌクレオシドリン酸基が結合した物質である。ヌクレオシドは五炭糖の1位にプリン塩基またはピリミジン塩基グリコシド結合したもの。DNARNAを構成する単位でもある。

ヌクレオチドが鎖のように連なりポリヌクレオチドになる。またアデノシン三リン酸はリン酸供与体としても機能し、加えてセカンドメッセンジャーの機能を持つcAMPなども知られる。遺伝暗号コドンでは、ヌクレオチド3個でアミノ酸一つをコードしている。

命名法

略号[1] 説明 含まれる塩基
A adenine A 1種
C cytosine C
G guanine G
T thymine T
U uracil U
W weak[注釈 1] A T 2種
S strong[注釈 2] C G
M amino A C
K keto G T
R purine A G
Y pyrimidine C T
B Aではない(→B C G T 3種
D Cではない(→D A G T
H Gではない(→H A C T
V TやUではない(→V A C G
N 区別なし A C G T 4種

ヌクレオチドの名称は4文字の略号で表される。1文字目はの種類がリボヌクレオチド(r。省略する場合もある)かデオキシリボヌクレオチド (d) かを示す。2文字目は次の塩基の種類を示す。

すなわち、最初の2文字でヌクレオシドの種類が決まる。

3文字目は結合するリン酸基の数 (mono 1、di 2、tri 3) を、4文字目はリン酸塩 (P) であることを示す。

例えば、デオキシシチジン三リン酸 (deoxycytidine triphosphate) はdCTPと略される。また、4種類のデオキシリボヌクレオチド三リン酸 (dATP, dCTP, dGTP, dTTP) を混合したものはdNTPと表記する。

化学構造

各種リボヌクレオチド


Adenosine monophosphate
AMP

Adenosine diphosphate
ADP

Adenosine triphosphate
ATP

Guanosine monophosphate
GMP

Guanosine diphosphate
GDP

Guanosine triphosphate
GTP

Uridine monophosphate
UMP

Uridine diphosphate
UDP

Uridine triphosphate
UTP

Cytidine monophosphate
CMP

Cytidine diphosphate
CDP

Cytidine triphosphate
CTP

各種デオキシヌクレオチド


Deoxyadenosine monophosphate
dAMP

Deoxyadenosine diphosphate
dADP

Deoxyadenosine triphosphate
dATP

Deoxyguanosine monophosphate
dGMP

Deoxyguanosine diphosphate
dGDP

Deoxyguanosine triphosphate
dGTP

Thymidine monophosphate
dTMP

Thymidine diphosphate
dTDP

Thymidine triphosphate
dTTP

Deoxyuridine monophosphate
dUMP

Deoxyuridine diphosphate
dUDP

Deoxyuridine triphosphate
dUTP

Deoxycytidine monophosphate
dCMP

Deoxycytidine diphosphate
dCDP

Deoxycytidine triphosphate
dCTP

ヌクレオチドの利用

ヌクレオチド及びその結合体であるポリヌクレオチド、DNARNAは生物を原料とするほとんどの食品に微量含まれている。これを摂取すると、体内でRNA、DNAを効率的に合成する材料となる。

グアニル酸 (GMP) やイノシン酸 (IMP) は呈味性ヌクレオチドと呼ばれ、自身がうま味をもつほか、L-グルタミン酸ナトリウムと組み合わせることで、うま味が強まる効果があり、うま味調味料や、スープ原料などとして使用されている。

また、岡山大学の研究チームが、神経伝達物質として働くヌクレオチドを取り込むタンパク質を見つけ、これと強い痛みを伝える働きとの関与を研究しており、この研究が抗てんかん剤の効きにくい人の発作を抑えたり、激しい痛みを和らげる新薬の開発につながるのではないかと期待されている(詳細はアデノシン三リン酸を参照)。

脚注

注釈

  1. ^ A/T塩基間の水素結合が2箇所。
  2. ^ G/C塩基間の水素結合が3箇所。

出典

  1. ^ Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry (NC-IUB) (1984年). “Nomenclature for Incompletely Specified Bases in Nucleic Acid Sequences”. 2018年9月22日閲覧。

関連項目


ヌクレオチド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 14:57 UTC 版)

アレシボ・メッセージ」の記事における「ヌクレオチド」の解説

続く行には上記の5種類元素の数を表す数列でヌクレオチドの組成式書かれている例えば、最初に登場するデオキシリボース (C5OH7) は次のように書かれている。 110001000011010XXXXX これは水素原子が7個(2進数111)、炭素原子が5個(2進数101)、窒素原子が0個、酸素原子が1個、リン原子が0個から成っていることを示している。 このようにして以下の12個の構成物質の組成式書かれているデオキシリボース ( C 5 O H 7 {\displaystyle {\rm {C_{5}OH_{7}}}} ) アデニン ( C 5 H 4 N 5 {\displaystyle {\rm {C_{5}H_{4}N_{5}}}} ) チミン ( C 5 H 5 N 2 O 2 {\displaystyle {\rm {C_{5}H_{5}N_{2}O_{2}}}} ) デオキシリボース ( C 5 O H 7 {\displaystyle {\rm {C_{5}OH_{7}}}} ) リン酸 ( P O 4 {\displaystyle {\rm {PO_{4}}}} ) リン酸 ( P O 4 {\displaystyle {\rm {PO_{4}}}} ) デオキシリボース ( C 5 O H 7 {\displaystyle {\rm {C_{5}OH_{7}}}} ) シトシン ( C 4 H 4 N 3 O {\displaystyle {\rm {C_{4}H_{4}N_{3}O}}} ) グアニン ( C 5 H 4 N 5 O {\displaystyle {\rm {C_{5}H_{4}N_{5}O}}} ) デオキシリボース ( C 5 O H 7 {\displaystyle {\rm {C_{5}OH_{7}}}} ) リン酸 ( P O 4 {\displaystyle {\rm {PO_{4}}}} ) リン酸 ( P O 4 {\displaystyle {\rm {PO_{4}}}} )

※この「ヌクレオチド」の解説は、「アレシボ・メッセージ」の解説の一部です。
「ヌクレオチド」を含む「アレシボ・メッセージ」の記事については、「アレシボ・メッセージ」の概要を参照ください。

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