こう‐そ〔カウ‐〕【酵素】
酵素
酵素(フィブリン分解酵素)
酵素
【概要】 ある物質を他の物質に変化させるときに触媒としてはたらく蛋白質。変化する前の原料を基質という。酵素反応は「くっつける=合成」と、「切る=分解」がある。反応自体で酵素は消費されず、一つの作業が終わると酵素は次の基質にとりかかる。また、あまり大量のエネルギーは必要でなく37度のような穏和な環境で反応が進む。
【詳しく】 細胞の中ではたらく微量な酵素は、自動車工場の中でせっせと部品を組み込む作業員のようである。酵素は間違いがないように基質の構造のある部分を認識して作業をする(=基質特異性)。HIVの逆転写酵素もRNAからDNAの複製をするはたらきがあるが、いいかげんな作業員で、よく間違った複製をしてしまう。これが変異株のできる原因と言われている。
酵素
酵素 [Enzyme(s)]
生体内のほとんどの代謝過程に作用し、とくに発酵、呼吸、光合成をなどのエネルギー代謝をはじめ、核酸、タンパク質、多糖、脂質やその他の種々の物質の生合成、分解反応あるいは物質の膜輸送などに働くきわめて多種類の酵素が知られている。単一のタンパク質の場合もあるが、糖質や脂質と結合した複合体や金属原子(亜鉛、鉄、マンガンなど)を含む酵素もある。
酵素(こうそ)
酵素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/07 00:09 UTC 版)
英: enzyme)とは、生体内外で起こる化学反応に対して触媒として機能する分子である。酵素によって触媒される反応を「酵素的」反応という。このことについて酵素の構造や反応機構を研究する古典的な学問領域が、酵素学(こうそがく、英: enzymology)である。
(こうそ、注釈
出典
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酵素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/07 01:02 UTC 版)
生体内で生成される、触媒作用を持つ物質で、タンパク質を主成分としている。1913年にドイツで動物の乾燥膵臓を原料とした洗剤が発売されたのが酵素入り洗剤の始まりとされる。現在では洗剤に添加されるものは枯草菌やカビ類などの微生物を培養して作られ、脂肪を分解するリパーゼ、デンプンを分解するアミラーゼ、タンパク質を分解するプロテアーゼ、繊維を分解するセルラーゼなどが代表的である。低温では効果が損なわれるため、40℃程度のぬるま湯での洗浄が効果的である。
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酵素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 15:56 UTC 版)
既に示したように、エキソソームはリボヌクレアーゼ活性を持つタンパク質を多く含む。エキソソームは元々、RNA分子を3'末端から分解する3'-5'エキソリボヌクレアーゼだったが、これらのドメインは、進化にともなって様々な活性を得たり、失ったりしてきた。エキソソームに含まれるエキソリボヌクレアーゼは加リン酸分解(RNase PH様タンパク)か、真核細胞では加水分解(RNase R、RNase Dドメインタンパク)酵素である。加リン酸分解酵素はホスホジエステル結合の切断に無機リン酸を用い、ヌクレオチド二リン酸を放出する。加水分解酵素は切断に水を用い、ヌクレオチド一リン酸を放出する。 古細菌では、Rrp41サブユニットは加リン酸分解エキソリボヌクレアーゼである。このユニットが環構造内に3個存在し、酵素活性を担う。真核細胞では、RNase PHサブユニットには酵素活性はない。つまり、環構造内に酵素活性のあるタンパクは含まれていない。それにも関わらず、エキソソーム中心部の構造は古細菌からヒトまで高度に保存されており、何らかの重要な細胞機能を持つと考えられている。真核細胞では加リン酸分解活性が欠如する代わりに、別の加水分解酵素がリボヌクレアーゼ活性を担う。 酵母のエキソソームには加水分解酵素Rrp6、Rrp44が付随しているが、ヒトではRrp44の位置にDis3またはDis3L1が入っている。元々、S1ドメインを持つタンパクが3'-5'加水分解性エキソリボヌクレアーゼ活性を持つと考えられていたが、最近ではその活性の存在は疑問視されており、分解前の基質を複合体に結合しておく役割を持つと考えられている。
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酵素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 07:00 UTC 版)
ADPリボース化反応はADPリボシルトランスフェラーゼという酵素によって触媒され、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)からアルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸などの残基にADPリボースを転移させる。ヒトではNADからアルギニンにADPリボースを移す1種類の酵素のみが見つかっていて、ヒストンなどのタンパク質を修飾している。この反応は可逆で、例えばADPリボシルアルギニンのADPリボースは、ADPリボシルアルギニンヒドロラーゼによって除去することができる。 ADPリボースはまた、ポリADPリボース化作用と呼ばれる反応によって、長い側鎖を持ったタンパク質に転移することもできる。この修飾反応は、原核生物と酵母を除くほとんど全ての真核生物に見られるポリADPリボースポリメラーゼによって触媒される。ポリADPリボース化は、DNA修復やテロメアの維持において重要な役割を果たしている。
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酵素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 03:59 UTC 版)
この反応はペプチジルアルギニンデイミナーゼ(PADs)と呼ばれる酵素群によって行われる。シトルリン化は尿素回路ではオルニチントランスカルバモイラーゼ(OTC)によって行われ、また、一酸化窒素シンターゼ(NOS)の酵素反応でもアルギニンのシトルリンへの転化が起こり、"副生成物"としてシトルリンが生成する。
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酵素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/17 07:31 UTC 版)
「サーマス・アクアティカス」の記事における「酵素」の解説
T. aquaticusは、以下に説明するように、耐熱性酵素、特にTaqDNAポリメラーゼの供給源として有名である。
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酵素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 22:29 UTC 版)
18世紀末から19世紀初頭の時点で、胃分泌液による肉の消化、また植物抽出液や唾液による澱粉から糖への転化は既に知られていたが、これらがどのようなメカニズムを経て起こるのかについては解明されていなかった。 19世紀に入り、酵母により糖がアルコールに発酵される現象を調べていたルイ・パスツールは一つの結論を導き出した。すなわち、この発酵は「発酵素 ferment」(生命体の中でのみ機能すると考えられていた)と呼ばれる酵母細胞の持つ生命力によって触媒されたということである。パスツールは「アルコール発酵は酵母細胞の生命活動や組織化と相関し、細胞の死や腐敗とは相関しない活動である」と記した。 1878年、ドイツ人生理学者のウィルヘルム・キューネがこの過程を示す用語として enzyme (ギリシャ語で「酵母に」の意味を持つ ενζυμον に由来)を提唱した。後に、「酵素 enzyme」はペプシンなどの無生物基質を指す用語として、また ferment は生命体が持つ化学活性について用いられるようになった。 1897年、エドゥアルト・ブフナーは生酵母細胞を伴わずに酵母エキスが糖を発酵させる能力の研究を始めた。ベルリン大学で行われた一連の実験で、ブフナーは生酵母細胞が混合液中に存在しないのにも関わらず、糖が発酵されることを見出した。ブフナーはスクロースの発酵を引き起こす酵素をチマーゼと命名した。1907年、ブフナーは「無細胞発酵の生化学的研究と発見」でノーベル化学賞を受賞。ブフナー以後、酵素は大抵それらが行う反応に従って命名されている。通常、-ase(アーゼ)という接尾辞が基質の名称(例:ラクターゼはラクトースを分解する酵素)や反応の種類(例:DNAポリメラーゼはDNAポリマーを生成する)に付加される。 酵素が生体細胞の外でも機能することが示された後、次に酵素の生化学的本性の決定が行われた。多くの初期の研究者は酵素活性がタンパク質と関係があると考えたが、ノーベル賞受賞者のリヒャルト・ヴィルシュテッターを始めとする一部の科学者は、タンパク質は単に真の酵素の運搬体に過ぎず、タンパク質それ自体は触媒能力を持たないとして反論した。しかし1926年、ジェームズ・サムナーはウレアーゼという酵素が純粋なタンパク質であることを示し、結晶化に成功した。また、1937年にはカタラーゼという酵素について同様のことを行った。純粋のタンパク質が酵素になりうることは、ジョン・ノースロップとウェンデル・スタンリー(消化酵素であるペプシン(1930)、トリプシン、キモトリプシンに関して研究していた人物)によって決定的に証明された。サムナー、ノースロップ、スタンリーの3人は1946年にノーベル化学賞を受賞した 。 酵素が結晶化可能であることの発見は、X線結晶構造解析による酵素の構造決定に繋がった。最初に構造が決定された酵素はリゾチームである。リゾチームは涙、唾液、卵白の中で見つかった酵素で、一部の細菌の被覆物を消化する働きを持つ。この酵素の構造はデヴィッド・チルトン・フィリップスの研究グループによって決定され、1965年に発表された。リゾチームの高分解能構造の決定は構造生物学と呼ばれる学術分野の夜明けとなり、酵素がどのように働くかを原子レベルで解明する努力が始まった。
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酵素
出典:『Wiktionary』 (2021/06/12 12:41 UTC 版)
名詞
関連語
発音(?)
翻訳
- アイルランド語: Einsím (ga) 女性
- アフリカーンス語: ensiem (af)
- アラビア語: انزيم (ar)
- 英語: enzyme (en)
- エスペラント: enzimo (eo)
- ギリシア語: ένζυμο (el) (énzymo) 中性
- スペイン語: enzima (es) 女性
- チェコ語: enzym (cs) 男性
- ドイツ語: Enzym (de) 中性
- トルコ語: enzim (tr)
- ハンガリー語: enzim (hu)
- フィンランド語: entsyymi (fi)
- フランス語: enzyme (fr) 男性
- ヘブライ語: אנזים (he)
- ポーランド語: enzym (pl) 男性
- ボスニア語: enzim (bs)
- リトアニア語: fermentas (lt) 男性, enzimas (lt) 男性
- ロシア語: фермент (ru) (f'erm'ént) 男性, энзим (ru) (enzím) 男性
「酵素」の例文・使い方・用例・文例
- 酵素が体内の脂肪を分解する
- 酵素からATPが遊離するとき、エネルギーが使われる
- テロメラーゼは酵素の一種だ。
- この酵素は細胞の成長を抑制する役割を果たす。
- プロテイナーゼは酵素の一種だ。
- 舌下神経核における酵素の活動
- そのバクテリアに線維素溶解性の酵素が見つかった。
- 乳糖分解酵素は小腸で作られる。
- 酵素動力学の研究は最近はやっていないように思われる。
- アルコールは酵素によって分解される。
- 醗酵素
- 我々が酵素を加えると、液体はゼリー状になった
- 酵素は結紮した
- 酵素転換反応に依存して、特定の物質(酵素、ウィルス、抗体、または、バクテリア)の存在を検知するために使用される分析
- 蛍光色素か酵素(ホースラディッシュペルオキシダーゼのような)のような目印を用いて組織で特異性抗原を示す分析評価
- 酵素作用などで人工的に部分的に消化される
- 1ビリオンあたり2つの単一らせん構造の線状RNA分子と(RNAからDNAへの)逆転写酵素から成るウイルスのグループの総称
- 酵素の作用を抑制する
- 酵素カタラーゼの、または、酵素カタラーゼに関する
- 酵素の、に関する、あるいは、によって生じる
酵素と同じ種類の言葉
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