体液
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/01 20:12 UTC 版)
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体液(たいえき)は、動物がなんらかの形で体内に持っている液体である。生物学的には、動物の体内にあって、組織間や体腔内、あるいは全身に広がった管や循環系の中を満たしているものだけを指す。
一般的には、唾液・汗・精液・尿など、体内外に分泌・排泄される様々な液体も体液と呼ばれることがある。

分類
体液は大きく細胞内液(ICF)と細胞外液(ECF)に分けられるが、細胞内液は体液に含まないことが多い。 細胞外液には、血液やリンパ液、血管の外の細胞間を満たす組織液、および体腔内の体腔液などが含まれる。
狭い意味での体液
ときに体液と呼ばれるもの
体液量
全水分量42 L | 細胞外液14 L | 血漿(血管内)2.8 L |
間質液11.2 L | ||
細胞内液28 L |
ヒトの成人男性において、健常時の全体液(細胞内液+細胞外液)は体重の60%を占める。 内訳は、体重に対して細胞内液が40%、組織液が15%、血液(血漿のみ)・リンパ液が4.5%・体腔液などが0.5%である。 脂肪組織はほとんど水を含まないため、男性に比べて脂肪が多い成人女性では、体重に対する体液の比率が小さくなる(男性の8割ほど)。
体液比は年齢とともに減少していく。新生児で最も高く約78%であるが、これは細胞外液量が多いためである。4歳くらいで成人とほぼ同じ比率になる。一方、老人の体液比は約50%で、これは細胞内液量が減少したことによる。
体液量の測定法
生体の水分代謝の異常を知るためには体液量を測定する必要がある。 日常的には、尿量や尿比重、血液組成などから体液量を推測する間接的な方法を用いるが、より正確に知りたい場合には直接的な方法で測定する。
直接法の中で臨床的に使われる方法としては希釈法がある。これは、すみやかに体内に拡散して代謝や排泄が行われにくい標識物質を一定量投与し、平衡状態に達したときの濃度から各体液量を算出する方法である。
全体液量の測定には、標識物質として細胞内外に均一に分布するアンチピリンや重水が使用される。また細胞外液量測定には、細胞内に移行しないイヌリン、マンニトール、チオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムなどが標識物質となる。細胞内液量は直接測定できないため、全体液量と細胞外液量との差から求める。
血液量の測定には、アルブミンと結合して血中に長時間残留する色素Evans blueや、51Crなどの放射性同位元素を用いる。組織液量も直接測定できないため、細胞外液量と血液量の差から求める。
体液の組成
細胞内液は細胞質基質として、生命活動の基本となるさまざまな代謝の場となる。 その組成は細胞の種類によってさまざまであるが、電解質に関しては陽イオンとしてカリウムイオン、陰イオンとしてリン酸イオンとタンパク質が多い。
一方、細胞外液は細胞が生きるための環境である。 陽イオンとしてナトリウムイオン、陰イオンとして塩化物イオンが多く含まれ、ほぼ0.9%の食塩水である(生理的食塩水)。これは、生命が生まれた当時の海の環境を体の中に持ち込んだものとみなせるため、内部環境とも呼ばれる。
これらの電解質バランスは一定に保たれ、細胞の浸透圧が維持されている。 またその濃度勾配は、神経細胞の興奮や筋肉の収縮などの際に活動電位を生じさせるために必要となる。
種 | Na | K | Ca | Mg | Cl | SO4 | PO4 | イオン強度(μ) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ミズクラゲ | 454 | 10.2 | 9.7 | 51 | 554 | 14.6 | 0.68 | |
ウロコムシ | 456 | 12.3 | 10.1 | 51.7 | 538 | 26.5 | 0.68 | |
イガイ | 502 | 12.5 | 12.5 | 55.6 | 585 | 29.2 | 0.75 | |
ミドリガニ | 468 | 12.1 | 17.5 | 23.6 | 524 | 0.54 | ||
アメリカザリガニ | 146 | 3.9 | 8.1 | 4.3 | 139 | 0.17 | ||
メクラウナギ | 544 | 7.7 | 5.4 | 10.4 | 540 | 4.4 | 1.5 | 0.77 |
ヤツメウナギ | 139 | 6.2 | 2.6 | 1.9 | 113 | 0.9 | 1.3 | 0.16 |
サメ | 254 | 8.0 | 5.0 | 2.5 | 255 | 2.0 | 0.29 | |
マグロ | 188 | 9.8 | 3.9 | 167 | 2.0 | 0.16 | ||
マス | 101 | 6.2 | 2.5 | 1.4 | 140 | 0.4 | 1.2 | 0.15 |
ニワトリ | 154 | 6.0 | 2.5 | 2.3 | 122 | 0.7-1.5 | 0.16 | |
ヒト | 145 | 5.1 | 2.5 | 1.2 | 103 | 2.5 | 1.0-2.0 | 0.16 |
脚注
- ^ 血圧と血中ナトリウム量の関係について教えてください(日本心臓財団)
- ^ 『新骨の科学』医歯薬出版株式会社、2007年。
関連項目
- 体液説
- 循環系
- 輸液
- 体液区画 - 細胞内液、細胞外液(血漿、間質液)の2種の区画に分けられる。さらに、火傷や浮腫、腹水や胸水などへの移動はサードスペースと呼ばれる。
- 植物生体液(樹液、導管液、師管液、汁液)
参考文献
- 『岩波生物学辞典』第4版
- 金井正光編 『臨床検査法提要』改訂第32版
体液
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 06:47 UTC 版)
「エイリアン (架空の生物)」の記事における「体液」の解説
幼体・成体を問わず体液は黄色い強酸性で、金属その他のあらゆるものを腐食させる性質を持つ。そのため、うかつに攻撃すると返り血によって攻撃者側も大きなダメージを受ける。さらに自らの出血を利用して拘束状態を脱したり、武器として使用した例も見られる。当然ながらエイリアン自身の外殻は溶けることはなく、『AVP』シリーズでは、プレデターがエイリアンの体を対エイリアン用の武装に加工する様が描写されている。体液は持ち主が死亡すると酸性から中和されていく。武器として使用の描写から、胃のような粘膜による耐酸性ではなく、体組織自体が根本的に酸で溶けないことが判明している。しかし、『AVP2』のラストでは、雨の降りしきる中でプレデリアンと刺し違えて大量の返り血を浴びていたクリーナーの肉体がまったく溶解しなかったり、同じように雨の中で殺されたエイリアンの返り血で物が溶けるという描写がまったく無かった。
※この「体液」の解説は、「エイリアン (架空の生物)」の解説の一部です。
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体液
「体液」の例文・使い方・用例・文例
- 体液
- 四体液.
- 【解剖】 (眼球の)硝子(しようし)体液.
- 四体液
- 体液病理学
- 識別の目的で人の体組織または体液のサンプルでDNAを分析する手順
- 維管束のになり体液を循環させる血管を持つ
- 外科手術で、硝子体液を取り除いて食塩水と取り換える
- 血液(中世医学における4つの体液の1つ)の過剰な分を減らす治療法として、かつて使われていたもの
- 体液を抽出するために中空の針で体腔や組織に穴をあける行為
- 穿刺によって関節から体液を取り出すこと
- 診断や治療の目的で、脊髄の腰部のくも膜下腔から体液を穿刺して取り除くこと
- 翼で取られた他の昆虫の体液をすうために硬くなった吻を持つミツバチのような強い体をもった素早い捕食性のハエ
- 目の硝子体液の、目の硝子体液に関する、または、目の硝子体液を構成する
- 体液の、または、体液に関する
- 血液または他の体液の異常な集積に関する、または、血液または他の体液の異常な集積に影響さする
- かつて、人の健康と気質を決定すると思われていた要素の組合せ(乾燥、暖かさ、または、四体液)
- 止血したり、体液の分泌を制限したりするために、柔らかい体組織を引き締めたり引き寄せたりする能力
- 目の硝子体液を包んでいて、それを網膜から切り離す透明な膜
- 内耳の膜迷路を満たす体液
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