体液とは? わかりやすく解説

体液

体液(たいえき)とは、生物体内存在する液体総称である。これには血液、尿、唾液、汗などが含まれそれぞれ特定の機能果たしている。血液酸素栄養素体内運び、尿は体内不要な物質排出し唾液食物消化助け、汗は体温調節寄与する。体液は、生物生命活動不可欠な役割果たしている。 体液は、病気診断治療にも重要な役割果たしている。例えば、血液検査は、体内の状態を詳しく知るための重要な手段であり、尿検査腎臓機能尿路感染症有無調べるのに用いられるまた、唾液口腔内の健康状態判断するのに役立つ。これらの検査は、病気早期発見治療の効果確認するために行われる

体液

読み方:たいえき

身体含まれる、あるいは身体から分泌される液体血液組織液脳漿など。新聞報道などでは、「精液」を明示しない表現方法として体液の語が用いられる場合が多い。

たい‐えき【体液】


体液

英訳・(英)同義/類義語:body fluid, fluid

動物体内液状成分総称脊椎動物では、体液を血液リンパ液組織液3つ分ける。
「生物学用語辞典」の他の用語
個体の器官や組織など:  仮足  仮道管  伸張受容器  体液  体節  体腔  作動体

体液

Body fluid

【概要】 生体作る多種類の液体をさす言葉通常血液精液、尿、唾液などを指している。濃度それぞれだが、HIVは体液の中にフリーな形で含まれている。

《参照》


体液、水分、液体

【仮名】たいえき
原文fluid

液体

体液

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/01 20:12 UTC 版)

体液(たいえき)は、動物がなんらかの形で体内に持っている液体である。生物学的には、動物の体内にあって、組織間や体腔内、あるいは全身に広がった管や循環系の中を満たしているものだけを指す。

一般的には、唾液精液尿など、体内外に分泌・排泄される様々な液体も体液と呼ばれることがある。

人の体液 左から精液、尿、唾液

分類

体液は大きく細胞内液(ICF)と細胞外液(ECF)に分けられるが、細胞内液は体液に含まないことが多い。 細胞外液には、血液やリンパ液、血管の外の細胞間を満たす組織液、および体腔内の体腔液などが含まれる。

狭い意味での体液

ときに体液と呼ばれるもの

体液量

体重70 kgの男性の体液の内訳[1]
全水分量42 L 細胞外液14 L 血漿(血管内)2.8 L
間質液11.2 L
細胞内液28 L

ヒト成人男性において、健常時の全体液(細胞内液+細胞外液)は体重の60%を占める。 内訳は、体重に対して細胞内液が40%、組織液が15%、血液(血漿のみ)・リンパ液が4.5%・体腔液などが0.5%である。 脂肪組織はほとんど水を含まないため、男性に比べて脂肪が多い成人女性では、体重に対する体液の比率が小さくなる(男性の8割ほど)。

体液比は年齢とともに減少していく。新生児で最も高く約78%であるが、これは細胞外液量が多いためである。4歳くらいで成人とほぼ同じ比率になる。一方、老人の体液比は約50%で、これは細胞内液量が減少したことによる。

体液量の測定法

生体の水分代謝の異常を知るためには体液量を測定する必要がある。 日常的には、尿量や尿比重、血液組成などから体液量を推測する間接的な方法を用いるが、より正確に知りたい場合には直接的な方法で測定する。

直接法の中で臨床的に使われる方法としては希釈法がある。これは、すみやかに体内に拡散して代謝や排泄が行われにくい標識物質を一定量投与し、平衡状態に達したときの濃度から各体液量を算出する方法である。

全体液量の測定には、標識物質として細胞内外に均一に分布するアンチピリン重水が使用される。また細胞外液量測定には、細胞内に移行しないイヌリンマンニトールチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムなどが標識物質となる。細胞内液量は直接測定できないため、全体液量と細胞外液量との差から求める。

血液量の測定には、アルブミンと結合して血中に長時間残留する色素Evans blueや、51Crなどの放射性同位元素を用いる。組織液量も直接測定できないため、細胞外液量と血液量の差から求める。

体液の組成

細胞内液は細胞質基質として、生命活動の基本となるさまざまな代謝の場となる。 その組成は細胞の種類によってさまざまであるが、電解質に関しては陽イオンとしてカリウムイオン、陰イオンとしてリン酸イオンとタンパク質が多い。

一方、細胞外液は細胞が生きるための環境である。 陽イオンとしてナトリウムイオン、陰イオンとして塩化物イオンが多く含まれ、ほぼ0.9%の食塩水である(生理的食塩水)。これは、生命が生まれた当時の海の環境を体の中に持ち込んだものとみなせるため、内部環境とも呼ばれる。

これらの電解質バランスは一定に保たれ、細胞の浸透圧が維持されている。 またその濃度勾配は、神経細胞の興奮や筋肉の収縮などの際に活動電位を生じさせるために必要となる。

様々な動物の体液中イオン組成 (mM) [2]
Na K Ca Mg Cl SO4 PO4 イオン強度(μ)
ミズクラゲ 454 10.2 9.7 51 554 14.6 0.68
ウロコムシ 456 12.3 10.1 51.7 538 26.5 0.68
イガイ 502 12.5 12.5 55.6 585 29.2 0.75
ミドリガニ 468 12.1 17.5 23.6 524 0.54
アメリカザリガニ 146 3.9 8.1 4.3 139 0.17
メクラウナギ 544 7.7 5.4 10.4 540 4.4 1.5 0.77
ヤツメウナギ 139 6.2 2.6 1.9 113 0.9 1.3 0.16
サメ 254 8.0 5.0 2.5 255 2.0 0.29
マグロ 188 9.8 3.9 167 2.0 0.16
マス 101 6.2 2.5 1.4 140 0.4 1.2 0.15
ニワトリ 154 6.0 2.5 2.3 122 0.7-1.5 0.16
ヒト 145 5.1 2.5 1.2 103 2.5 1.0-2.0 0.16

脚注

  1. ^ 血圧と血中ナトリウム量の関係について教えてください(日本心臓財団)
  2. ^ 『新骨の科学』医歯薬出版株式会社、2007年。 

関連項目

  • 体液説
  • 循環系
  • 輸液
  • 体液区画英語版 - 細胞内液、細胞外液(血漿、間質液)の2種の区画に分けられる。さらに、火傷や浮腫、腹水や胸水などへの移動はサードスペースと呼ばれる。
  • 植物生体液(樹液、導管液、師管液、汁液)

参考文献

  • 『岩波生物学辞典』第4版
  • 金井正光編 『臨床検査法提要』改訂第32版

体液

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 06:47 UTC 版)

エイリアン (架空の生物)」の記事における「体液」の解説

幼体成体問わず体液は黄色強酸性で、金属その他のあらゆるものを腐食させる性質を持つ。そのため、うかつに攻撃する返り血によって攻撃者側も大きなダメージを受ける。さらに自らの出血利用して拘束状態を脱したり、武器として使用した例も見られる当然ながらエイリアン自身外殻溶けることはなく、『AVPシリーズでは、プレデターエイリアンの体を対エイリアン用の武装加工する様が描写されている。体液は持ち主死亡する酸性から中和されていく。武器として使用描写から、胃のような粘膜による耐酸性ではなく体組織自体根本的に酸で溶けないことが判明している。しかし、『AVP2』のラストでは、降りしきる中でプレデリアン刺し違えて大量返り血浴びていたクリーナー肉体がまったく溶解しなかったり、同じようの中で殺されエイリアン返り血で物が溶けるという描写がまったく無かった

※この「体液」の解説は、「エイリアン (架空の生物)」の解説の一部です。
「体液」を含む「エイリアン (架空の生物)」の記事については、「エイリアン (架空の生物)」の概要を参照ください。

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体液

出典:『Wiktionary』 (2021/08/12 13:23 UTC 版)

名詞

(たいえき)

  1. 動物体内液体総称

翻訳

関連語


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