けっ‐しょう〔‐シヤウ〕【血×漿】
血しょう
血漿 ( blood plasma )
血漿
【概要】 血液を固まらない状態で遠心沈殿させた上澄み。つまり血液から細胞成分である血球を除いたもの。血漿は蛋白や糖やミネラルを含んだ水分で、濃厚なスープ。凝固因子や免疫グロブリンも血漿蛋白の一種。HIVは血漿中に浮いている。

血漿(Plasma)
血漿
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/24 15:52 UTC 版)
![]() |
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2013年3月)
|
全水分量42 L | 細胞外液14 L | 血漿(血管内)2.8 L |
間質液11.2 L | ||
細胞内液28 L |
血漿(けっしょう、英: Blood plasma、プラズマ)は、血液に含まれる液体成分の一つで、血液の55%を占める。血液を試験管にとって遠心沈殿すると、下の方に赤い塊りができ、上澄は淡黄色の液体(血清)になる。赤い塊りは主として赤血球の集りで、上澄の液体が血漿である。赤血球と血漿との容積の比はほぼ半々ぐらいである。血漿はアルブミンとグロブリンからなるタンパク質を約7.0%程度含んでおり、その他K、Na、Caなどの電解質やビタミンなどを含んでいる[2]。
歴史
血漿は、1628年にウイリアム・ハーベーによって説明されていたが、1770年頃、ウィリアム・ヘンソンがフィブリノゲンを発見したことにより、研究が加速した。輸血の代替品としての血漿の使用は、1918年3月に英国医学雑誌の通信欄でゴードンR.ウォードによって提案された。やがて粉末の「乾燥プラズマ」が開発され、英国軍や米軍によって第二次世界大戦で初めて使用された。粉末プラズマの入ったガラス瓶に、同じくガラス瓶に入った蒸留水を流し込み、ゴム管と注射針で注入する。約3分で、プラズマはすぐに使用できる状態になり、約4時間新鮮に保たれる。それらの器具一式が一つのセットになっていて、戦場のどこででも輸送でき、いつどこでも輸血することが可能となり[3]、戦場の兵士たちの多くの命を救った[4]。
1960年代まで、日本赤十字社が製造していた血漿(液状)は、防腐剤にチメロサールが使用されていた。1970年2月、血漿を大量に点滴していた患者が有機水銀中毒を発症して死亡する事例が発生。血漿に含まれる水銀の量は1万分の1と微量であり一般患者には問題のない量とされたが、当年度にチメロサールを使用した血漿は回収が行われて市場から姿を消した[5]。
血漿量
血漿量は、全体液量−細胞内液量-間質液量で求めることができる。また、エバンスブルー色素を用いての色素濃度の測定、放射性ヨウ素標識血清アルブミンを用いての放射活性からも血漿量を求めることができる。
組成
やや黄色みを帯びた中性の液体で以下の成分で構成される。水 (91%) の次にたんぱく質 (7%) が多い。
なお、血漿等における無機塩類の濃度は表のとおりである[6]。
イオン | 血漿等細胞外濃度 (mmol/L) |
細胞内濃度 (mmol/L) |
---|---|---|
ナトリウム(Na+) | 145 | 12 |
カリウム(K+) | 4 | 140 |
マグネシウム(Mg2+) | 1.5 | 0.8 |
カルシウム(Ca2+) | 1.8 | <0.0002 |
塩素(Cl-) | 116 | 4 |
リン酸(HPO4 2-) | 1 | 35 |
役割
血液細胞・養分・脂質・ホルモン・老廃物の運搬、体内恒常性の維持(緩衝作用)、血液凝固、免疫機能を持つ(抗原抗体反応の場)。急激な温度変化の抑制。
血管外に組織液としてしみだす事ができ、これにより細胞に栄養分を供給できる。一部は毛細血管を経由して血管に戻るが、多くは毛細リンパ管に入り、リンパ漿となる。
検査項目
血漿
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 02:09 UTC 版)
詳細は「血漿」を参照 血漿は血液の液体成分で、その90%を占める水は物質の運搬を担う。電解質は細胞へミネラルを補給したり、体液の浸透圧や緩衝作用に影響を与える。血漿タンパク質は浸透圧や緩衝作用調整のほかにも、アミノ酸やホルモン・ビタミン類の運搬や、フィブリノゲンが血液凝固に作用したり、抗体として免疫作用に関係したりと、多様な機能を持つ。
※この「血漿」の解説は、「血液」の解説の一部です。
「血漿」を含む「血液」の記事については、「血液」の概要を参照ください。
「血漿」の例文・使い方・用例・文例
- 医師はその患者に血漿交換療法を施した。
- 心臓によって体全体に供給され、血漿、血球および血小板を含んだ流体(脊椎動物では赤い)
- 血漿のカルシウム濃度を下げ、骨の吸収を抑制する傾向がある甲状腺ホルモン
- 血液全体や血漿の貯蔵場所
- それらの物理構造を破壊することなく、食物、血漿、医薬または組織を乾燥させる方法
- 血漿中にフィブリオゲンが欠如し、出血が止まりにくいこと
- 血漿中にフィブリノゲンが全く存在しないために凝固異常を起こす、稀な遺伝性疾患
- 血漿中の過度のヘモグロビンの存在
- アルカリ性で、高い電気泳動移動度を有する血漿または血清中のグロブリン
- 血漿中のタンパク質の総称
- 免疫反応に責任のある免疫グロブリンを含む血漿淡泊
- 血漿中に存在するタンパク質
- 破傷風のために予防接種を受けた人の血漿に由来するグロブリンの滅菌溶液
- 鉄を運ぶ血漿中のグロブリン
- 乾燥させた血漿
- 血漿という血液の成分
- プラスミノーゲンという,血漿蛋白質
- 血清アルブミンという血漿成分
血漿と同じ種類の言葉
- >> 「血漿」を含む用語の索引
- 血漿のページへのリンク