好塩基球 ( basophilic leukocyte )
好塩基球
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/31 23:51 UTC 版)
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好塩基球(こうえんききゅう)とは、白血球の中で、普通染色の塩基性色素により暗紫色に染まる大型の顆粒(好塩基性顆粒)をもつものをいい、直径10~16μm。一般に好塩基球はウサギを除き、その数は少ない。正常のヒトで白血球の0.5%含まれている。この顆粒は、メチレンブルーやトルイジンブルーなどの塩基性色素の本来の色調である青色ではなく暗紫色に染まり、これを異染体という。
機能
好塩基球は、様々な炎症性反応に関わっており、特にアレルギー反応を起こすのに重要な役割を果たしている。 例えば、体表面に寄生する寄生虫(外部寄生虫)による感染箇所には、好塩基球が多く存在しており、感染とアレルギー反応の両方に関与している。
アナフィラキシーの誘導においても好塩基球は重要な役割を担っています。
細胞の表面にはIgEに結合するレセプター (FcεRI)が存在しており[1][2]、IgEの結合した抗原に反応して、顆粒を放出する。
好塩基球の顆粒の中には、ヒスタミン、セロトニンなどの 血管作動性アミン、ヘパリンの血液凝固阻害、ヒアルロン酸の細胞接着分子である糖タンパク質が含まれている。 アレルギー反応の際には、このヒスタミンが放出され、アナフィラキシーショック・じんましん・気管支喘息などを引き起こすとされている。
また、IgE依存性の慢性アレルギー症状(抗原投与から3~4日をピークとする)において、炎症の誘導について中心的な役割を担っていると推定される[3]。
そして好塩基球は、白血球の1%だけである。
そのほか、生体の免疫機能に関与していると考えられるが、はっきりとした存在意義は未だ研究途上である。
関連項目
- 白血球・多形核白血球・顆粒球
- 好中球・好中球増多症・好中球減少症
- 好酸球・好酸球増多症・好酸球減少症
- 好塩基球増多症・好塩基球減少症
- 単球・単球増多症・単球減少症
- リンパ球・リンパ球増多症・リンパ球減少症・異型リンパ球
- 全血球計算・白血球分画・末梢血塗抹検査
出典
- ^ Ochiai K, Wang B, Rieger A, Kilgus O, Maurer D, Födinger D, Kinet J, Stingl G, Tomioka H (1994). “A review on Fc epsilon RI on human epidermal Langerhans cells”. Int Arch Allergy Immunol. 104 Suppl 1 (1): 63–4. doi:10.1159/000236756. PMID 8156009.
- ^ Prussin C, Metcalfe D (2006). “5. IgE, mast cells, basophils, and eosinophils”. J Allergy Clin Immunol 117 (2 Suppl Mini-Primer): S450–6. doi:10.1016/j.jaci.2005.11.016. PMID 16455345.
- ^ 江川真由美,烏山一「好塩基球研究のアップデート」『実験化学』第30巻第6号、2012年、905-911頁。
リンク
- 免疫反応における好塩基球の役割の解明 - 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科免疫アレルギー学分野
好塩基球
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/02 08:37 UTC 版)
詳細は「好塩基球」を参照 小葉状の核を持つ好塩基球が赤血球に囲まれている。 好塩基球は、骨髄や血液中でもっとも少ない細胞の一つである(全細胞の2%未満)。これは、好中球や好酸球と同様に分葉した核を持つが、小葉は2つしかなく、それらをつなぐクロマチンフィラメントはあまり見られない。好塩基球は、IgE、IgG、補体、ヒスタミンと結合できる受容体を持っている。好塩基球の細胞質には、さまざまな量の顆粒が含まれており、通常はこれらの顆粒は核を部分的に隠すのに十分な数である。好塩基球の顆粒内容物には、ヒスタミン、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、ペルオキシダーゼ、血小板活性化因子、その他の物質が豊富に含まれている。 感染症が発生すると、成熟した好塩基球が骨髄から放出され、感染部位に移動する。好塩基球が損傷を受けると、ヒスタミンが放出され、侵入した生物と戦うための炎症反応に寄与する。ヒスタミンは、好塩基球に近い毛細血管の拡張と浸透性の増加を起こす。損傷した好塩基球や他の白血球は、感染部位への血流を増加に寄与するプロスタグランジンと呼ばれる別の物質を放出する。これらのメカニズムにより、血液凝固成分を感染部位に送達することができる(これにより回復プロセスが開始し、体内の微生物が他の部位に移動するのを阻止する)。また、炎症組織の浸透性が高まると、感染部位により多くの食細胞が移動して微生物を食べ尽くせるようになる。
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