抗原提示
抗原提示
抗原提示
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/18 17:14 UTC 版)
未成熟な樹状細胞は食作用を行うが、成熟した樹状細胞では細胞骨格のリモデリングに関与するRho GTPアーゼの変化のため食作用は行われない。樹状細胞のファゴソームは病原体の分解ではなく主に抗原提示に関与するものであるため、マクロファージや好中球のものよりも加水分解活性や酸性度が低い。タンパク質断片を細菌の特異的認識に適したサイズに保持しておく必要があるため、ペプチドは部分的にしか分解されない。細菌由来のペプチドはMHCへ輸送される。リンパ球に提示されたペプチド抗原は、T細胞受容体に結合してT細胞を活性化することで自然免疫と獲得免疫の橋渡しをする。この機構は哺乳類、鳥類など顎口上綱に特異的なものであり、昆虫は獲得免疫を持たない。
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抗原提示
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 15:26 UTC 版)
マクロファージは抗原を摂取すると、各種のサイトカインを放出し、特定のT細胞を活性化させる。マクロファージは、食作用によって取り込み、分解した異物をいくつかの断片にし、もともと細胞内に持っていたMHCクラスII分子(MHC-II)と結合させ、細胞表面に表出させる。これをマクロファージによる抗原提示と呼ぶ。 マクロファージによる抗原提示のシグナルは、T細胞のなかでもヘルパーT細胞と呼ばれるリンパ球に伝達される。ヘルパーT細胞の表面には、CD4というヘルパーT細胞特有の表面タンパク質と、T細胞受容体(TCR, T-cell receptor)と呼ばれる受容体タンパク質が存在しており、それぞれがマクロファージのMHC-IIと、マクロファージによって提示された抗原と結合することによって、ヘルパーT細胞が活性化される。T細胞受容体の構造は、そのヘルパーT細胞ごとに異なっており、マクロファージによって提示された抗原断片とぴったり合う受容体を持つヘルパーT細胞だけが活性化される。 活性化したヘルパーT細胞は、インターロイキンやリンフォカイン等のサイトカインを生産することでマクロファージを活性化するとともに、自分が認識するものと同じ抗原を認識するB細胞を活性化させる。活性化したB細胞は形質細胞に分化して増殖し、抗原に対応する抗体を作成し、放出する。抗体は抗原に特異的に結合し抗体-抗原複合体を作る。マクロファージはこの抗体-抗原複合体に引きつけられ、そしてこの複合体を貪食する。抗体の結合した細菌やウイルスはマクロファージにとって非常に能率よく食すことができるものとなる。この際T細胞はリンフォカインを放出するなどしてマクロファージを活性化したり、B細胞の増殖、分化を助ける。
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抗原提示
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 15:33 UTC 版)
詳細は「抗原提示」を参照 獲得免疫は、免疫細胞が自分自身の細胞と望ましくない侵入者とを区別する能力に依存している。宿主の細胞は「自己」抗原を発現している。これらの抗原は、細菌の表面やウイルスに感染した宿主細胞の表面に存在する抗原(「非自己」または「外来」抗原)とは異なる。獲得免疫反応は、活性化した樹状細胞の細胞内で外来抗原を認識することによって引き起こされる。 非核細胞(赤血球を含む)を除いて、全ての細胞は主要組織適合性複合体(MHC)分子の働きによって抗原を提示出来る。一部の細胞は、抗原を提示したり、未感作T細胞を誘導したりするための特別な機能を備えている。樹状細胞、B細胞、マクロファージは、T細胞の共刺激性受容体が認識する特別な「共刺激性」リガンドを備えており、抗原提示細胞(APC)と呼ばれている。 抗原提示細胞によって活性化されるT細胞には幾つかのサブグループがあり、其々のタイプのT細胞は、固有の毒素や微生物の病原体に対処する為に特別に装備されている。どのタイプのT細胞が活性化され、どのような反応が起こるかは、APCが最初に抗原に出会った時の状況にもよる。
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