免疫不全とは? わかりやすく解説

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めんえき‐ふぜん【免疫不全】

読み方:めんえきふぜん

免疫担当するマクロファージB細胞T細胞補体などに障害があって、生体の防衛行えない状態。


免疫不全 ( immunodeficiency )

先天性または後天的免疫機能に異常をきたした病態のこと。B細胞機能に異常のある液性免疫不全と、T細胞機能に異常のある細胞性免疫不全があり、前者場合はとくに化膿性細菌感染にかかりやすく、後者場合ウイルス真菌感染しやすい傾向がみられます。また、免疫不全には免疫関わる特定の因子欠陥によって起こる原発性免疫不全症候群と、なんらかの病気引き金となって起こる後天性免疫不全症候群あります一般に先天性免疫不全症候群出生10万人に対し2~3人と、ごくまれな疾患なのですが、例外的に頻度の高い疾患もあり、IgA欠損症C9欠損症のように健康と思われていた人でもときに発見されることもあります一方、からだの免疫機構侵されることによって起こる後天性続発性免疫不全症候群場合は、エイズのような感染原因で起こるものだけでなく、悪性腫瘍結果起こるものや自己免疫疾患ともなって起こるもの、その他さまざまなものがあります

免疫不全(Immunodeficiency)

なんらかの原因により免疫系十分に働かなくなった状態をいう。原因多様であり、ある種免疫細胞やその機能先天的に欠落して起こる先天性免疫不全症、ウイルスT細胞破壊するために起こるHIV感染症などの後天性免疫不全症候群抗癌剤免疫抑制剤副作用としておこる感染防御能の低下などがある。また高齢栄養不良に伴う免疫能の低下から免疫不全をきたす場合もある。

免疫不全

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/07 20:37 UTC 版)

免疫不全(めんえきふぜん、: immunodeficiency)は、感染症(がん)と闘う免疫系の能力が低下しているか、全くない状態を指す。免疫力低下(めんえきりょくていか、: immunocompromisation)または免疫欠損(めんえきけっそん、: immune deficiency)とも呼ばれる。ほとんどの場合、患者の免疫系に影響を与える外因性要因によって後天的(続発的)に発症する。外因性要因の例としては、HIV感染や、栄養状態などの環境要因があげられる[1]。また、免疫不全は、遺伝性疾患/欠陥が原因である場合もある。ここでの例は、重症複合免疫不全症英語版(SCID)である。


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「免疫不全」の続きの解説一覧

免疫不全

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 14:34 UTC 版)

免疫系」の記事における「免疫不全」の解説

免疫不全は免疫系1つないしそれ以上要素機能しない場合起きる。免疫系病原体に対して応答する能力は、若くて年を取って減退する免疫応答50歳位から免疫老化のために衰え始める。先進国では肥満アルコール依存症薬物使用免疫機能弱める共通の原因である。しかし開発途上国では栄養不良が免疫不全の最も多く見られる原因である。十分なタンパク質取らないダイエット細胞性免疫補体活性食細胞機能IgA抗体濃度サイトカイン産生損なう。栄養素であるイオン亜鉛セレンビタミンA、C、E、B6葉酸ビタミンB9)が1つでも欠乏した免疫応答減退する加えて若いときに胸腺遺伝的突然変異原因手術による摘出で失うと、重症の免疫不全を起こし感染性が非常に高くなる。 免疫不全は遺伝でも後天的でも生じうる。慢性肉芽腫症では、食細胞病原体破壊力が弱いということがあるが、遺伝性または先天性の免疫不全の例であるAIDSいくつかのがんの型は、後天的な免疫不全を起こすある種ウイルス感染することによって免疫機能破壊され様々な感染症合併症引き起こす病気後天性免疫不全症候群AIDSエイズ)である。またこのウイルスヒト免疫不全ウイルス (HIV) と呼ぶ。先天的に免疫機能破綻しており、様々な感染症などを引き起こす病気まとめて原発性免疫不全症候群呼ばれる

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免疫不全

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 21:00 UTC 版)

免疫障害」の記事における「免疫不全」の解説

詳細は「免疫不全」を参照 原発性免疫不全症は、遺伝性の遺伝子変異によって引き起こされる疾患である。続発性免疫不全(または獲得免疫不全)は、ウイルス免疫抑制剤などの体外のものが原因で起こる。 原発性免疫疾患は、耳の感染症肺炎気管支炎副鼻腔炎、または皮膚感染症にかかりやすくなり、しばしば再発する危険性がある。免疫不全の患者は、内臓の膿瘍自己免疫リウマチ消化器系疾患発症する頻度低下する可能性がある。 原発性免疫不全 重症複合免疫不全症英語版)(SCIDディジョージ症候群 高免疫グロブリンE症候群英語版)(ジョブズ症候群としても知られる分類不能型免疫不全症CVID):B細胞レベル循環中で正常である、IgG産生量が何年にも渡って減少するため、10代後半発症する唯一の原発性免疫疾患である。 慢性肉芽腫症CGD):NADPHオキシダーゼ酵素欠損により、酸素ラジカル生成ができなくなる。カタラーゼ陽性細菌および真菌による古典的な再発性感染症である。 ウィスコット・アルドリッチ症候群英語版)(WAS) 自己免疫性リンパ増殖症候群英語版)(ALPS) 高IgM症候群英語版):活性化T細胞上でCD40リガンド産生欠損するX連鎖性疾患。これにより、IgM産生循環への放出増加するB細胞T細胞の数は正常範囲内である。細胞細菌日和見感染症対す感受性増加する白血球粘着不全症(英語版)(LADNF-κB必須修飾因子NEMO変異 選択的免疫グロブリンA欠損症英語版):体液性免疫の最も一般的な欠損症で、IgA欠損特徴とする。肺炎消化器系感染症繰り返すX連鎖無ガンマグロブリン血症英語版)(XLA; ブルトン無ガンマグロブリン血症としても知られる):骨髄でのB細胞の成熟阻害するチロシンキナーゼ酵素欠損特徴とする。循環するB細胞産生されないため、免疫グロブリンクラス存在しないが、細胞性免疫は正常の傾向がある。 X連鎖リンパ増殖性疾患英語版)(XLP毛細血管拡張性運動失調症 続発性免疫不全 後天性免疫不全症候群AIDS

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免疫不全

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 20:51 UTC 版)

糖尿病慢性期合併症」の記事における「免疫不全」の解説

糖尿病患者は、軽度の免疫不全状態となり、皮膚感染症蜂窩織炎など)、尿路感染症膀胱炎など)、カンジダ食道炎アスペルギルス症などをおこしやすく、また健康な人には感染しないような弱いやかび(真菌)による感染症にかかりやすい(AIDS後天性免疫不全症候群ほどではない)。高血糖状態では白血球具体的に好中球)の機能低下することが原因考えられている。

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