免疫不全 ( immunodeficiency )
免疫不全(Immunodeficiency)
免疫不全
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/07 20:37 UTC 版)
免疫不全(めんえきふぜん、英: immunodeficiency)は、感染症や癌(がん)と闘う免疫系の能力が低下しているか、全くない状態を指す。免疫力低下(めんえきりょくていか、英: immunocompromisation)または免疫欠損(めんえきけっそん、英: immune deficiency)とも呼ばれる。ほとんどの場合、患者の免疫系に影響を与える外因性要因によって後天的(続発的)に発症する。外因性要因の例としては、HIV感染や、栄養状態などの環境要因があげられる[1]。また、免疫不全は、遺伝性疾患/欠陥が原因である場合もある。ここでの例は、重症複合免疫不全症(SCID)である。
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免疫不全
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 14:34 UTC 版)
免疫不全は免疫系の1つないしそれ以上の要素が機能しない場合に起きる。免疫系が病原体に対して応答する能力は、若くても年を取っても減退する。免疫応答は50歳位から免疫老化のために衰え始める。先進国では肥満、アルコール依存症、薬物使用は免疫機能を弱める共通の原因である。しかし開発途上国では栄養不良が免疫不全の最も多く見られる原因である。十分なタンパク質を取らないダイエットは細胞性免疫や補体活性、食細胞機能、IgA抗体濃度、サイトカイン産生を損なう。栄養素であるイオン、銅、亜鉛、セレン、ビタミンA、C、E、B6、葉酸(ビタミンB9)が1つでも欠乏したら免疫応答は減退する。加えて若いときに胸腺を遺伝的突然変異の原因か手術による摘出で失うと、重症の免疫不全を起こし、感染性が非常に高くなる。 免疫不全は遺伝でも後天的でも生じうる。慢性肉芽腫症では、食細胞の病原体破壊力が弱いということがあるが、遺伝性または先天性の免疫不全の例であるAIDSやいくつかのがんの型は、後天的な免疫不全を起こす。 ある種のウイルスに感染することによって免疫機能が破壊され、様々な感染症・合併症を引き起こす病気が後天性免疫不全症候群(AIDS、エイズ)である。またこのウイルスをヒト免疫不全ウイルス (HIV) と呼ぶ。先天的に免疫機能が破綻しており、様々な感染症などを引き起こす病気はまとめて原発性免疫不全症候群と呼ばれる。
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免疫不全
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 21:00 UTC 版)
詳細は「免疫不全」を参照 原発性免疫不全症は、遺伝性の遺伝子変異によって引き起こされる疾患である。続発性免疫不全(または獲得免疫不全)は、ウイルスや免疫抑制剤などの体外のものが原因で起こる。 原発性免疫疾患は、耳の感染症、肺炎、気管支炎、副鼻腔炎、または皮膚感染症にかかりやすくなり、しばしば再発する危険性がある。免疫不全の患者は、内臓の膿瘍、自己免疫、リウマチ、消化器系の疾患を発症する頻度が低下する可能性がある。 原発性免疫不全 重症複合免疫不全症(英語版)(SCID) ディジョージ症候群 高免疫グロブリンE症候群(英語版)(ジョブズ症候群としても知られる) 分類不能型免疫不全症(CVID):B細胞レベルは循環中で正常である、IgGの産生量が何年にも渡って減少するため、10代後半に発症する唯一の原発性免疫疾患である。 慢性肉芽腫症(CGD):NADPHオキシダーゼ酵素の欠損により、酸素ラジカルの生成ができなくなる。カタラーゼ陽性の細菌および真菌による古典的な再発性感染症である。 ウィスコット・アルドリッチ症候群(英語版)(WAS) 自己免疫性リンパ増殖症候群(英語版)(ALPS) 高IgM症候群(英語版):活性化T細胞上でのCD40リガンドの産生が欠損するX連鎖性疾患。これにより、IgMの産生と循環への放出が増加する。B細胞とT細胞の数は正常範囲内である。細胞外細菌や日和見感染症に対する感受性が増加する。 白血球粘着不全症(英語版)(LAD) NF-κB必須修飾因子(NEMO)変異 選択的免疫グロブリンA欠損症(英語版):体液性免疫の最も一般的な欠損症で、IgAの欠損を特徴とする。肺炎や消化器系の感染症を繰り返す。 X連鎖無ガンマグロブリン血症(英語版)(XLA; ブルトン型無ガンマグロブリン血症としても知られる):骨髄でのB細胞の成熟を阻害するチロシンキナーゼ酵素の欠損を特徴とする。循環するB細胞が産生されないため、免疫グロブリンクラスが存在しないが、細胞性免疫は正常の傾向がある。 X連鎖リンパ増殖性疾患(英語版)(XLP) 毛細血管拡張性運動失調症 続発性免疫不全 後天性免疫不全症候群(AIDS)
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免疫不全
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 20:51 UTC 版)
糖尿病患者は、軽度の免疫不全状態となり、皮膚感染症(蜂窩織炎など)、尿路感染症(膀胱炎など)、カンジダ性食道炎、アスペルギルス症などをおこしやすく、また健康な人には感染しないような弱い菌やかび(真菌)による感染症にかかりやすい(AIDS、後天性免疫不全症候群ほどではない)。高血糖状態では白血球(具体的には好中球)の機能が低下することが原因と考えられている。
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