炎症性腸疾患とは? わかりやすく解説

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えんしょうせい‐ちょうしっかん〔エンシヤウセイチヤウシツクワン〕【炎症性腸疾患】


炎症性腸疾患

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/03 09:10 UTC 版)

炎症性腸疾患(えんしょうせいちょうしっかん、: inflammatory bowel diseaseIBD)とは、主として消化管に炎症をおこす慢性疾患の総称で、潰瘍性大腸炎: ulcerative colitis、略:UC)、クローン病: Crohn's disease、略:CD)の2疾患からなる。


  1. ^ 大川清孝、青木哲哉、上田渉 ほか、「非定型的炎症性腸疾患―診断と経過 炎症性腸疾患と鑑別困難な感染性腸炎の診断と経過―潰瘍性大腸炎との鑑別を中心に」 『胃と腸』(2006/5/25) 41巻6号、p.959-970、doi:10.11477/mf.1403100616


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炎症性腸疾患

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 02:05 UTC 版)

エプスタイン・バール・ウイルス」の記事における「炎症性腸疾患」の解説

炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease;IBD)とは、主として消化管慢性炎症引き起こす疾患総称であり、大腸原因不明炎症起こす潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC)と、全消化管主として小腸大腸)に原因不明炎症起こすクローン病(Crohn's disease;CD)の2疾患からなる古くには日本で、1999年当時山口大学研究者らが、外科的に切除した結腸検体11例:クローン病、5例:潰瘍性大腸炎、9例:大腸癌における非病変部、10例:虫垂炎)におけるEBV感染を EBER-1(EBV-encoded small RNA 1)の in situ ハイブリダイゼーションによって調査している。結果としてクローン病患者切除標本11例中7例(63.6%)に、潰瘍性大腸炎患者切除標本5例中3例(60.0%)にEBV感染確認され、さらに潰瘍・びらんの分布とEBER-1陽性EBV感染細胞分布一致し主なEBV感染細胞粘膜上皮細胞ではなく粘膜固有層B細胞であった40例のIBD患者のうち17例の難治性IBDにおいては定量リアルタイムPCR免疫組織科学検出により、EBVと同じヘルペスウイルス科サイトメガロウイルス(cytomegalovirus;CMV)・EBV腸管感染全員確認でき、難治性でない23例からは13例(56.5%)に確認できたという研究もある。さらに定量リアルタイムPCR免疫組織科学加え in situ ハイブリダイゼーションによってCMVEBVIBD患者における感染調べ難治性かどうかによらずCMVEBV感染細胞そうでない細胞分布炎症した粘膜分布一致していること、CMVEBVウイルス量比例して炎症度合い病気活動度高くなっていることを突き止めた研究もある。しかし、PCRによる検出のみの結果ではあるが、炎症部とそうでない部分にあまりウイルス量差異がないという結果もある(それでもなおEBV続いてCMV、の感染IBD患者において普遍的であると結論づけている)。2018年には、62例の潰瘍性大腸炎・3例のクローン病・2例の中間腸炎患者からの結腸切除検体におけるEBV感染高感度EBER-1(EBV-encoded small RNA 1)の in situ ハイブリダイゼーションによって調べ67例中40例(60%)の切除検体からEBV検出され難治性IBD患者においては炎症潰瘍深度とEBER-1の陽性度に正相関があることが結論づけられた研究もある。 近年日本においてもEBVIBD関連が明らかとなっている。2017年国立国際医療研究センター研究グループは、PCRにて89例のIBD患者大腸内視鏡における潰瘍細胞検体におけるヘルペスウイルス感染調べEBV:59.3%、CMV:24.4%、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6):39%、ヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7):39%、という存在になっていたことを報告している。2018年大阪市立大学兵庫医科大学研究者らは、PCRにて66例の潰瘍性大腸炎患者54例のクローン病患者29例の健常対照群の大腸粘膜細胞検体におけるヘルペスウイルス感染調べ潰瘍性大腸炎に関してEBVが21.2%・CMVが15.1%、クローン病患者においてはEBVが9.3%・CMVが0%、健常対照においてはEBVが0%・CMVが3.4%の存在率であり、HHV-6・HHV-7の存在に関してはこの3つの群の中で統計的な差は見られなかったと報告しCMVEBVないしはHHV-6の共感染は結腸切除の重要かつ独立したリスク因子となっていると結論づけている。 また2001年東海大研究者らが参加した研究で、クローン病腸管組織において産生過多となっている炎症性のTh1サイトカイン一つIL-12と、そのIL-12p40ユニットホモログであるEpstein-Barr virus-induced gene 3(EBI3)のIBD患者結腸粘膜における発現を、それらのmRNART-PCR用いることで検出し調べ(EBI3はEBV潜伏感染したB細胞にて発現誘導される遺伝子である)、結果としてほとんど全ての潰瘍性大腸炎患者炎症部・非炎症両方に於いてEBI3の発現増大しており、クローン病に於いては一部認められた。また、IBD患者の回結腸切除標本36例(うち潰瘍性大腸炎16例、クローン病20例)におけるEBV感染細胞・EBI3の発現それぞれ in situ ハイブリダイゼーション免疫組織科学によって調べた研究では、潰瘍性大腸炎クローン病切除標本両方とも非活動的炎症部に比べ活動的炎症に於いてEBV感染細胞・EBI3陽性細胞の数が増大していることがわかっており(この2疾患の間に特に統計的な差はなかった)、EBV感染細胞に於いてのEBI3の発現潰瘍性大腸炎クローン病共に限定的に起こっており、炎症性細胞流入増殖続いて活動的な炎症部におけるEBV感染細胞増大起こり、これは局所的なEBI3の産生には寄与しないことが分かった抗原提示細胞樹状細胞単球マクロファージ)は、免疫応答引き起こし持続させるために重要なIL-12ファミリーサイトカイン放出し、IL-12p35・IL-12p19はIL-12p40と二量体形成しそれぞれIL-12(IL-12p75)・IL-23形成する。EBI3はIL-12p28と二量体形成し、IL-27を形成する(IL-27はIL-6TGF-βによるIL-17産生Th17細胞誘導直接的に抑制しIL-6によるT細胞増殖阻止する。IL-27受容体欠損させたマウスではIL-17産生するTh17細胞性の実験的自己免疫性脳脊髄炎に非常にかかりやすくなることが知られている)。EBV感染した腸管粘膜上皮細胞はEBI3・IL-12p35・IL-12p19を発現するが、IL-12(IL-12p75)・IL-23・IL-27の形成必要なIL-12p40・IL-12p28の共発現起こさないので、EBI3・IL-12p35・IL-12p19と関わる未知IL-12関連分子存在示唆された。最終的には、EBI3が制御性T細胞転写因子Foxp3下流標的遺伝子であることが判明し、EBI3はIL-12p35と二量体形成することで免疫抑制系のサイトカイン一種であるIL-35を形成し、このIL-35はFoxp3発現する制御性T細胞増大免疫抑制サイトカインIL-10産生増大寄与しTh17細胞への分化阻止することが判明した(IL-35はマウスコラーゲン関節炎効率的に抑制したが、IFN-γ合成増大した)。EBI3をノックアウトしIL-35を欠損させたマウスではTh1Th17細胞性の腸炎発症することが分かっている。 IBD治療においてよくアザチオプリン・メルカプトプリンといったチオプリン系の免疫抑制剤TNF-α拮抗剤(インフリキシマブ・アダリムマブ)が用いられるが、これはEBVによる日和見リンパ腫リスク因子となることが分かっている。IBD患者における悪性リンパ腫発症スペクトル調べた研究もあり、腸粘膜において異型浸潤見つかった場合EBV検査をするべきと結論づけている研究もある。 また、小児IBD先天的EBV特異的免疫不全症引き起こすX連鎖リンパ増殖症候群X-linked lymphoproliferative syndromeXLPダンカン病)の原因遺伝子のうちの一つXIAP変異があることがよくある(4%)。

※この「炎症性腸疾患」の解説は、「エプスタイン・バール・ウイルス」の解説の一部です。
「炎症性腸疾患」を含む「エプスタイン・バール・ウイルス」の記事については、「エプスタイン・バール・ウイルス」の概要を参照ください。

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