下痢
【概要】 液状の大便の回数が異常に多いこと。一般に小腸に原因があるものは水性で量が多く、大腸に原因があるものは回数が多くて痛みを伴いやすい。
【詳しく】 エイズ患者では下痢がよくみられ、治せる病気があるので原因を探す努力が必要である。キャンピロバクター、赤痢菌、非定型抗酸菌などの細菌、クリプトスポリジウムなどの真菌、ランブル鞭毛虫、赤痢アメーバなどの原虫、糞線虫などの寄生虫,サイトメガロウイルスやヘルペスウイルスなどのウイルス、そしてカポジ肉腫や悪性リンパ腫などの腫瘍が下痢の原因になる。HIV自体によっても腸粘膜細胞の萎縮が起こるとされ、吸収不良の結果、HIV消耗症候群になると言われている。細菌性感染症では発熱を伴いやすく、ウイルス感染症や薬剤の副作用では発熱がないこともある。原因を特定して治療をすることが先決。細菌性の場合は止痢剤を使用すべきではない。
《参照》 HIV消耗症候群、 CDC分類カテゴリーB、 CDC分類カテゴリーC
下痢
下痢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/16 02:04 UTC 版)
下痢(げり、英: diarrhea)は、健康時の便と比較して、非常に緩いゲル(粥)状・若しくは液体状の便が出る状態である[3]。主に消化機能の異常により、人間を含む動物が患う症状であり、その際の便は軟便(なんべん)、泥状便(でいじょうべん)、水様便(すいようべん)ともいう。東洋医学では泄瀉(泄は大便が希薄で、出たり止まったりすること。瀉は水が注ぐように一直線に下る)とも呼ばれる。世界では毎年17億人が発症し、また毎年76万人の5歳以下児童が下痢により死亡している[3]。発展途上国では主な死因の1つとなっている[4]。
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- ^ 米沢健 ほか、「穿孔性腹膜炎を起したアメーバ赤痢の2手術例」『日本臨床外科医学会雑誌』 Vol.42 (1981) No.3 P322-328, doi:10.3919/ringe1963.42.322
- ^ 浅野史雄 ほか、「腹膜炎症状で発症し異所性膵を伴った成人回腸重複腸管の1例」『日本臨床外科学会雑誌』 2009年 70巻 7号 p.2008-2012, doi:10.3919/jjsa.70.2008, 日本臨床外科学会
- ^ 腸管出血性大腸菌Q&A 厚生労働省
下痢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 09:54 UTC 版)
ZIP4遺伝子異常による先天性腸性肢端皮膚炎の3徴候は、皮膚炎、脱毛、下痢であるように、著明な亜鉛欠乏では下痢を合併する。原因として腸粘膜の萎縮による消化吸収障害によると考えられている。さらに、亜鉛欠乏は腸管でのイオン輸送や膜透過性にも影響を及ぼし、下痢を誘発する。また、亜鉛欠乏により、腸粘膜の免疫機能が変化することも一因と考えられる。
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下痢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 15:28 UTC 版)
「化学療法 (悪性腫瘍)」の記事における「下痢」の解説
下痢の機序は2つ考えられている。化学療法当日に出現する早発性下痢は、抗がん剤によって自律神経が刺激され蠕動が亢進する結果起こるコリン作動性の下痢である。化学療法後数日~2週間程度で起こる遅発性下痢は消化管粘膜障害によるものである。この場合は好中球減少の時期と重なるため感染症に注意が必要である。下痢に関してはロペラミドを用いることが多い。
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下痢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 14:48 UTC 版)
下痢とは24時間以内に200g以上の頻回の軟便、あるいは水様便が認められる状態である。アプローチとしてはまずは脱水所見の有無の確認から入る皮膚のツルゴール、粘膜の乾燥といった身体所見、嘔吐や経口摂取不可能といったエピソード、腹部診察による腹痛など随伴症状の有無、採血における電解質異常などから判断する場合が多い。脱水が認められるが場合は点滴などによる脱水の解除を行う。特に高齢者や小児では容易に脱水が起こしやすい。 その後、感染性、非感染性の区別を行う。体外毒素型の感染の場合は発熱が認められないことに注意が必要である。血が混じっているかといった便の性状、過去2日から3日の食事歴、旅行歴、同様の症状を伴った人が周りにいるか、抗菌薬の使用の有無、アレルギーなどが重要な問診事項となる。食物アレルギー(カキなどの食物による嘔吐、下痢など)などの存在にも留意する。嘔吐なしの軽症患者では検査なし、重症患者、脱水患者では採血、点滴の施行、特殊患者では便培養を施行することが多い。 重要なことは感染性下痢症であってもほとんどの場合は抗菌薬の投与は不要である。通常であれば排泄によって起炎菌の排出で自然治癒をするということが第一にあげられる。さらに抗菌薬投与によって増悪することもある。例えばサルモネラ菌による腸炎の場合は抗菌薬の投与によって保菌者となることがある。腸管出血性大腸菌(O157など)の場合は溶血性尿毒症症候群(HUS)を誘発することがある。止瀉薬に関しても感染性下痢、出血性下痢といった器質性下痢に対しては使用しない。消化管の排菌機能を抑えてしまうからである(特にO157や志賀毒素を産生する赤痢菌の感染による下痢の場合は止瀉薬の服用によって重篤になることもある)。こういった事情から原則は乳酸菌などの整腸剤の投与を行う。魚介類による下痢、出血性下痢、感染性胃腸炎で頻度の多いE.coli O157:H7、Campylobacter spp.(カンピロバクター)、Vibro parahemolyticus(腸炎ビブリオ)などには抗菌薬が不要である。逆に抗菌薬を使用する感染性胃腸炎には敗血症、重症感のある場合、旅行者下痢症、偽膜性大腸炎、性感染症、肝硬変の患者のVibrio vulnificusなどである。Vibrio vulnificusは生魚などに含まれる細菌であるが、肝硬変患者が感染すると致死率が高い。この場合はテトラサイクリン系の抗菌薬を用いる。下痢の患者に抗菌薬を使用する場合はラックビーRやビオフェルミンRといった抗菌薬耐性の整腸剤を併用する。よく用いる抗菌薬は点滴であればセファマイシン系であるセフメタゾンなどである。経口薬ではニューキノロン系であればトシル酸トスフロキサシン(オゼックス)を150mg錠で3錠分3で5日間や、ホスホマイシン系ではホスホマイシン(ホスミシン)を500mg錠で6錠分3で5日間などがよくみる処方である。起炎菌は市中と院内では大きく異なることが知られており、入院後3日経過していれば抗菌薬投与中といった特殊な事情がなければ便培養は不要である。これはほとんどの場合は感染性ではなく別の原因で起る下痢であるからである。対症療法が必要ならばこの場合も整腸剤を用いる。 入院中の下痢、発熱の場合はクロストリジウム・ディフィシル腸炎を疑いCDトキシンの測定が必要となる。診断したらメトロニダゾールまたは経口バンコマイシンで治療する。 止瀉薬は機能性下痢症にのみ原則用いる。潰瘍性大腸炎に塩酸ロペラミドなど腸運動抑制薬を投与すると中毒性巨大結腸を起こすことなどが有名である。非感染性器質性下痢には炎症性疾患、血管疾患、吸収不良疾患、乳糖不耐症、手術後、内分泌疾患、放射線、腫瘍、アレルギー疾患、中毒、薬物、便秘、レジオネラ肺炎の随伴症状と多数知られている。
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下痢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 14:46 UTC 版)
下痢は他のNSAAに比べて多く見られ、時に重篤となる。前立腺癌に対する複合アンドロゲン遮断療法(英語版)の比較試験では、下痢の発生率はフルタミドで26%、ビカルタミドで12%であった。更に、フルタミド投与患者の6%が下痢の為に投薬を中止したのに対し、ビカルタミド投与患者では0.5%に留まった。前立腺癌に対する単剤投与の場合、発生率はフルタミドで5-20%、ビカルタミドで2-5%、ニルタミド(英語版)で2-4%であった。下痢とは対照的に、悪心・嘔吐の発生率は3剤間で同程度であった。
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下痢
出典:『Wiktionary』 (2021/06/14 14:41 UTC 版)
名詞
類義語
対義語
参照
翻訳
- アイスランド語: niðurgangur (is) 男性, (informal) drulla (is) 女性
- アイルランド語: dolur rhydd 男性
- アゼルバイジャン語: ishal (az), diarreya (az)
- アラビア語: إسهال (ar) ('is-haal) 男性
- アルメニア語: լուծ (hy) (luç)
- イタリア語: diarrea (it) 女性
- ウェールズ語: dolur rhydd 男性
- 英語: diarrhea (en), loose bowels
- オランダ語: diarree (nl)
- カザフ語: тышқақ (kk) (tışqaq)
- ギリシア語: διάρροια (el) (diárroia), ευκοιλιότητα (el) (efkoiliótita) 女性
- クルド語: زگ چوون (ku) (zig çun)
- スウェーデン語: diarré (sv), ripuli
- スコットランド・ゲール語: cac-shiubhal 男性, a' bhuineach 女性, spùt 男性
- スペイン語: diarrea (es) 女性, colitis (es)
- スロヴァキア語: hnačka (sk) 女性
- スワヒリ語: harisha
- セルビア語:
- タイ語: ท้องเดิน, ท้องร่วง, ท้องเสีย
- チェコ語: průjem (cs) 男性
- 朝鮮語: 설사 (ko) (seolsa)
- デンマーク語: diare (da) 通性, diaré (da) 通性, diarre (da) 通性, diarré (da) 通性
- ドイツ語: Durchfall (de) 男性, Diarrhoe (de) 女性 又は Diarrhö (de) 女性
- トルコ語: ishal (tr)
- ノルウェー語: diaré (no) 男性
- ハンガリー語: hasmenés (hu)
- ヒンディー語: दस्त (hi) (dast)
- フィンランド語: ripuli (fi)
- フェロー語: lívsýki (fo) 中性, búklop (fo) 中性, skitja (fo) 女性, skærpusótt (fo) 女性, myrra (fo) 女性, gorlop (fo) 中性
- フランス語: diarrhée (fr) 女性, avoir la colique
- ブルガリア語: диария (bg) 女性
- ペルシア語: اسهال (fa)
- ポーランド語: biegunka (pl) 女性
- ボスニア語: dijareja (bs) 女性, proliv (bs) 男性, proljev (bs) 男性
- ポルトガル語: diarréia/diarreia 女性
- マレー語: cirit birit (ms)
- ラテン語: alvī prōfluvium (la)
- ロシア語: понос (ru) (ponós) 男性, диарея (ru) (diaréja) 女性
「下痢」の例文・使い方・用例・文例
- 下痢
- この薬を飲むと下痢になるんだ
- それがしばしば便秘や下痢などの症状を引き起こす
- 多くの場合下痢などの症状を伴います
- 下痢と口内炎その他でご飯があまり食べられなかった
- 下痢気味だ。
- 今日はずっと下痢でした。
- これは下痢止めです。
- 下痢はいつ始まりましたか?
- 私は下痢になりました。
- 下痢が続いています。
- 私は下痢が止まらない。
- 私は胃痛と下痢になりました。
- 彼は下痢をしている。
- 貴女の下痢が心配です。
- 下痢が治った。
- 私はよく下痢をする。
- 私は下痢で腹が痛い。
- 私は下痢をしやすい。
- 私は今、下痢です。
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