コレラとは?

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コレラ [1]オランダ cholera

経口的に感染したコレラ菌による消化器系感染症。米のとぎ汁様の下痢嘔吐による脱水症状、および筋肉痙攣けいれん)などを起こす発熱腹痛はないことが多い。インド東南アジア・アフリカに常在する。コロリ三日コロリ[季] 夏。 虎列剌 虎狼痢とも書く

これ ら [2]れ等・是

これ複数 話し手の側に属するものとして人や事物をさす。
このことども。今お見せした-の作品はすべて偽物です
この人たち。秦の趙高・漢の王莽朱异・唐の禄山、-は皆旧主先皇の政(まつりごと)にもしたがはず/平家 1
話し手の属している場所をさす。このへん。このあたり。 山ならねども、-にもの経()あがりて、猫またになりて/徒然 89

是等

読み方:コレラ(korera)

このことども


此れ等

読み方:コレラ(korera)

このものども


コレラ菌

同義/類義語:コレラ
英訳・(英)同義/類義語:cholera vibrio, , Vibrio cholerae, Vibrio cholerae

ビブリオ属細菌で、コレラの病原菌

コレラ

コレラは代表的経口感染症の1 つで、コレラ菌Vibrio cholerae O1 およびO139 のうちコレラ毒素産生性の)で汚染された水や食物摂取することによって感染する。経口摂取後、胃の酸性環境死滅しなかったが、小腸下部達し定着増殖し、感染局所産生したコレラ毒素細胞内に侵入して病態引き起こす

疫 学
現在までにコレラの世界的流行は7 回にわたって記録されている。1817年に始まった第1 次世界流行以来1899 年からの第6次世界大流行までは、すべてインドベンガル地方から世界中広がり原因O1 血清型古典コレラ菌であったと考えられる。しかし、1961年インドネシアセレベス島(現スラワシ島)に端を発した第7 次世界大流行は、O1血清型のエルトールコレラである。この流行が現在も世界中に広がっていて、終息する気配が無い。WHOに報告されている世界患者総数は、ここ数年2030万人であるが、実数はこれを上回っていると推察できる。

一方、O139コレラ菌によるコレラは、新興感染症1 つで、1992年インド南部マドラス(現チェンナイ)で発生し、またたく間にインド亜大陸に広がった。現在もインドおよびバングラデシュにおいてO1 エルトールコレラ交互に、あるいは同時に流行繰り返している。インド亜大陸近隣諸国においてもO139 コレラの散発発生報告はあるが、流行はまだ報告されていない
わが国におけるコレラは、最近はほとんどが輸入感染症として発見される。すなわち熱帯亜熱帯のコレラ流行地域への旅行者現地での感染例である。国内での感染例の報告もあるが、輸入魚介類などの汚染原因であろう推定されていて、二次感染例と思われる例はほとんど無い。流行もここ数年報告されていない輸入感染症例としては、O1 エルトールコレラによる症例がほとんどであるが、O139 コレラ菌によるコレラも稀に発見されている。

病原体
コレラ菌学名Vibrio cholerae である。分類学的にV.cholerae は体表面のO 抗原リポ多糖体)の違いによって、現在205 種類11種類未発表)に分類されている。このうち、コレラを起こすのはO1 およびO139 血清型のみである。コレラの典型的臨床症状起こすのはコレラ毒素であることがわかっているので、厳密にいうと、コレラの原因コレラ毒素産生するV.cholerae O1 およびO139 である。

臨床症状
通常1 日以内潜伏期の後、下痢を主症状として発症する。一般に軽症場合には軟便場合多く下痢が起こっても回数1日数回程度で、下痢便の量も1日1リットル以下である。しかし重症場合には、腹部の不快感不安感続いて、突然下痢嘔吐始まりショック陥る下痢便性状は“米のとぎ汁様(rice water stool)”と形容され、白色ないし灰白色水様便写真1)で、多少粘液混じり特有の甘く生臭い臭いがある。下痢便の量は1日10リットルないし数十リットルに及ぶことがあり、病期中の下痢便総量体重の2 倍になることも
珍しくない
大量下痢便排泄に伴い高度の脱水態となり、収縮期血圧下降皮膚の乾燥弾力消失意識消失嗄声あるいは失声、乏尿または無尿などの症状現れる低カリウム血症による痙攣認められることもある(写真2)。この時期特徴として、眼が落ち込み頬がくぼむいわゆる“コレラ顔貌”を呈し、指先皮膚にしわが寄る“洗濯の手(washwoman's hand)”、腹壁皮膚をつまみ上げると元にもどらない“スキン・テンティング(skin tenting)”(写真3A)などが認められる通常発熱腹痛伴わない

コレラ

コレラ

写真1 .典型的な米のとぎ汁様の下痢便

写真2 .重症コレラ患者痙攣

画像クリックすると拡大図見られます。

病原診断
患者便からコレラ毒素産生するO1 またはO139 血清型コレラ菌検出することによって診断する。検査材料としては新鮮な下痢便を用いる。コレラ毒素検出する方法としては、逆受身ラテックス凝集反応(RPLA)やELISA法などの免疫学的な方法と、コレラ毒素遺伝子検出するDNA プローブ法PCR法が用いられる。


治療予防
治療大量喪失した水分電解質補給中心で、GESglucoseelectrolytessolution)の経口投与静脈内点滴注入を行う。WHOは塩化ナトリウム3.5g塩化カリウム1.5g 、グルコース20g 、重炭酸ナトリウム2.5 g を1 リットルに溶かした経口輸液Oral Rehydration Solution, ORS)の投与推奨している。ORS投与は特に開発途上国現場では、滅菌不要大量運搬可能、安価などの利点多く、しかも治療効果良く極めて有効な治療法である。写真3 はORSによって重症コレラ患者短期間回復することを示し写真で、入院した乳児2日後には元気に退院していることが示されている。
重症患者場合には抗生物質使用推奨されている。その利点として、下痢の期間の短縮排泄期間が短くなることがあげられる。第一選択薬としては、ニューキノロン系薬剤テトラサイクリンドキシサイクリンがある。もしがこれらの薬剤耐性場合には、エリスロマイシントリメトプリム・スルファメトキサゾール合剤ノルフロキサシンなどが有効である。
予防としては、流行地で生水生食品を喫食しないことが肝要である。経口ワクチン開発試みられているが、現在のところ実用化されていない

写真3 .ORS治療効果バングラデシュ国際下痢疾患研究所 提供)

コレラ

A.月曜日に高度の脱水症状を呈して入院眼窩がくぼみ、スキン・テンティングが著明

コレラ

B.ORS を投与

コレラ

C.母親抱いて退院臨床症状軽快しているが、患者コレラ菌を1 ~2 週間排菌する)

感染症新法の中でのコレラの取扱い
コレラは感染症新法2類感染症に属しており、コレラ、もしくは病原体保有者であると診断した医師は、直ち最寄り保健所長を経由して都道府県知事届け出なくてはいけない患者第二感染症指定医療機関原則として入院となるが、無症状者は入院対象とはならない報告のための基準は、以下の通りとなっている。
診断した医師判断により、症状所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下のいずれか方法によって病原体診断がなされたもの
材料)便など
病原体検出
 V.cholerae O1またはO139 を分離同定し、かつ、コレラ毒素産生性あるいはコレラ毒素遺伝子保有確認された場合
疑似症の診断
 臨床所見、コレラ流行地への渡航歴集団発生状況などにより判断する
鑑別診断食中毒、その他の感染性腸炎
備考
・法による入院勧告は、無症状のものは対象ならない


学校保健法の中でのコレラの取扱い
コレラは学校において予防すべき伝染病第1種定められており、治癒するまで出席停止となる。


国立感染症研究所 所長 竹田美文


コレラ

作者芥川龍之介

収載図書芥川龍之介全集 第9巻 トロツコ 六の宮の姫君
出版社岩波書店
刊行年月1996.7


コレラ

作者佐木隆三

収載図書供述調書佐木隆三作品集
出版社講談社
刊行年月2001.4
シリーズ名講談社文芸文庫


コレラ

作者筒井康隆

収載図書わが愛の税務署自選短篇集 6 ブラック・ユーモア現代
出版社徳間書店
刊行年月2003.3
シリーズ名徳間文庫

収載図書如菩薩団ピカレスク短篇集
出版社角川書店
刊行年月2006.8
シリーズ名角川文庫


コレラ

名前 Colella

虎列刺

読み方:コレラ(korera)

急性伝染病一つ

季節

分類 人事


虎列剌

読み方:コレラ(korera)

作者 内田百閒

初出 昭和8年

ジャンル 随筆


コレラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/24 16:29 UTC 版)

コレラ(Cholera、虎列剌)は、コレラ菌Vibrio cholerae)を病原体とする経口感染症の一つ。治療しなければ患者は数時間のうちに死亡する場合もある[1]




注釈

  1. ^ 2006年(平成18年)12月8日公布の「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律」により二類感染症から三類感染症に変更[8]
  2. ^ ペルーの大流行は、水道水の塩素消毒中止が関係していると考えられている[13]

出典

  1. ^ Fact sheet - Cholera (Report). WHO. (2017-10). http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs107/en/. 
  2. ^ a b Harris, JB; LaRocque, RC; Qadri, F; Ryan, ET; Calderwood, SB (30 June 2012). “Cholera.”. Lancet 379 (9835): 2466–76. doi:10.1016/s0140-6736(12)60436-x. PMC: 3761070. PMID 22748592. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3761070/. 
  3. ^ a b c d e f g h i j k “Cholera vaccines: WHO position paper”. Weekly epidemiological record 85 (13): 117–128. (March 26, 2010). PMID 20349546. オリジナルのApril 13, 2015時点におけるアーカイブ。. http://www.who.int/wer/2010/wer8513.pdf. 
  4. ^ Cholera – Vibrio cholerae infection Treatment”. Centers for Disease Control and Prevention (2014年11月7日). 2015年3月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月17日閲覧。
  5. ^ Cholera – Vibrio cholerae infection Information for Public Health & Medical Professionals”. Centers for Disease Control and Prevention (2015年1月6日). 2015年3月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月17日閲覧。
  6. ^ GBD 2015 Mortality and Causes of Death, Collaborators. (8 October 2016). “Global, regional, and national life expectancy, all-cause mortality, and cause-specific mortality for 249 causes of death, 1980–2015: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2015.”. Lancet 388 (10053): 1459–1544. doi:10.1016/s0140-6736(16)31012-1. PMC: 5388903. PMID 27733281. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5388903/. 
  7. ^ Cholera – Vibrio cholerae infection”. Centers for Disease Control and Prevention (2014年10月27日). 2015年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月17日閲覧。
  8. ^ 感染症のページ(青森県)
  9. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag 加藤茂孝. “第 7 回「コレラ」― 激しい脱水症状”. モダンメディア62巻6号 2016. 2020年7月20日閲覧。
  10. ^ 浅田宗伯は『古呂利考』にて「古呂利は本と皇国の俗語にて卒倒の義を云ひて、古より早く病に称し来る事なり。元正間記に云、元禄十二年の頃、江戸にて古呂利と云ふ病はやり…」と、コロリはコレラ渡来以前からの頓死の総称であることを記しており、斎藤月岑は『増訂武江年表』(安政六年)で「東都の俗ころりといふは、頓死をさしてころりと死したりといふ俗言に出て、文政二年痢病行はれしよりしかいへり。しかるに西洋にコレラといふよしを思へば、おのづから通音なるもをかし」と、コロリとコレラが混用されてしまっていることを指摘している
  11. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 検疫の歴史(年表)”. 厚生労働省福岡検疫所. 2020年7月20日閲覧。
  12. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 神戸検疫所の歩み等”. 厚生労働省神戸検疫所. 2020年7月20日閲覧。
  13. ^ 環境リスクをどう読むか」甲斐倫明 大分県立看護科学大学 人間科学講座 「大分看護化学研究」1(2), 47-48(2000) (PDF)
  14. ^ ハイチでのコレラ流行、国連が責任認め謝罪CNN(2016年12月2日)
  15. ^ “モザンビークでコレラ流行、1222人感染”. AFP. (2017年3月15日). http://www.afpbb.com/articles/-/3121512 
  16. ^ イエメン、コレラの拡大止まらず、1カ月で600人死亡 朝日新聞デジタル(2017年6月3日)2017年6月4日閲覧
  17. ^ 不安による集団ヒステリーが広がったら 学者が警鐘
  18. ^ 月明や沖にかゝれるコレラ船 日野草城「花氷」所収
  19. ^ 「天声人語」朝日新聞2014年8月7日朝刊
  20. ^ 『有田市を中心として発生したコレラ』(大阪府立公衆衛生研究所のサイト)” (日本語). 2009年8月9日閲覧。
  21. ^ 国内感染と考えられたコレラ菌O139初発事例-広島市」『IASR』第28巻、2007年3月、 86-88頁。
  22. ^ 2004年12月~2005年9月の間に三重県で発生した死亡事例を含む4例のコレラ」『IASR』第27巻、2006年1月、 6-7頁。
  23. ^ 大西健児、高橋華子、相楽裕子「国内で感染したと推測されるコレラの3事例」『IASR』第27巻、2006年10月、 273-274頁。


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