べん毛
鞭毛 [Flagellum(lla)]
一方、細菌の鞭毛はフラジェリンの分子がらせん状に配列した円筒状をしている。細菌の鞭毛タンパク質はH抗原として、細菌の血清型による分類に重要である。H抗原という名称はプロテウスの正常株が鞭毛運動によって、息がかかったような集落をつくるが、その状態のドイツ語(Hauchbildung)に由来する。(菌体表面抗原であるO抗原はプロテウスの変異株の集落がこのような状態ではないので、ohne Hauchbildungからつけられた)
鞭毛
鞭毛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/29 00:16 UTC 版)
鞭毛軸糸に沿ってパラキシアルロッド(paraxial rod)が存在する。 鞭毛に小毛を持つ(場合がある)。この小毛は不等毛藻とは異なり、非常に細い非管状小毛である。 3系統の微小管性鞭毛根(dosal root; 背側鞭毛根、intermediate root;中間鞭毛根、ventral root; 腹側鞭毛根)を持ち、それらの生じる位置に相同性がある。捕食性の種では、腹側鞭毛根は捕食装置へ向かって伸びる。
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鞭毛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 07:57 UTC 版)
基部のモーターにより鞭を回転させ、細胞の移動を可能とする器官である。直径10-15nm、全長10-15μm。細菌の鞭毛に似るが、よく見るとやや細く、また、構成するタンパク質にも相同性はない。むしろ古細菌自身やグラム陰性細菌が持つIV型線毛との共通点が多い。一方、細菌の鞭毛はIII型分泌装置との共通点が多く、両者は異なる起源を持つと考えられている。鞭毛の繊維部分は根元にユニットが追加される形で伸長する。また、細菌は鞭毛の駆動力として水素イオン濃度差を利用するが、こちらはATPの加水分解により駆動する。エネルギー変換効率はほぼ100%の高効率を達成している細菌に比べて著しく低く、6~10%程度と見積もられている。
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鞭毛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/08/11 22:43 UTC 版)
プラシノ藻の鞭毛は細胞前端の陥入部 (flagellar pit) から生じる。本数は属によって異なるが、持たないものから8本以上まで様々である。ピラミモナス属 Pyramimonas やハロスファエラ属 Halosphaera では属内でも種によって鞭毛の本数に違いがある。Pyramimonas propulsa、P. octopus など多鞭毛の種では、さらに鞭毛の本数が倍加した細胞が生じることもある。一方プラシノコッカス属 Prasinococcus やオストレオコッカス属 Ostreococcus の細胞は球形に近く、鞭毛を持たない。 鞭毛の長さはプテロスペルマ属 Pterosperma などでは細胞径の4-5倍と長く、テトラセルミス属 Tetraselmis やピラミモナス属では短い。これらの属では全ての鞭毛は等長であるが、ネフロセルミス属 Nephroselmis やマントニエラ属 Mantoniella では不等長である。いずれの鞭毛も先端は丸く鈍頭で終止し、クラミドモナスに代表される(狭義の)緑藻のように先細りは見られない。鞭毛の表面には細胞表面と同様に鱗片があり、属によって様々な形状のものが見られる。鱗片は複数種が多層構造を為している場合もある。鞭毛根系を含む鞭毛装置は多様であり、プラシノ藻内で属を区別する形態形質にもなっている。
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鞭毛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/27 00:52 UTC 版)
詳細は「鞭毛」を参照 恐らく最も目立つ細胞外構造は、鞭毛であろう。鞭毛は、細胞壁から突出する鞭のような構造で、細菌の運動を担っている。鞭毛の配置は種に特異的なもので、一般的な形態には以下のような種類がある。 単毛 - 鞭毛1本のみ 叢毛 - 鞭毛の房が細胞の一端から固まって生える 両毛 - 2本の鞭毛が細胞の両端から生える 周毛 - 多数の鞭毛が細胞の様々な場所から生える 細菌の鞭毛は鞭のような繊維、モーター複合体、これらを繋ぐフックの3つの部分から成り立っている。繊維は直径約20nmで、それぞれが数千のフラジェリンサブユニットから構成されたいくつかのプロトフィラメントから構成される。モーター複合体は、内膜と外膜で鞭毛に留められた一連の環と、繊維に回転力を与えるプロトン駆動モーターから構成される。
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鞭毛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/20 10:17 UTC 版)
緑藻の中には、少なくとも生活環の一時期に鞭毛をもつものが少なくないが、接合藻のように鞭毛細胞を失ったと考えられている例も多い。鞭毛細胞はふつう等長・等運動性の鞭毛をもつ (等鞭毛性 isokont) が、長さ・運動が異なる鞭毛を前後に伸ばしている種もいる (プラシノ藻の一部)。鞭毛数は2または4本のものが多いが、それ以上のものもおり (プラシノ藻の一部、アオサ藻綱ハネモ目、緑藻綱サヤミドロ目)、また鞭毛を1本のみもつものもいる (プラシノ藻の一部)。 緑藻の中で、ストレプト植物に属するもの (クレブソルミディウム藻綱、コレオケーテ藻綱、シャジクモ綱など) の鞭毛細胞は、ふつう細胞亜頂端から2本の鞭毛が平行に伸びている。鞭毛装置では微小管性鞭毛根の1つが発達し、多層構造体 (multilayred structure, MLS) を形成している。一方、緑藻植物に属する緑藻の鞭毛細胞は、細胞頂端から対向して伸びる2または4本の鞭毛をもつものが多く (トレボウクシア藻綱、アオサ藻綱、緑藻綱)、鞭毛装置は回転対称の交叉型である。プラシノ藻と総称される緑色植物の初期分岐群では鞭毛細胞の形態や鞭毛装置は多様である。ストレプト植物の鞭毛細胞では、メソスティグマ藻綱以外は眼点を欠くが、緑藻植物では鞭毛細胞の色素体中に眼点をもつ例が多い。また緑藻を含む緑色植物の鞭毛移行部には、星状構造 (stellate structure) とよばれる特異な構造が存在する (図7)。
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鞭毛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/07 13:40 UTC 版)
クリプト藻の鞭毛は不等長〜亜等長で、種によって異なる。修飾としては鞭毛小毛や鱗片などが知られている。鱗片を持つ場合、この鱗片はロゼット状の特徴的な形態を示す。鞭毛小毛は鞭毛の軸に対して左右対称に生えているもの(両羽型)や片方にのみ生えているもの(片羽型)があり、2本の鞭毛における両羽/片羽の組み合わせも様々である。小毛は不等毛藻のそれとは異なり、軸部と先端毛から成る2部構成である(不等毛藻では基部を加えた3部構成)。クリプト藻の鞭毛小毛も不等毛藻と同様に推進力逆転の効果があると言われるが、前述のように片羽型の鞭毛や組み合わせの問題もあり、力学的な裏付けは取られていない。
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鞭毛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 08:10 UTC 版)
他のストラメノパイル生物同様、不等毛藻も前鞭毛に三部構成(基部、軸部、先端毛)の鞭毛小毛を持つ。褐藻は海藻であり、個々の細胞は藻体の構成要素として運動性を持たないが、生殖時に放出される遊走子が鞭毛を持つ。これは珪藻やファエオタムニオン藻でも同様である。
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鞭毛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:24 UTC 版)
緑色植物の中には、栄養体 (通常の状態の体) が鞭毛をもつものもいるが (例:クラミドモナス類)、多くの場合、生活環の一時期にのみ遊走子 (鞭毛をもつ胞子) や配偶子として鞭毛細胞を形成する。また多くの種子植物のように、鞭毛細胞をもたないものもいる。 鞭毛細胞はふつう等長・等運動性の複数の鞭毛をもつ (等鞭毛性 isokont) (右図)。鞭毛の数は2本や4本のものが多いが、数千本の鞭毛をもつもの (例:イチョウ) や、鞭毛が1本だけのもの (例:ペディノ藻綱) もいる。またプラシノ藻の中には、長さや運動様式が異なる複数の鞭毛 (anisokont) をもつ種も多い (例:ネフロセルミス藻綱)。 緑色植物の基底小体 (鞭毛基部) と鞭毛の移行部には、星状構造 (stellate structure) とよばれる構造が存在する (右図)。この構造は緑色植物に特有であり、横断面が星形を示すためこの名がある。星状構造の構成要素としては、カルシウム結合タンパク質であるセントリンが存在することが知られている。 緑色植物の鞭毛装置は、基底小体と微小管性鞭毛根、繊維構造からなる。基本的に1個の基底小体から2個の微小管性鞭毛根が伸びているが、そのうちの1つ (s root; R2 または R4) において1本の微小管が他の微小管からなる列の下を通って配置変化する特異な配行を示す。緑色植物のうち、緑藻植物の鞭毛装置は回転対称の交叉型であることが多いが、ストレプト植物の多くでは非回転対称で1個の微小管性鞭毛根が多層構造体 (multilayered structure, MLS) となって発達している側方型である。
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鞭毛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 09:20 UTC 版)
灰色藻で遊泳細胞を生じる属では、細胞は二本の不等長鞭毛を備える。鞭毛には非常に細かい小毛が生えている。灰色藻の鞭毛装置には、多層構造体(MLS; Multi-Layered Structure)と呼ばれる配列微小管と層状構造の複合体が存在する。これは緑藻類に多く見られる構造であり、灰色藻と緑藻との関係を探る上で興味深い。
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鞭毛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 08:38 UTC 版)
外見はアメーバでありながら、生活環の一時期に鞭毛を持って泳ぐものもいる。糸状仮足のものが多い。ネグレリア(Naegleria)類は葉状仮足を持ち外見上はほとんど典型的なアメーバであるが、水中を鞭毛で泳ぐこともできる。温泉や浴場などで繁殖し、人間に寄生して脳炎を起こす種(Naegleria fowleri など)が知られている。
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「鞭毛」の例文・使い方・用例・文例
- 渦鞭毛虫はユニークな姿をしている。
- 単細胞生物(特に鞭毛原虫類)
- らせん状にひねった棒のような形をした鞭毛状の好気性バクテリア
- 先端が丸く多数の鞭毛を持つ螺旋状、曲線上、あるいは一直線の好気菌の属
- 剛壁のある単純細胞と(運動性タイプの)鞭毛を持つ、単細胞のモネラ界の生物
- 澱粉質の化合物を形成する双鞭毛の藻と単細胞で成る下等植物の分岐
- 茶色の藻、珪藻、および鞭毛虫として現れるクロロフィル
- 藻類の一群で、クロロフィルaおよび、大概の場合クロロフィルcを持ち、長さの異なる鞭毛を有する
- 黄色い色素で覆われた葉緑素をもつ黄金鞭毛藻類綱門の藻
- 長さの異なる鞭毛を持つ、黄緑藻類全て
- 自由遊泳性の鞭毛状の藻類
- ミドリムシ科の標準属:単一の鞭毛を持つ緑藻類
- 1本の鞭毛のある微小単細胞緑色淡水性生物
- 海洋性および淡水性緑色もしくは無色の鞭毛生物
- 緑以外他の色素には全然覆われない葉緑素を持ち、主にその澄み切った緑と鞭毛に特徴のある藻
- 単細胞、またはたくさんの双鞭毛を持つ自由遊泳性の鞭毛虫
- 鞭毛を持つ原生動物
- 主に2本の鞭毛を持つ海洋性原生動物
- 海洋性と淡水性の渦鞭毛虫
- 厚い甲でできた殻を持つ鞭毛虫
鞭毛と同じ種類の言葉
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