鞭毛虫とは? わかりやすく解説

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べんもう‐ちゅう【×鞭毛虫】

読み方:べんもうちゅう

原生動物の一綱。一亜門とされることもある。単細胞で、1本以上の鞭毛をもつ。色素体をもつ植物性鞭毛虫と、もたない動物性鞭毛虫とに分けられ植物性のものは植物として分類されることもある。ヤコウチュウ・ミドリムシなど、プランクトンとして広く分布し寄生する種もある。


魚類のアミルウージニウム症渦鞭毛藻(鞭毛虫) [Amyloodinium ocellatum]

 アミルウージニウム症従来ヨーロッパアメリカ中東地域では、古くから魚類原虫症の一つとして知られていたが、その病原体は現在、動物学的な分類では植物性鞭毛虫類に、一方植物学的な分類では渦鞭毛藻類属している。この病原体海水魚寄生するが、多く水族館鑑賞魚業界問題になる病気で、国内外養殖場での発生はほとんどなく、水産業ではあまり重要視されていなかった。しかし、外国飼育され海水魚(コバンアジタイシーバス)に発生例があるので、日本でも今後注意必要な魚病である。
原因となるアミルウージニウムはおもに(えら)に寄生するが、ときには皮膚(ひれ)にも寄生することもある。その栄養型(えら)の表面付着し突起の上細胞刺しこんで栄養摂取するので、細胞変性し壊死(えし)や崩壊がおきる。多数寄生する呼吸困難になり死亡することもある。
 アミロウージニウムが寄生している時期の形(寄生体または栄養体)は洋梨型から球状(20-120μm)になる。成熟する水中シストになり、シストから2本の鞭毛をもった貝毒原因となる渦鞭毛藻似た形の細胞多数つくられる。この細胞水中泳ぎ宿主寄生する。なお、この渦鞭毛藻葉緑素クロロフィルをもっているので、光合成も行うことから水中では独立栄養的に生育し魚類寄生し場合従属栄養的に生育するという両面備えている特殊な病原体である。

鞭毛虫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/03 02:46 UTC 版)

鞭毛虫(べんもうちゅう)とは、原生動物の中で鞭毛で運動する生物を総称する呼び方である。以前は分類群の名称として用いられた事もあったが、21世紀初頭現在では専ら「鞭毛を持つ原生生物」の意味で用いられ、自然分類群としての要素は無い。


  1. ^ キク科植物にDistephanus属が先んじて存在していた為、後にDictyocha属に統合された。


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