壊死とは? わかりやすく解説

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壊死

読み方:えし

「壊死」とは、生物身体構成する組織一部死滅して機能しなくなること、および、その状態を意味する表現である。壊死に至った要因に応じて凝固壊死融解壊死乾酪壊死脂肪壊死出血性壊死などと呼び分けられる。

凝固壊死は、細胞組織タンパク質凝固することによる壊死である。死んだ組織固形化する。筋肉のようにタンパク質が多い組織にみられ、臓器梗塞によっても生じる。

融解壊死は、壊死組織融解し液化していく。脳や脂肪組織のように脂質が多い組織で起こる。

乾酪壊死は、凝固壊死融解壊死両方特徴併せ持つ壊死である。呼び名通りチーズ似た様相を呈する

脂肪壊死は、腹腔内の脂肪組織変性し死滅するのである。人にも発生するが、牛に多い病気で、円盤結腸直腸腎臓周辺脂肪組織多くみられる

出血性壊死は、臓器静脈閉塞し血液臓器実質間質あふれ出すことが原因で起こる。

皮膚の壊死性感染症は、蜂窩織炎一種で、感染した部分皮膚赤くなり熱を持つ。他にも腫れたり皮膚の下に気泡生じたりする。治療は、壊死組織切除をした後、抗菌薬投与を行う。また、壊死した組織広範囲にわたる場合は、感染した脚や腕を切除することもある。

壊死した組織腐敗菌などに感染して生じ合併症を「壊疽(えそ)」という。いわゆる傷口腐った状態」である。

人体においては足に壊死が起こりやすい。足先身体の末端位置するため血流低下起こりやすいからである。角質異常や水虫といった異状生じやすく、しかも放置されやすい。傷が化膿して、壊死、ひいては壊死が腐敗し悪化した壊疽になりやすい。

糖尿病患い糖尿病神経障害進行していると、足の痛み気づくことが遅れ、血行障害免疫力低下みられるため、治療開始するのが遅くなる可能性が高い。

「壊死=ネクローシス」と「アポトーシス」

「壊死」は病理学分野では「ネクローシスnecrosis)」という学術用語呼ばれ、「アポトーシスapoptosis)」と対比される

アポトーシス」は正常な生命現象一環として細胞が(自発的に死滅する過程意味する言葉である。不要になった細胞速やかに排除するための機能であり、基本的に生命に危険を及ぼさない

アポトーシス対しネクローシス(壊死)は、外的要因による不本意な細胞死を指す語である。

「骨頭壊死」とは

骨頭壊死とは、骨に十分な血液流れなくなり、骨の細胞死に、骨が衰えることをいう。糖尿病腎臓病アルコール依存症痛風などの病気や、骨折脱臼などのケガ原因発生する骨頭壊死が最も多く発生する部位大腿骨頭で、大腿骨頭壊死といわれる大腿骨頭壊死の初期症状は、股関節痛みである。長時間歩いた場合歩き始め痛み感じることが多い。

診断レントゲンMRICTなどの画像検査によって行う。安静運動だけで治る場合もあるが、手術を行うのが一般的である。壊死した骨が限られている場合は、骨頭崩壊変形予防するために、骨への体重のかかり方を調節する骨切り手術を行う。壊死した骨が広範囲及んでいる場合は、人工関節置換術を行う。

「壊死」を含むその他の用語の解説

「壊死性筋膜炎」とは

壊死性筋膜炎とは、皮下組織筋膜に、溶血性レンサ球菌黄色ブドウ球菌などの細菌感染し炎症生じた状態のことをいう。

「壊死性リンパ節炎」とは

壊死性リンパ節炎とは、首のリンパ節腫れ病気である。亜急性壊死性リンパ節炎組織球性壊死性リンパ節炎ともよばれる原因不明で、根本的な治療法はあまりなく、1~2ヶ月自然と治ることが多い。

「壊死性腸炎」とは

壊死性腸炎とは、腸が壊死する病気である。腸への血流障害細菌感染などが加わることが原因で、生まれてから30日未満赤ちゃんや、低出生体重児発症することが多い。

「壊死性筋炎」とは

壊死性筋炎とは、病理学的に筋繊維の壊死や炎症がない、または軽微な病気のことである。

「壊死組織」とは

壊死組織とは、死滅した細胞組織のことである。

え‐し〔ヱ‐〕【壊死】

読み方:えし

[名](スル)生体の一部組織細胞が死ぬこと。また、その状態。血液供給されなくなった部分火傷をした部分などに生じる。ネクローシス

「壊死」に似た言葉

壊死(ネクローシス)

低酸素高温といった非生理的な条件によって起こる、細胞組織死の一つの型。

壊死

英訳・(英)同義/類義語:necrosis

組織や、器官一部または全部が死ぬこと。

ネクローシス

同義/類義語:壊死, ネクローゼ
英訳・(英)同義/類義語:necrosis

組織器官形成する細胞死に機能を失うこと。様々な原因で起こるが、アポトーシスとは異なる。
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現象や動作行為に関連する概念:  トランス活性化  ドメイン  ニッチ  ネクローシス  パラ分泌  ヒトゲノム  ヒトゲノム計画

壊死

necrosis

【概要】 病理学用語。細胞細胞集まった組織細胞群の死滅のこと。このため時には組織機能果たせなくなる。例え細胞が死ぬ主な原因酸素不足である。色々なことで出血梗塞血流途絶えるための病的な死である。生物学的なプログラムに添った死であるアポトーシスとは違っている。 

《参照》 アポトーシス


壊死

【仮名】えし
原文necrosis

生体組織が死ぬことに関連する

壊死(Necrosis)


壊死【えし】

生体内一部組織細胞虚血 (血液流れ停滞し酸素栄養素不足すること)などにより死んでしまうこと、またはその状態をいいます

壊死

作者平山夢明

収載図書東京伝説ゆがんだ街の怖い話
出版社竹書房
刊行年月2005.5
シリーズ名竹書房文庫


壊死(えし) [Necrosis]

 組織または細胞死滅する病理的現象を壊死という。壊死する組織細胞多種あり、原因凍傷圧迫放射線などによる物理的な壊死、血液供給障害による壊死(梗塞こうそく)、化学毒物細菌毒素あるいはウイルスによる壊死などがある。壊死には凝固壊死融解壊死があり、壊死した細胞の特徴濃縮融解崩壊細胞質凝固などである。壊疽(えそ)または脱疽(だっそ)は壊死に腐敗がともなう場合にいう。また、細胞死には壊死のほかに細胞成分漏出せず、炎症おきないアポトーシス(apotosis)があるが、これは発生過程器官形成免疫系重要な役割があるといわれる

壊死

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 13:55 UTC 版)

壊死(えし)またはネクローシス: necrosisギリシア語のνέκρωσις〔死〕由来)とは、自己融解によって生物組織の一部分が死んでいく様、または死んだ細胞の痕跡のことである[1]


  1. ^ a b c d Proskuryakov SY, Konoplyannikov AG, Gabai VL (2003). “Necrosis: a specific form of programmed cell death?”. Exp. Cell Res. 283 (1): 1–16. doi:10.1016/S0014-4827(02)00027-7. PMID 12565815. 
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  4. ^ a b c McConnell TH (2007). The nature of disease: pathology for the health professions. Baltimore, Mar.: Lippincott Williams & Wilkins. ISBN 0781753171 
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  7. ^ Saey, Tina Hesman (2012年11月5日). “Cancer cells self-destruct in blind mole rats”. Science News. Society for Science and the Public. 2012年11月27日閲覧。
  8. ^ Gorbunova V, Hine C, Tian X, Ablaeva J, Gudkov AV, Nevo E, Seluanov A (2012). “Cancer resistance in the blind mole rat is mediated by concerted necrotic cell death mechanism”. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 109 (47): 19392–6. Bibcode2012PNAS..10919392G. doi:10.1073/pnas.1217211109. PMC 3511137. PMID 23129611. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3511137/. 
  9. ^ a b c d e f g Raffray M, Cohen GM; Cohen (1997). “Apoptosis and necrosis in toxicology: a continuum or distinct modes of cell death?”. Pharmacol. Ther. 75 (3): 153–77. doi:10.1016/s0163-7258(97)00037-5. PMID 9504137. 
  10. ^ Nazarian RM, Van Cott EM, Zembowicz A, Duncan LM (2009). “Warfarin-induced skin necrosis”. J. Am. Acad. Dermatol. 61 (2): 325–32. doi:10.1016/j.jaad.2008.12.039. PMID 19615543. 
  11. ^ Yanagawa, Youichi (10 October 1980). “Cutaneous hemorrhage or necrosis findings after Vespa mandarinia (wasp) stings may predict the occurrence of multiple organ injury: A case report and review of literature”. Clinical Toxicology. 
  12. ^ a b c d e f g Kroemer G, Galluzzi L, Vandenabeele P, Abrams J, Alnemri ES, Baehrecke EH, Blagosklonny MV, El-Deiry WS, Golstein P, Green DR, Hengartner M, Knight RA, Kumar S, Lipton SA, Malorni W, Nuñez G, Peter ME, Tschopp J, Yuan J, Piacentini M, Zhivotovsky B, Melino G,((Nomenclature Committee on Cell Death 2009)) (January 2009). “Classification of cell death: recommendations of the Nomenclature Committee on Cell Death 2009”. Cell Death Differ. 16 (1): 3–11. doi:10.1038/cdd.2008.150. PMC 2744427. PMID 18846107. http://www.nature.com/cdd/journal/v16/n1/pdf/cdd2008150a.pdf. 
  13. ^ a b アポトーシスとネクローシス”. エランコアニマルヘルス社. 2014年2月6日閲覧。
  14. ^ 新しい細胞死ネクロトーシス ~プログラムされたネクローシス~”. ドージンニュース. 2014年2月6日閲覧。


「壊死」の続きの解説一覧

壊死

出典:『Wiktionary』 (2021/06/26 08:36 UTC 版)

名詞

 (えし)

  1. (病理学) 生体の組織一部分が死ぬこと。

発音(?)

え↘し

翻訳

動詞

活用

サ行変格活用
壊死-する

「壊死」の例文・使い方・用例・文例

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