股関節
別名:股大腿関節
学名:Articulatio coxae, Articulatio coxofemoralis
【英】:Hip joint
股関節は寛骨臼と大腿骨頭とによってつくられる球関節で球体の約2/3に相当する広さをもつ大腿骨頭は、その半分以上が寛骨臼におおわれ、そのために運動は著しく制限されている。このような関節をとくに臼状関節とよんで、肩関節のような球関節と区別する。寛骨臼の内面ではその周辺の月状面のみが関節軟骨でおおわれ、中央の深い寛骨臼窩は滑膜でおおわれた脂肪組織でみたされている。また、寛骨臼の周縁は線維軟骨性の関節唇によって補強され、関節窩がさらに深められる。関節唇が寛骨臼切痕を橋渡ししてつづく部分を寛骨臼横靱帯といい、この深層でほね間隙を血管がまわりの脂肪組織を伴って関節腔内に侵入する。関節包は強く、上方では関節唇の外面、あるいはこれをこえて寛骨臼の周縁につく。下方では大腿骨頚をほとんど包み、前面では転子間線に、後面では転子間稜のやや上方で大腿骨頚につき、また内側では小転子に接してつく。股関節の運動は、屈曲、伸展、内転、外転、描円および回旋に分析されるが、運動の範囲は膝関節をまげた状態では、寛骨からおこり、膝関節をこえて脛骨や腓骨につく大腿の筋や靱帯による運動性限が除かれるために拡大される。股関節の運動は屈伸、内・外転および回旋を行う。伸展位からの屈曲は膝関節をも屈すると120°、後方への過伸展15°(この位置で大腿骨頭は寛骨臼内で固定される)、内転10°、外転40°、内方回旋50°、外方回旋15°である。股関節を少し屈し、やや外転、回旋した位置からは屈伸合計約160°、内外転合計140°、回旋合計約100°となる。なお、股関節の屈伸運動の横軸は大腿骨頭の中心と大転子の頂点とを結ぶ線で、立体においてこの線の直角をなして大腿骨頭から下る線は大腿骨下端の膝蓋面を通り、脛骨上端の顆間隆起から脛骨中に入り、その中軸を下って、下関節面を出た後に距骨に入る。この線が下肢の回旋軸で、大腿骨体の軸との間に約6°の角をなし、立位の靱帯の垂直線とも平行しない。また大腿骨軸と脛骨体軸とのなす角は174°である。





股関節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/03 22:44 UTC 版)
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股関節(こかんせつ)は、骨盤の寛骨臼と大腿骨頭から構成される球関節(関節部分が球形(股関節の他に肩関節))であり、人体最大の荷重関節である[1]。荷重関節として体重を支え、歩行などの脚の運動を可能にする重要な役割を担っている[2]。大腿骨頭は半球を上回る球形で、寛骨臼がそれを深く包み込む構造により、関節の安定性を高め、脱臼しにくい仕組みを有する[3]。
機能と臨床的意義
股関節は立位時に体重の約1/3、歩行時には体重の約3.3倍の荷重を支持する、人体で最も重要な荷重関節の一つである[4][5]。
疫学
変形性股関節症の単純X線診断による日本での有病率は1.0〜4.3%と報告され、患者数は約120万〜510万人に上る[8]。症例の約80%は発育性股関節形成不全や臼蓋形成不全を背景とする二次性の特徴を持つ[9]。
組織
股関節を構成する人体の組織には、以下の様な物がある。
骨
- 寛骨臼
- 大腿骨(大腿骨頭)
靭帯
- 腸骨大腿靭帯
- 恥骨大腿靭帯
- 坐骨大腿靭帯
- 寛骨臼横靭帯
- 輪帯
- 大腿骨頭靭帯
筋肉
ストレッチ
- シンボックス[注釈 1]
病気
股関節に起こる主な病気には以下のようなものがある。
- 先天性股関節脱臼
- 股関節亜脱臼障害
- 変形性股関節症
- ペルテス病
- 特発性大腿骨頭壊死症
- 大腿骨頭辷り症
- 単純性股関節炎
- 急性化膿性股関節炎
- 結核性股関節炎
- 色素性絨毛結節性滑膜炎
- 股関節周辺滑膜包炎と石灰化腱炎
- 特発性一過性大腿骨頭萎縮症
- 急速破壊型股関節症
- 臼蓋形成不全
- 股関節唇損傷
- 股関節インピンジメント
関連項目
脚注
注釈
出典
- ^ “股関節の治療・手術”. 河野臨床医学研究所附属第三北品川病院. 2025年7月11日閲覧。
- ^ “外傷性股関節脱臼”. 医療法人社団豊正会大垣中央病院 (2024年1月1日). 2025年7月11日閲覧。
- ^ “股関節の仕組み”. 日本の名医. 2025年7月11日閲覧。
- ^ “The Hip Joint”. Innerbody. 2025年7月11日閲覧。
- ^ Johnston RC (1973). “Mechanical Considerations of the Hip Joint”. Archives of Surgery 107 (3): 411–417.
- ^ “Hip Range of Motion”. FPnotebook. 2025年7月11日閲覧。
- ^ “Range of Motion Normative Values”. Physiopedia. 2025年7月11日閲覧。
- ^ “Etiology and clinical trends in hip osteoarthritis in Japan:Insights from a multicenter cross-sectional study”. Journal of Orthopaedic Science. (2025).
- ^ “変形性股関節症の概要”. 公益社団法人日本整形外科学会. 2025年7月11日閲覧。
「股関節」の例文・使い方・用例・文例
- 股関節が痛む。
- 私は昨日から股関節の炎症に苦しんでいます。
- 私は股関節症の手術を受けている。
- 彼は股関節を痛めた。
- 人工の股関節が脱臼し、外科的に元へ戻さなくてはならなかった
- 本来の関節(場合によると肘または手首もあるが、通常は股関節またはひざ)を交換するために手術で移植される、金属またはプラスチックの部品
- 股関節と腿部筋肉を満たす動脈
- 股関節と臀部を満たす内部腸骨動脈の支流
- 股関節と大腿筋を流れる支脈の結合によって形成される静脈
- 股関節という関節
- 股関節が脱臼する症状
- 先天性股関節脱臼という病気
- 寛骨臼という,股関節を形成するくぼみの部分
- 股関節角度センサーによって得られた情報から力とタイミングが算出される。
- 3月,錦織選手は股関節痛のためにソニー・オープン・テニスを棄権せざるを得なかった。
股関節と同じ種類の言葉
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