かん‐げき【間隙】
間隙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 21:33 UTC 版)
間隙(孔隙、空隙)は土壌体積の中で鉱物や有機物のような固体によって占められていない部分であり、空気か水によって占められている。生産力のある中程度の土性の土壌では、間隙は土壌体積の50%程度を占める。間隙の大きさは大きな幅がある。最も小さなもの (<0.1 µm) はクリプトポア (cryptopore) で、水を保持する力がとても強いため植物は利用できない。植物が利用する水は、より大きいウルトラマイクロポア (ultramicropore) やメソポア (mesopore) (0.1-75 µm) の水である。さらに大きいマクロポア (>75 µm) は、圃場容水量において空気で満たされている。 土性は最小間隙の総体積を決める。すなわち、粘土は砂よりも小さな間隙を持ち、透水性は極めて低いのにも関わらず、間隙の総体積は砂よりも大きい。土壌構造は土壌の通気性、大きな間隙への影響が強いため、水の浸透と排水に影響を与える。耕起は大きな間隙の数を増やすという一時的なメリットがあるものの、土壌団粒が破壊されることによりすぐに劣化する。 間隙径分布は植物や他の生物による水と酸素の得やすさに影響する。大きな連続した間隙は空気、水、溶解した栄養分を速やかに移動させて供給し(透水性)、小さな間隙は降雨や灌漑のような水が供給される事象の間に水を蓄える(保水性)。間隙径に幅があることにより、間隙は様々な大きさの空間に分かれて、多くの微生物や動物が居住空間が分かれているために直接的な競合をしないという効果もある。そのため、土壌には非常に多くの生物種が生存しているだけでなく、機能的にも似通っている種(通常であれば競合するために淘汰されてしまうような種)が同じ土壌中に共存できるということが説明できる。
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