糖尿病で高血糖の状態が長く持続すると、神経(運動神経、知覚神経、自律神経)に障害がおよびます。
運動神経が障害されると、眼球を動かすのが不自由になってものが二重に見えるほか、足先が垂れて歩きにくくなるなどの症状が表れます。知覚神経が障害されると、不快な痛みに悩まされたり、逆に痛みや寒冷を感じにくくなったりします。また、自律神経は心身に活動と休息のリズムを与えている神経で、これが障害されると、立ちくらみ、発汗異常、下痢や便秘、消化吸収の異常、排尿異常、インポテンスなどを起こすほか、重症になると昏睡に陥ったり、心拍が止まり、急死することもあります。
糖尿病が悪化すると、動脈硬化が進行して足先の血液循環が悪くなり、さらに免疫力の低下が加わって感染による炎症をまねき、足先が壊疽(組織が腐って死ぬこと)を起こすことがあります。しかし、同時に神経障害が起きているために苦痛を感じず、壊疽を進行させてしまい、下肢切断にいたる例も少なくありません。
とうにょうびょう‐しんけいしょうがい〔タウネイビヤウシンケイシヤウガイ〕【糖尿病神経障害】
読み方:とうにょうびょうしんけいしょうがい
神経障害
別名:糖尿病神経障害
糖尿病神経障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 20:51 UTC 版)
「糖尿病慢性期合併症」の記事における「糖尿病神経障害」の解説
詳細は「糖尿病性神経障害」を参照 比較的早期から出現し、小径の自律神経から感覚神経へと障害が進展する(ICD-10:E10.4、E11.4、等)。細胞毒としての 多発神経障害のほか、栄養血管の閉塞から多発単神経障害も同時に起きる。自律神経障害としては胃腸障害(便秘/下痢)、発汗障害、起立性低血圧、インポテンツ等。感覚神経障害としては末梢のしびれ、神経痛、不随意運動(糖尿病性舞踏病)などである。多発単神経障害としては、一時的な黒内障もみられる。不思議なことに、末梢神経障害は糖尿病にかかっている時間の長さとは相関しない。自律神経障害は、相関する。胃腸障害は、現時点での血糖値に影響されるため、やはり相関しない。
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