糖尿病で高血糖の状態が長く持続すると、神経(運動神経、知覚神経、自律神経)に障害がおよびます。
運動神経が障害されると、眼球を動かすのが不自由になってものが二重に見えるほか、足先が垂れて歩きにくくなるなどの症状が表れます。知覚神経が障害されると、不快な痛みに悩まされたり、逆に痛みや寒冷を感じにくくなったりします。また、自律神経は心身に活動と休息のリズムを与えている神経で、これが障害されると、立ちくらみ、発汗異常、下痢や便秘、消化吸収の異常、排尿異常、インポテンスなどを起こすほか、重症になると昏睡に陥ったり、心拍が止まり、急死することもあります。
糖尿病が悪化すると、動脈硬化が進行して足先の血液循環が悪くなり、さらに免疫力の低下が加わって感染による炎症をまねき、足先が壊疽(組織が腐って死ぬこと)を起こすことがあります。しかし、同時に神経障害が起きているために苦痛を感じず、壊疽を進行させてしまい、下肢切断にいたる例も少なくありません。
神経障害
別名:糖尿病神経障害
神経障害
麻痺
神経障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 07:21 UTC 版)
片頭痛患者は三叉神経の髄鞘 (別名ミエリン鞘。神経の被膜部分) に異常があるとの報告が存在する。 髄鞘の構成要素にはセラミドとホスファチジルコリンより合成されるスフィンゴミエリンが存在するが、エピソード性片頭痛患者は血清中の全セラミド量及びジヒドロセラミド量が少ないとの報告がある。セラミドはDe novo経路により、パルミトイル-CoA(英語版)とL-セリンなどから合成される。また、マウス線維芽細胞でのin vitroの実験によれば、ホスファチジルセリンもセラミド合成に使われるとされる。しかし、L-セリンやホスファチジルセリンの摂取が頭痛を防ぐかは分かっていない。関係は不明だが、ホスファチジルセリンとホスファチジン酸を含むレシチンの摂取に、(しばしば頭痛を伴う)月経前症候群 (PMS) への効果があるとする研究がある。 また、ネルボン酸も髄鞘の構成要素となっている。ネルボン酸の摂取は脱髄を予防できる可能性があり、(頭痛を伴うこともある)脱髄疾患に有益な可能性がある。その他、高血圧の片頭痛患者は突発性難聴になりやすいとされるが、突発性難聴のリスク因子にはネルボン酸やコエンザイムQ10の低レベルがあるとする研究がある。しかし、ネルボン酸の摂取が片頭痛や片頭痛に関連する突発性難聴を防ぐかは分かっていない。 重金属中毒によって神経等が冒された場合も頭痛が起こりうる。例えば、鉛中毒になった場合、気化した金属水銀を吸い込んで水銀中毒になった場合、カドミウムを吸引してカドミウム中毒になった場合などに頭痛が起こりうる。水銀体温計や蛍光灯が割れた場合は、水銀を吸い込まないように注意が必要となる。 また、頭痛の一つに頭部神経痛があり、これは頭部の末梢神経障害 (ニューロパチー) による疼痛となっている。末梢神経障害の原因の一つに、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12レベルの低下が存在する (栄養障害ニューロパチー)。この場合、これらビタミンの補給が行われる。 糖尿病でも末梢神経障害の起こる可能性があり (糖尿病性神経障害)、それによっても頭部神経痛が起こりうるという報告がある。糖尿病では、ビオチン (ビタミンB7) と三価クロムの同時補給に血糖値を下げる効果のある可能性がある。なお、糖尿病の治療では砂糖や炭水化物などの糖質を控えたり (糖尿病の食事療法)、薬を使ったりによって血糖値を下げることが行われているが、これによって低血糖症になることでも頭痛が起こりうる (#アセチル-CoA不足)。
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「神経障害」の例文・使い方・用例・文例
- 彼は神経障害性膀胱を患った。
- 通常、神経障害に関連しており、書かれた言葉を理解する能力に障害のある
- 小児期後期と成人早期の神経障害
- ある神経線維の周りのミエリン鞘の損失にかかわる慢性の進歩的な神経障害
- 体と四肢の痙攣によって特徴づけられるいくるかの進行性の神経障害のどれか
- 神経障害の一種で、幼年期と青年期の間に始まることがある
- 単一の神経幹の神経障害
- 顔のゆがみ、顔面けいれん、上体の動き、うなり声、叫びおよび汚言症{おによって特徴づけられる神経障害
- 異常な筋収縮が特徴の斜視、顔面痙攣、および他の神経障害を治療するために、医学的に少量使用される神経毒(商標名ボトックス)
- 脳梅毒という,脳膜や脳の血管が梅毒スピロヘータに侵されて起こる精神神経障害の病気
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