抗ウイルス薬とは? わかりやすく解説

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抗ウイルス薬


抗ウイルス薬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/02 20:47 UTC 版)

抗インフルエンザ薬「イナビル」

抗ウイルス薬(こうウイルスやく、: Antiviral drug)は、ウイルス感染症の治療薬。抗ウイルス薬による治療薬の副作用として、抗体価が上昇せず(獲得免疫能が低下)再感染率が増加することが挙げられる[1]

薬理

ウイルス細胞寄生し、暗黒期を経て新しいウイルス粒子を形成し、宿主細胞を脱出するサイクルの一部プロセスを阻害することで、あるいは人体の抗ウイルス免疫機構に介入することで、ウイルス性疾患の治療を行う療法である。ウイルスは自身の細胞を有しないため、細菌など病原体の細胞を直接破壊する抗生物質療法と、薬理学的性格が大きく異なる。

抗菌薬殺菌スペクトラムによるとはいえ、複数菌種に対する抗菌活性を持つことが多い。これは、抗菌薬が標的とする細菌は、真核生物である人体の細胞と大きく異なる一定の分子生物学的な共有形質を有し、これを利用して細菌細胞の生理的過程を阻害し、細菌細胞を死に至らしめているからである。

しかしウイルスは、進化の系譜が細胞を有する生物とは著しく異なり、個々のウイルスの分子生物学的な形質の多様性は著しく高い。そのため、それぞれの生活環転写因子が異なっており、それぞれに対する治療薬が必要となる。

種類

単純ヘルペスウイルス感染症治療薬

サイトメガロウイルス感染症治療薬

尖圭コンジローマ等治療薬

RSウイルス感染症治療薬

インフルエンザ治療薬

新型コロナウイルス感染症治療薬

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症治療薬

日本で認可されているHIV感染症/後天性免疫不全症候群治療薬は、以下が存在する(取り消し線を施したものは既に販売中止になったもの)。

日本で治験中の抗HIV治療薬は以下が存在する。

  • 融合阻害剤(Fusion Inhibitor:FI)
    • エンフュヴィルタイド (T-20) フューゼオン(未記載)

HBV治療薬

HCV治療薬

出典・脚注

  1. ^ 木戸博、「インフルエンザ感染の重症化機序と治療法」 小児耳鼻咽喉科 2016年 37巻 3号 p.305-311, doi:10.11374/shonijibi.37.305

関連項目


抗ウイルス薬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 00:28 UTC 版)

ウイルスの紹介」の記事における「抗ウイルス薬」の解説

詳細は「抗ウイルス薬」を参照 1980年代半ば以降、主にエイズ大流行牽引 (けんいん) されて、抗ウイルス薬の開発急増している。抗ウイルス薬は、ヌクレオシド類似体英語版)であることが多くDNA構成要素 (ヌクレオシド) になりすますウイルスDNAの複製が始まると、偽の構成要素いくつか用いられる薬物DNA鎖の形成可能にする本質的な機能欠けているため、DNAの複製妨げる。DNA生成停止すると、ウイルスはもはや繁殖できなくなる。ヌクレオシド類似体の例としては、ヘルペスウイルス感染症用のアシクロビルや、HIVB型肝炎ウイルス感染症用のラミブジンなどがある。アシクロビルは、最も古く、最も頻繁に処方される抗ウイルス薬の一つである。 他の抗ウイルス薬は、ウイルスのライフサイクルさまざまな段階対象としている。HIVは、ウイルス感染力を持つようになるために、HIV-1プロテアーゼ英語版)と呼ばれる酵素依存している。この酵素結合して機能停止させるプロテアーゼ阻害剤呼ばれる種類薬剤がある。 C型肝炎は、RNAウイルス原因発症する感染者80%で慢性化し、治療をしない限り一生感染したままとなる。ヌクレオシド類似体リバビリン用いた効果的な治療法がある。B型肝炎ウイルス慢性保菌者対す治療法も、ラミブジンなどの抗ウイルス薬を使った治療法同様の戦略開発されている。どちらの病気でも、薬物ウイルスの繁殖止めインターフェロン残った感染細胞死滅させるHIV感染症通常、抗ウイルス薬の組み合わせ治療されそれぞれウイルスのライフサイクル異な段階対象としている。それらにはウイルス細胞付着するのを防ぐもあれば、ヌクレオシド類似体であるウイルス繁殖するために必要なウイルスの酵素毒するものもある。これらの成功は、ウイルスどのように繁殖するかを知ることの重要性証明している。

※この「抗ウイルス薬」の解説は、「ウイルスの紹介」の解説の一部です。
「抗ウイルス薬」を含む「ウイルスの紹介」の記事については、「ウイルスの紹介」の概要を参照ください。

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