殺菌
乳牛から搾られた生乳は、食品としての安全性と保存性を確保するために、加熱殺菌してから市場に流通します。牛乳のパッケージに、成分表示と一緒に「殺菌130℃ 2秒」などの殺菌方法が明記されています。 日本で行なわれている殺菌方法は62〜65℃で30分加熱する「低温長時間殺菌法」、72〜75℃で15〜16秒加熱する「高温短時間殺菌法」、120〜130℃で2秒間加熱する「超高温瞬間殺菌法」、140〜150℃で1〜2秒加熱する「超高温瞬間滅菌法」の4種類に大別されます。 高温殺菌法の利点は、大量に処理することが可能で、経済的な効率が高く、ほとんど無菌状態になるため、長期保存が可能になることが上げられます。しかし、ここ数年、低温保持殺菌の牛乳の割合が増加しています。 |
殺菌[sterilization]
殺菌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/21 08:28 UTC 版)
殺菌(さっきん)とは、病原性や有害性を有する糸状菌、細菌などの微生物を殺し減少させる操作のことである。滅菌と異なるのは具体的な程度は定義されておらず、滅菌のような完全な効果は保証されていない。電磁波、温度、圧力、薬理作用などを用いて細菌などの組織を破壊するか、生存が不可能な環境を生成することで行われる。すべての種類の菌を殺さなくても、生物に悪影響を及ぼす細菌などの微生物が減少すれば殺菌とみなされる。主に病原体の除去(感染症の予防)、食品の鮮度保持などが目的で実行される。対象とする細菌などによっては効果が期待できない方法もある。人体や有益な生物への障害、高熱や腐食による装置の破損、食品の風味の変質などを引き起こすことがあるため、対象の細菌などの微生物に合わせて適切な方法を選択することが重要である。低温殺菌法のパスチャライゼーション(英語名: pasteurization)はルイ・パスツールからきている。
- 1 殺菌とは
- 2 殺菌の概要
殺菌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 17:48 UTC 版)
窒素を使うなどして、溶存酸素による酸化を抑制しながら加熱殺菌した商品が多い。ごく少数ながら、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}ウシの乳頭から生産設備までを無菌に保ち[要出典]、加熱殺菌をしない「無殺菌牛乳」も存在する。 低温保持殺菌(LTLT法) 低温殺菌牛乳で使用される摂氏63度で30分間加熱殺菌する方法(実際の設定温度は摂氏65度から68度に設定されている場合が多い)。乳等省令に定められた殺菌方法であり、後述する殺菌方法についてもこの方法と同等以上の殺菌効果を有する方法であることが求められている。低温による殺菌は、タンパク質の熱変性を起こさない点が利点ともなる。 高温短時間殺菌(HTST法) 摂氏72度から78度で15秒間程度殺菌する方法。アメリカではさらにHTSTに類似した89度から100度以下で1秒以下の殺菌法をHHST (Higher-Heat Shorter Time) として定義している。LTLT法およびHTST法による牛乳は、パスチャライズド牛乳(パス乳)と称されることがある。これは、フランスの細菌学者ルイ・パスツールが開発した加熱殺菌法(パスチャライゼーション)を行った牛乳という意味である。 超高温瞬間殺菌(UHT法、UP法) 摂氏120度から135度で1秒間から3秒間殺菌する方法。耐熱性の菌もほとんど死滅する。加熱殺菌方式には水蒸気で牛乳を直接加熱する直接加熱法(インフュージョン式、インジェクション式)と間接加熱法(プレート式、チューブラー式、表面かき取り式)がある。通常の充填方法では、充填後の細菌繁殖を完全に防ぐことはできないため、未開封状態での賞味期限は冷蔵で10日間程度とされていることが多い(近年、「ESL製法」と称し、生産ラインの衛生管理を高度化することで、2週間程度まで賞味期限を延ばしたものもある)。低温保持殺菌と比較して手間がかからず賞味期限が長くなるため、日本の市販牛乳のほとんどはこの方法で処理されている。 UHT滅菌法 摂氏135度から150度で1秒間から3秒間UHT法で殺菌し、気密性の高いアルミコーティング紙パックやプラスチック容器などに無菌的に充填包装する方法。この方法によって生産された牛乳はロングライフ牛乳(LL牛乳)と呼ばれ、未開封の状態で長期間(3ヶ月間程度)常温保存可能とされている。ただし、日本ではプラスチック容器入り牛乳は、2010年(平成22年)時点では商品化されていない。2007年10月の法令改正によって牛乳の容器にペットボトルを使うことが可能になったが、同じペットボトルで販売される清涼飲料水と異なり、飲み残しの持ち歩きによる微生物繁殖のリスクや、新たな製造ラインの新設に莫大な費用がかかるためと言われている。UHT法およびUHT滅菌法では、LTLT法およびHTST法に比べ殺菌の効果・効率ともに高い。海外ではUHT牛乳といえばUHT滅菌した長期保存可能な牛乳を指す。ヨーロッパではフランス、スペイン、ポルトガルなどの牛乳消費のほとんど、ドイツ、スイス、イタリアなどでは半分ほどをUHT牛乳が占めている。 LTLT法およびHTST法では、非耐熱性の菌は基本的に死滅するが、一部の耐熱性の菌は残存するので、UHT法およびUHT滅菌法に比べ、期限表示(ほとんどが消費期限)は短め(4 - 6日程度)になる。一方で、タンパク質の熱変性は抑えられるので、牛乳本来の風味を損なうことが少ない。 LTLT法およびHTST法は、欧米の市販牛乳の主流といわれているが、殺菌工程に時間がかかることや良質の原乳が必要となるため、日本では全国規模の大手の乳業メーカはほとんど手がけておらず、農協系を中心とした地場ローカルメーカの一部商品や観光牧場で販売されている商品で、限定的に行われているだけである。ヨーロッパではイギリス、フィンランド、スウェーデン、ギリシャ、デンマークなどでの主流である。 LTLT法では、一定量の牛乳をタンク等に入れ、加温の後一定温度に保持するバッチ方式の殺菌機械が主流であるが、それ以外では細管を通しながら蒸気と熱交換する方法や、成型されたプレートの間に牛乳を流して熱交換する方法(連続方式)が採られる。また近年では、LTLT法でも熱交換方式による方法が開発されている。 UHT法およびUHT滅菌法とLTLT法およびHTST法とでは製品としての牛乳の風味に若干の差異があるが、優劣というよりは好みの問題である。また、UHT法およびUHT滅菌法では失われる栄養素がLTLT法およびHTST法では失われないとされるが、双方の成分の違いによる人体に対する影響に有意な差が存在するとした研究は存在しない。一般にUHT法およびUHT滅菌法よりLTLT法およびHTST法の方が流通まで含めれば高コストとなるため、そのコストを付加価値と思わせるための宣伝であることがほとんどである。
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殺菌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 01:48 UTC 版)
紫外線ランプは生物学研究所と医療施設で場所や道具の殺菌に使用される。市販の低圧水銀灯は 254 nm の紫外線を86%放射する。DNAの紫外線に対する吸収スペクトルは、約 265 nm と約 185 nm の2箇所にピークを持ち、この 254 nm は、その片方とよく一致する。185 nm の紫外線は、DNAへの吸収率としては良いが、空気中の酸素や、ランプに使用される石英ガラスが、185 nm に対して不透明であるため、この用途には使用されない。
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殺菌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 10:58 UTC 版)
アイスクリームミックス中の菌を殺菌するほか、乳原料中に含まれる酵素を失活させる働きもある。酵素の活性が残存していると油脂が分解されて臭いが出てくるためである。工業的にはタンクで行なうバッチ式の殺菌では冷却に時間がかかり品質の劣化が起こりやすいため、連続流通式の高温瞬間殺菌法が使用されている。
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殺菌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/20 01:04 UTC 版)
細菌類に対する最小発育阻止濃度(MIC)はO157・枯草菌で10ppm、MRSA・緑膿菌では3ppmであり、比較的低濃度で効果を発揮する。 真菌、グラム陰性菌、グラム陽性菌と幅広い殺菌スペクトルがある。
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殺菌
「殺菌」の例文・使い方・用例・文例
- この洗浄剤には殺菌作用がある
- 彼は殺菌作用のある物質について研究を続けている。
- これは加熱殺菌されている。
- この水は殺菌してある。
- この牛乳は殺菌してある。
- 殺菌灯.
- (低温)殺菌牛乳.
- 未殺菌牛乳.
- 殺菌牛乳
- 殺菌器
- 医者は、傷に殺菌剤を2、3滴たらした
- 液体の一定の流れを供給するあるいは撒き散らす、冷却、洗浄あるいは殺菌の目的で
- 食物の化学的属性を大幅に変えることなく、有害な微生物を殺す温度で、食物を部分的に殺菌すること
- ミルクを低温殺菌する
- (しばしば低空飛行の飛行機から)成長期の穀物に殺菌剤や殺虫剤や肥料を散布すること
- 殺菌剤で包帯をぬらす
- 殺菌の金融慣行
- 洗浄または殺菌によって衛生的にする
- 殺菌性の溶液に浸す
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