殺竜事件-a case of dragonslayer
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/18 03:35 UTC 版)
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『殺竜事件―a case of dragonslayer』(さつりゅうじけん)は上遠野浩平著、イラスト金子一馬担当の小説。「事件シリーズ」または「戦地調停士シリーズ」)の第一作目。講談社ノベルス刊(2000年)。
現在、「殺竜事件」「紫骸城事件」「海賊島事件」「禁涙境事件」「残酷号事件」「無傷姫事件」の六作の長編が出巻されている。
ストーリー
舞台は魔法が発達し文明が成り立った世界。戦争の調停に選ばれた地で、人類が生まれる前から存在した最強・不死身・無敵と評される絶対的存在の竜が刺殺された。戦地調停士EDはこの事件の謎を解くため1ヶ月の期限の中、仲間と共に世界に散らばる容疑者を巡る旅に出る。
登場人物
- ED(エド)
- 本名エドワース・シーズワークス・マークウィッスル。通称ED。七海連合の戦地調停士。界面干渉学という特殊な学問の先生を副業としており(趣味による部分が多い)、普段はそちら名乗っている。言葉遣いは丁寧だが誰に対しても遠慮なく興味のままに話を進め、権力者の前でもそれを押し通す強引な性格。顔の仮面は何時如何なる時も外さない。仮面の下には「我々はどこの国にも属さず生き抜く」という難民の印である「オピオン」という蛇の刺青を右目の回りに刻んでいる(4巻でその経緯について少しだけ語られる)。この難民達は、自分達の事を「オピオンの子供たち」と呼んでいる。体中の関節が外せ、難民時代に技を身につけたのではとレーゼに推測されている。
- ヒースロゥ・クリストフ
- 別名「風の騎士」と呼ばれる七海連合少佐で名を名乗るだけで軍兵が怖気づくほどの実力者。困っている人間は見逃せない性。魔法は使えないが戦士の勘は鋭く正確。1巻では魔法結界を剣撃で破壊、2巻では歴史上誰も傷すら付けることのできなかった紫骸城の正面扉を切り抜く、3巻では海洋生物最強の大海蟲を僅か三撃で撃退、5巻では最恐の剣豪レギューンを一騎打ちで押すなど常人離れした身体能力がうかがえる。EDの友人であり、レーゼとは同窓。2巻の主役フロスともレーゼとは学年違いで同窓であり仕事仲間である。EDからは「ヒース」と呼ばれている。
- レーゼ・リスカッセ
- カッタータの特務大尉で物語の語り部。常に一歩下がり遠慮気味な言動をする偉ぶらない性格。「若い女性」であることを理由に調停の立ち合い人に選ばれる。賭博の達人だが、その腕を披露することは滅多にない。3巻ではEDや海賊達から事件の主役を任せられる。年齢は作中において二十代半ば。上記の二人も同い年と思われる。ヒースロゥに特殊な感情を抱いている節がある。
特殊用語
- 戦地調停士
- 七海連合に所属する戦争を交渉で沈静化する揉め事処理のスペシャリスト。総員は23人(三作目以降は24人)で王族の数より少ない。何にも揺るがされずに常に中立の立場に立ち、自分の意見を貫き通すことができる人間が採用される。そのため全員が揃いも揃って変り者ばかりである。あくまで戦争を調停するという職務優先で動くため、戦争後の復興のことは考えないことが多い(戦地調停の代償によって衰退し滅んでしまう国もある)。
- 七海連合
- 国土なき国家と称される世界最高峰の政府組織。海賊島を除く世界全域に領土を置いている。火山噴火の際に流通を確保するための商人の集まりが組織誕生のきっかけである。2巻で同レベルの勢力を誇る魔導師ギルドを紫骸城での一件で傘下に取り込み勢力をさらに広げた。
- 界面干渉学
- この世界とは異なる世界(ブギーポップシリーズの世界)からの漂流物を調べる学問。一般への認知は無いに等しいほど低い。漂流物は戦車、拳銃、鋏、本などがあり、指切りや十字架などの文化も研究の対象にされている。EDの副業でもある。
殺竜事件-a case of dragonslayer
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 02:30 UTC 版)
「戦地調停士シリーズ」の記事における「殺竜事件-a case of dragonslayer」の解説
戦争の調停に選ばれた地―ロミアザルスで、人類が生まれる前から存在した最強・不死身・無敵と評される絶対的存在の竜が刺殺された。第一の容疑者として“死の紋章”の呪いを掛けられた戦地調停士―EDは、1か月の猶予内にこの事件の謎を解くため、ヒースロゥとレーゼと共に世界中に散らばる容疑者を訪ねて旅立つ。 月紫姫(つくしひめ) 聖ハローラン公国(聖波浪蘭公国)内外を問わず名の知れた、絶世の美姫。3作目では異母弟の公王―白鷺真君(しらさぎしんくん)の摂政。 側腹の生まれながら、その快活で芯のある性格により絶大な国民の人気を誇る美少女。1作目では、まだ幼い公王に代わり、摂政として国政を牛耳っていた真擬利根(マギトネ)将軍によりその存在を疎んじられ、事実上は塔に軟禁されている。しかしその様さえ“ハローランの高い塔に住んでいるとても美しい姫君”として伝説化するほどの、愛らしさと高雅さを兼ね備えている。竜と会見した叔父の丞之烈卿(すけのれつきょう)を訪ねて来たED達に、半年前に既に痴情のもつれから刺殺されてしまったことを告げる。 3作目ではハローランの実質的な最高指導者でありながら、シャオ(紫骸城事件の項目参照)と密かに親友であり、従姉妹の夜壬琥姫の殺害についてEDにスキラスタスの逃げ場所を教える(海賊島事件の項目参照)。 ソーニャ・ミンカフリーキィ 港町ム・マッケミートで界面干渉学のサロン(情報売買所)“水面のむこうがわ”を営むナーニャの娘。 つっけんどんな口調で水面のむこうがわの扉番を勤める、14、5歳の少女。EDが戦地調停士の初仕事として赴いた、某国の内乱で人質にされた一人であり、その折に大使であった父を亡くしている。 ナーニャ・ミンカフリーキィ 水面のむこうがわの女主人。ソーニャの母。 趣味の装飾品製作により、EDの仮面も製作しており、自身もやや小さめだが似たデザインの仮面を着用している。現在では一般人として暮らしているが、元はザイラス侯爵家(レーリヒの項目参照)出身であったため、某国の内乱でソーニャ共々人質になった際に、侯爵家の介入を恐れた夫がEDと共謀して母娘を開放した代わりに、亡くなっている。ピストルアームがお気に入りらしく、何かにつけて撃っては物を破壊している模様。 タラント・ゲオルソン 海賊島のカジノのイカサマ見張り役。3作目では海賊島の顧問役。 元メルクノース軍で参謀にまで上り詰めた魔導師だったが、権力争いに敗れて軍を追われ、海賊島に流れ着く。国家反逆罪とされているため、世界有数の治外法権地帯である海賊島を出られない。カジノの片隅で飲んだくれながら、イカサマを働く客を密告しては酒代を稼ぐ、やさぐれた日々を送っていた。1作目ではムガンドゥ三世を引っ張り出そうと、レーゼにイカサマで大勝ちを続けさせるED達一行と、ダイスによる博打勝負で対戦する。3作目では海賊島の幹部達の信任厚い顧問役であり、かつての博打勝負からレーゼへの調停要請をムガンドゥ三世に進言する。本来は軍参謀時代の経歴から国際情勢に通じ、交渉に長けた人物で、戦闘状態に対しても肝が据わっている。 イーサー・インガ・ムガンドゥ三世 海賊―ソキマ・ジェスタルスの頭領にして、海賊島を始めとした裏社会の支配者。 インガ・ムガンドゥの血を引く三代目。一見すると褐色の肌の美少年だが、実は全身に施したあらゆる暗殺から身を守るという最高の護身呪文刺青を常に印象迷彩で隠しており、ウェイターに身をやつして生活している。幼少より、三世としては“子供部屋”に身代わりを置かれ、自身は海賊島の下働きの小僧として働かされながら秘密裏に育てられる。周囲には勿論、実の両親に対しても冷淡であり、実父であるムガンドゥ二世―ニーソンの死に際においても感情に惑わされることなく、組織の継承・維持を最優先する判断を下した。世襲後も顔を晒すことなく、しかし島内全てに目を配るという裏から操る統治形態を取り、その顔を知る者はほぼ皆無。1作目では竜と会見したことで訪ねて来たED達と会談し、3作目ではスキラスタスの保護とレーゼへの調停要請を指示した。4作目では遂にその姿を世界中に明かし、5作目では“海賊王”の異名で畏怖されている。レーゼには、特別な感情を抱いている節がある。 アーナス・プラント “竜探しのアーナス”で有名な、孤高の冒険家。容疑者の一人であり、ED達一行のバットログの森への道案内役。 竜好きが高じて、日雇い仕事である程度の金を稼いでは、竜出現の噂ある所に駆け付けている冒険家。数多くの竜との遭遇経験を持つ。世界冒険者協会に加入する者は多くが高額な入会金を支払っての名誉欲からであるために快く思われていないようで、未加入ながら実際に数多くの探検に赴いているアーナスの人気は高い。そのことを鼻に掛けぬ、努力と誠実さの人。 ラルサロフ・R ここ1年以内の竜面会記録に名を残す、謎の人物。 貿易会社の一人だと許可証管理者に提出された身分は架空のもので、一つでも多くの情報を求めるED達を記載住所のバットログの森にて待ち構えていた男。手足は棒のように痩せこけ、肩幅だけが異様に広いという、ヤジロベエのような体型。北方の血が入っているのか彫りの深い顔立ちで、森には不似合いなまでに綺麗にプレスされた白銀の礼服で、捻れた丸太小屋から現れた。 マーマジャール・ティクタム “戦士の中の戦士”と呼ばれる世界最強の人物。 二つ名にふさわしい貫禄と、日に焼けた笑顔の似合う穏やかな人物。現在は戦士は廃業し、ヒギリザンサーン火山の麓にある小さな村に住んでいる。隠居した現在もその実力は健在で、戦闘能力においては現在世界最高峰の剣士であるヒースロゥ・クリストフすら遥かに凌ぐ。竜とすら対等に会話するほどに高潔な魂と、強靭な精神力、胆力を備えた存在。 若い時にヒギリザンサーン火山の大噴火により故郷を失い天涯孤独となる。その際に世界中で大凶作が起こった時の独裁者“人喰い皇帝”―メランザ・ララズロッヒを倒すべき存在か見定める為、二代目無傷姫ミリカとの面会を初め、世界中を旅して回った。最終的に彼の行いはメランザを打倒目前まで追い詰める。 その正体は、人類という群体が過酷で絶望的な環境に陥った際に誕生する、他とは隔絶した力量を持つ突然変異体「終末期の救世主」である。
※この「殺竜事件-a case of dragonslayer」の解説は、「戦地調停士シリーズ」の解説の一部です。
「殺竜事件-a case of dragonslayer」を含む「戦地調停士シリーズ」の記事については、「戦地調停士シリーズ」の概要を参照ください。
「殺竜事件-a case of dragonslayer」の例文・使い方・用例・文例
- たとえば投げられた丸太に直接ぶつかって受傷したときはtrespassを使うが、その丸太が道に落ちていたところを躓いて受傷した人はcaseを用いて請求することになる
- Microsoftがβ版をランチするのは「NetShow streaming server」で動画や音声をオンデマンドで提供する。
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 an admiral of the fleet 海軍元帥.
- 篏入的 r 音 《英音の India office /ndiərfɪs/の /r/の音》.
- =《口語》 These kind of stamps are rare. この種の[こういう]切手は珍しい.
- (英国の)運輸省. the Ministry of Education(, Science and Culture) (日本の)文部省.
- は of の誤植です.
- を off と誤植する.
- あいまい母音 《about, sofa などの /ə/》.
- 副詞的小詞 《on, in, out, over, off など》.
- 迂言的属格 《語尾変化によらず前置詞によって示す属格; たとえば Caesar's の代わりの of Caesar など》.
- çon of garlic [humor]. それにはガーリック[ユーモア]がちょっぴり必要だ.
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 the Speaker of the House of Commons 下院議長.
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 the Committee of Ways and Means 歳入委員会.
- 初めて読んだ英文小説は“The Vicar of Wakefield”
- (違法罪―a sin of commission―に対する)怠惰罪
- 『each』、『every』、『either』、『neither』、『none』が分配的、つまり集団の中の1つのものを指すのに対し、『which of the men』の『which』は分離的である
- 『hot off the press(最新情報)』は『hot(最新の)』の拡張感覚を示している
- 『Each made a list of the books that had influenced him』における制限節は、リストに載った本を制限節で定義された特定の本だけに制限する
- 臨床的鬱病を治療するのに用いられる三環系抗鬱薬(商品名ImavateとTofranil)
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