怠惰
読み方:たいだ
怠惰とは、なまけておりだらしないさまを指す言葉。「怠」も「惰」も「おこたる」という字義であり、同義語を併置した構成の語彙。
「怠惰」を英語に訳するとすれば「lazy」が訳語の第一候補に挙がる。lazy はもともと(人が)だらだらしていると形容する言葉ではある。ただし、lazy は雲や川が「ゆっくり」「おだやかに」移ろうさまを指す語でもある。必ずしも日本語的「だらだら」の否定的ニュアンスを含むとは言い切れない。
「怠惰」に関する概念としてキリスト教における「七つの大罪」が挙げられる。七つの大罪は、人間を罪に導く可能性があると見做されてきた欲や感情の総称である。具体的には、「《傲慢》の罪」「《憤怒》の罪」「《嫉妬》の罪」「《怠惰》の罪」「《強欲》の罪」「《暴食》の罪」「《色欲》の罪」の計7つで構成される。《怠惰》は、わりと消極的な姿勢であって、他の悪徳ほど有害と思えない感もあるが、必要以上の過度の休息(=怠惰)は結果的に他人の尻拭いを必要とするものであり、人に迷惑をかける振る舞いである。人がみな怠惰に過ごしたならば社会は衰退の一途をたどるに違いない。そうした意味で「怠惰」は七つの大罪の中でも上位に区分されて然るべき悪徳かもしれない。
上記に記述したように人間には休息が必要だ。週二日の休日や有給休暇が法律で定められているように、休息の必要性は誰もが理解している。しかし過度な休息はやる気を貪り、人をだらけさせてしまう。そんな快楽に苛まれた人は、まさに怠惰の典型だ。また幾度の絶望に苛まれ、何事にも希望を見いだせずに堕落してしまった人も、怠惰の典型といえよう。つまりはなにもしなくなった人こそが怠惰の典型だ。
例文。
・怠惰感に苛まれながら仕事をした結果、何もうまくいかなかった。
※怠惰感とは言わずに、倦怠感と表現することが多い。
(意味)だるい、疲れたという思いに駆られながらも仕事をしたけど、うまくはいかなかった。
・受験に失敗して以降、怠惰な生活を送っています。
(意味)受験に失敗して以降、目的もなくだらだらと生活をしている。
・せっかくの休日なのに、だらだらと怠惰な一日を過ごしてしまった。
(意味)せっかくの休日なのに、目的もなくだらだらと一日を過ごした。
・頭ごなしに命令だけを下すのは怠惰というものだ。
(命令するだけしておいて自分はなにもしない、というのはなさけない)
「怠惰」という言葉は基本、怠惰な○○と形容する際に使われ、使用場面としては「個人」「日常」「仕事」の三つに分類することができる。
個人の場合は「だらしない」「ずる賢い」といった意味合いを指すことが多く、日常の場合は「ダラダラしている」「メリハリがない」といった意味合いを、仕事の場合は「やる気のない」「怠けている」といった意味合いを指すことが多い。場合に応じて様々な意味合いをもつ「怠惰」という言葉だが、「怠惰する」というような形になることは決してないので注意してほしい。" "「怠惰」の類義語
怠惰の類義語として「熱意のない」「怠慢な」「不熱心な」という言葉が存在する。
熱意のない、不熱心なという言葉は怠惰とほど同義と考えて問題ないのだが、怠慢という言葉だけは少し意味合いが異なる。
「怠惰」という言葉は単に生活や態度がだらしないことを指し、「怠慢」という言葉は仕事や義務を疎かにすることを指す。ベッドの上でゴロゴロと怠慢に過ごしたという文は誤りだ。
「怠惰」の対義語
怠惰の対義語として「勤勉」という言葉が存在する。
勤勉というのは、仕事や学習に熱心に励むこと。またその様子を指す。
勤勉の類義語には「精進」や「苦心」といった言葉が存在し、例文としては目標達成のために精進する。苦心に苦心を重ねて夢を叶えた。などがあり、前者は目標を叶えるために必死に努力したという意味合いで、後者は苦労しながらも諦めずに努力を続け夢を叶えたという意味合いだ。いずれにせよ「怠惰」という言葉の対極に位置する向上心の高い言葉といえよう。
しかし怠惰と勤勉はまったくの正反対の意味合いをもつが故に、表裏一体だということもできる。普段は目標もなく毎日を怠惰に過ごす人も、目標を見つけたのならば勤勉な人物へと姿を変えるのかもしれない。
怠惰とは、なまけておりだらしないさまを指す言葉。「怠」も「惰」も「おこたる」という字義であり、同義語を併置した構成の語彙。
「怠惰」を英語に訳するとすれば「lazy」が訳語の第一候補に挙がる。lazy はもともと(人が)だらだらしていると形容する言葉ではある。ただし、lazy は雲や川が「ゆっくり」「おだやかに」移ろうさまを指す語でもある。必ずしも日本語的「だらだら」の否定的ニュアンスを含むとは言い切れない。
「怠惰」に関する概念としてキリスト教における「七つの大罪」が挙げられる。七つの大罪は、人間を罪に導く可能性があると見做されてきた欲や感情の総称である。具体的には、「《傲慢》の罪」「《憤怒》の罪」「《嫉妬》の罪」「《怠惰》の罪」「《強欲》の罪」「《暴食》の罪」「《色欲》の罪」の計7つで構成される。《怠惰》は、わりと消極的な姿勢であって、他の悪徳ほど有害と思えない感もあるが、必要以上の過度の休息(=怠惰)は結果的に他人の尻拭いを必要とするものであり、人に迷惑をかける振る舞いである。人がみな怠惰に過ごしたならば社会は衰退の一途をたどるに違いない。そうした意味で「怠惰」は七つの大罪の中でも上位に区分されて然るべき悪徳かもしれない。
上記に記述したように人間には休息が必要だ。週二日の休日や有給休暇が法律で定められているように、休息の必要性は誰もが理解している。しかし過度な休息はやる気を貪り、人をだらけさせてしまう。そんな快楽に苛まれた人は、まさに怠惰の典型だ。また幾度の絶望に苛まれ、何事にも希望を見いだせずに堕落してしまった人も、怠惰の典型といえよう。つまりはなにもしなくなった人こそが怠惰の典型だ。
例文。
・怠惰感に苛まれながら仕事をした結果、何もうまくいかなかった。
※怠惰感とは言わずに、倦怠感と表現することが多い。
(意味)だるい、疲れたという思いに駆られながらも仕事をしたけど、うまくはいかなかった。
・受験に失敗して以降、怠惰な生活を送っています。
(意味)受験に失敗して以降、目的もなくだらだらと生活をしている。
・せっかくの休日なのに、だらだらと怠惰な一日を過ごしてしまった。
(意味)せっかくの休日なのに、目的もなくだらだらと一日を過ごした。
・頭ごなしに命令だけを下すのは怠惰というものだ。
(命令するだけしておいて自分はなにもしない、というのはなさけない)
「怠惰」という言葉は基本、怠惰な○○と形容する際に使われ、使用場面としては「個人」「日常」「仕事」の三つに分類することができる。
個人の場合は「だらしない」「ずる賢い」といった意味合いを指すことが多く、日常の場合は「ダラダラしている」「メリハリがない」といった意味合いを、仕事の場合は「やる気のない」「怠けている」といった意味合いを指すことが多い。場合に応じて様々な意味合いをもつ「怠惰」という言葉だが、「怠惰する」というような形になることは決してないので注意してほしい。" "「怠惰」の類義語
怠惰の類義語として「熱意のない」「怠慢な」「不熱心な」という言葉が存在する。
熱意のない、不熱心なという言葉は怠惰とほど同義と考えて問題ないのだが、怠慢という言葉だけは少し意味合いが異なる。
「怠惰」という言葉は単に生活や態度がだらしないことを指し、「怠慢」という言葉は仕事や義務を疎かにすることを指す。ベッドの上でゴロゴロと怠慢に過ごしたという文は誤りだ。
「怠惰」の対義語
怠惰の対義語として「勤勉」という言葉が存在する。
勤勉というのは、仕事や学習に熱心に励むこと。またその様子を指す。
勤勉の類義語には「精進」や「苦心」といった言葉が存在し、例文としては目標達成のために精進する。苦心に苦心を重ねて夢を叶えた。などがあり、前者は目標を叶えるために必死に努力したという意味合いで、後者は苦労しながらも諦めずに努力を続け夢を叶えたという意味合いだ。いずれにせよ「怠惰」という言葉の対極に位置する向上心の高い言葉といえよう。
しかし怠惰と勤勉はまったくの正反対の意味合いをもつが故に、表裏一体だということもできる。普段は目標もなく毎日を怠惰に過ごす人も、目標を見つけたのならば勤勉な人物へと姿を変えるのかもしれない。
怠惰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/17 05:26 UTC 版)
怠惰(たいだ)とは、すべきことを怠ける様子を表す言葉である。
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- ^ Leonard Carmichael (Apr 1954), Laziness and the Scholarly Life, 78, The Scientific Monthly, pp. 208–213, JSTOR 21392
- ^ “NIMH · Schizophrenia”. nih.gov. 2019年1月16日閲覧。
- ^ http://guilfordjournals.com/doi/abs/10.1521/adhd.10.1.6.20567?journalCode=adhd==Religious views==
- ^ “Laziness: Fact or Fiction?”. 2016年11月23日閲覧。
- ^ Wemesfelder, F.
- ^ “Brain Chemicals Predict Laziness - Risk, Reward & Hard Work”. 2016年11月23日閲覧。
- ^ “「怠惰」の正しい意味と使い方!「怠惰な人」の特徴や心理とその脱出方法” (日本語). 英語部 2018年5月13日閲覧。
[続きの解説]
「怠惰」の続きの解説一覧
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- 2 怠惰の概要
品詞の分類
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