大罪司教
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 13:35 UTC 版)
「Re:ゼロから始める異世界生活」の記事における「大罪司教」の解説
嫉妬の魔女サテラを信奉する狂信者集団「魔女教」の主要メンバー。とはいえ、魔女教は組織だった存在ではないので、お互いを嫌悪している者も多く、仲間割れすることすらある。「嫉妬」以外の大罪の「魔女因子」と呼ばれるモノを取り込んでおり、それに対応した権能を使うことができる。 『怠惰』 ペテルギウス・ロマネコンティ(ジュース) 声 - 松岡禎丞 濃い緑の髪をうなじ辺りで切り揃えた、痩せぎすの男。興奮すると自らの指を噛み砕くなどの自傷行為を躊躇なく行い、気の触れた素振りと物言いをする狂人。「脳が震える」が口癖。魔女教創設者の1人であり、嫉妬の魔女サテラの狂信者。これまで少なくとも数百年を生きてきた。 その名に冠した『怠惰』が全く似つかわしくないほどに「勤勉であること」をなによりも尊んでおり、その身に携えた福音書の記述どおりに行動することで魔女の寵愛に応えることを至上の悦びとしている。大罪司教の中でもっとも出現頻度が高く、かつもっとも危険な存在として人々に恐れられる。 怠惰の魔女因子の権能は『見えざる手』と『怠惰』。 『見えざる手』は文字通り不可視の手を自在に操るというもので、同時に数十本も出せるうえに射程も長く、人体を容易に引きちぎってしまうほどの膂力を持つ。しかし、なぜかスバルだけはこの『見えざる手』を目視することができる。また、目視はできないが物質的には実体を持つため、砂などの粉末状のものを空中に撒き散らし、手に触れた砂の動きを観察することである程度手の動きを捕捉することは可能。『怠惰』は、精霊との親和性が低い者を一時的に狂わせ、戦闘不能にすることができる能力。 その正体は邪精霊であり、肉体は彼に乗っ取られたものである。現在の肉体が生命活動を維持できなくなると、「指先」と呼ぶ適合する肉体のストックか、周囲で条件に合致する人間と一方的な契約を結ぶことで、新たな肉体に乗り移ってきた。その出自ゆえに肉体を通して得られる五感全てを快感としており、生の実感が強く味わえるという理由から痛覚を刺激することを特に好む。 幾度となくスバルを死に追いやり苦しめたが、死に戻りによって対抗策を講じられたことで敗北、死亡した。 100年前は魔女教の穏健派筆頭であり、理性的で落ち着いた物腰の人格者だった。エミリアとその叔母にして養母でもあるフォルトナとも仲睦まじく、彼女らからは「ジュース」という愛称で呼ばれた。特にエミリアへの想いには並々ならぬものがあり、彼女の前ではしばしば感極まって落涙する姿を見せた。フリューゲルとも面識があるらしく、怠惰の魔女因子を取り込む際に許しを乞うている。エルフの森がパンドラとレグルスに襲撃された際、エミリアたちを護るため、自らに適性がないにも関わらず怠惰の魔女因子を取り込み、身体が崩壊するのも厭わずに立ち向かう。しかしパンドラの策に嵌って敬愛するフォルトナを自ら殺害したことで正気を失い、魔女への愛に狂った狂人へと変貌した。 スバルに倒されたあともペテルギウスの意識は魔女因子(見えざる手)の中に微かに残留しているようで、それがエミリアを救い、レグルスを打倒する一助となったことが仄めかされている。ジュースと大罪司教のペテルギウスが同一人物であることをスバルやエミリアが知っている描写は無い。指先 声 - 日笠陽子(女狂人)、金元寿子(短髪女狂人)、飛田展男(中年狂人) ペテルギウスの腹心にして、彼の予備の肉体となる魔女教徒たち。 100年前にも存在していたが、当時の指先は正気だった頃のペテルギウスと志を同じくする穏健派の教徒であり、彼への信頼と忠節によって自らの肉体を託していた。 『暴食』 / 『美食家』 ライ・バテンカイトス / 『悪食』 ロイ・アルファルド / 『飽食』 ルイ・アルネブ 声 - 河西健吾(ライ) 3人分の人格(意識)を持つ大罪司教。長く伸ばした焦げ茶色のざんばら髪が特徴で、全身に負った無数の傷跡を隠すようにボロ布を纏った、貧相で小柄な少年。スバルが『記憶の回廊』で出会ったルイは金髪で青い瞳の少女の姿をしていた。各人格は一人称が「僕たち」と「俺たち」で一定しない(両方を同時に使うこともある)、自らの「食事」に強い拘りを持つなど、いくつかの共通した特徴を持ち、各人格は兄妹関係にあることが示唆されているが、詳細は不明。なおルイは女性の人格であるため、一人称も「私たち」「あたしたち」となっている。 暴食の魔女因子の権能により、他者の「名前」と「記憶」を喰らい、その技能や知識を自らのものとすることができる。加えてルイは「日食」という能力を使用することで、その肉体まで完全に再現(変身)することが可能。また名前を食われた被害者は他の人間からその存在を忘れられるだけでなく、過去の記録や出来事なども辻褄合わせが行われ、最初から存在しなかったかのように世界規模で修正されてしまう。名前と記憶の両方を食われた場合、被害者の意識が失われ昏睡状態に陥る。このように白鯨の「消滅の霧」と似た特性を持つが、被害者の肉体が残される点で異なる。また権能を行使するには対象の本名を知る必要があるが、権能によって得た知識により間接的に本名を知ることもできるため、たとえ戦闘に際して本名を隠しても、芋づる式に名前が割れてしまう可能性も高い。また魔女因子がダフネに由来することから白鯨を従わせることが可能で、ペットのように使役している。 『強欲』 レグルス・コルニアス 声 - 石田彰 長くも短くもない白髪で、華美でも貧相でもない服装に平凡な顔立ちの青年。権能の力によって少なくとも100年以上同じ姿を保っている。 長々とした持論を開陳することを好む饒舌な人物で、専ら自らの無欲さを説き、平和主義を標榜する。しかしその実態はスバル曰く「承認欲求と自己顕示欲の権化」であり、自らの言動を棚上げあるいは正当化して相対した者への批判を一方的に展開するため、その弁舌は多くの者に嫌悪感を抱かせる。また僅かでも自分の意に沿わぬ言動に対しては、どんなに些細なことでも難癖じみた言いがかりをつけて「権利を侵害された」として激昂し、躊躇なく殺害する。女性に対しては「女は顔が全て」と豪語するほどの極度の面食いであり、中でも処女のみを好む。そのような「妻」を多数娶っているが、妻たちには常に無表情でいるよう指示し、本来の名前を捨てさせて番号で呼び、些細なことで殺してしまうなど、愛情はそこにはなく、また肉体関係を持つこともない。もともと承認欲求と自己顕示欲の強い歪んだ性質を持ってはいたが、強欲の権能を手に入れたことでその性質が矯正されないまま欲求と虚栄心を肥大化させ、取り返しのつかないほどの欠落を抱えた人格が完成してしまった。自らを「最も完成された個として確立した存在」と称して自分を特別視し、自分以外の存在を認めておらず、基本的に他人は自分の欲求や虚栄心を満たすための存在でしかない。しかし、上記の強すぎる承認欲求と自己顕示欲から他人の存在を無視することができず、自分の嫌なことや不都合なことはどんな些細なことであっても受け入れられず、自分以外の何かのせいにして不平不満を言う小物。特に他人から見下されたり、「憐れまれた」と感じることに耐えられず、他人から受ける善意や優しさですら憐れみとしか感じず、自分に関する批評は良いものでも悪いものでも受け入れることができないなど、常に他人からの評価に怯えており、他人に自分の心に踏み込まれることを恐れるあまり他人との繋がりを根本から認めていない。そのため相対した相手や自分を批判する人間に対して圧倒的に優位な立場から屈服させ、自分の優位性を証明せずにはいられない。上記の大勢の妻たちも後述の『小さな王』の権能による自分の心臓のスペアとして利用するのが目的だが、同時に妻帯者でないことを蔑まれるのを嫌って体裁を整えたものであり、他人との関りへの嫌悪から肉体関係を持つことも忌避しており、笑顔を禁じて無表情を強いるのも「嗤われる」のが嫌なため。 もともとはとある国の中の村にある貧しい家庭に生まれたが、自分の境遇への不満を自分の家族を含めた周囲のせいにし、彼らから受けた優しささえも唾棄しており、強欲の権能を手にしたときに家族、村だけでなく、町や国すべてを皆殺しにした過去を持つ。 強欲の魔女因子の権能は『獅子の心臓』と『小さな王』。『獅子の心臓』は、自分と自分に触れた任意の対象の時間を停止させ、その状態を固定することで、あらゆる攻撃を受け付けず、同時に決して防ぐことのできない攻撃手段とするもの。攻防一体にして事実上「無敵」の権能であるが、発動中は自らの心臓が停止してしまうという欠点を持つため、持続は数秒間が限界となる。 もう一つの『小さな王』は、指定した他人の心臓に自分の心臓を「重ねる」という権能で、心停止による持続時間の制限なしに『獅子の心臓』を発動することを可能とする。心臓を指定できる条件は不明だが、彼は自らの妻たちとエミリアを指定していた。レグルス自身の戦闘技術は完全に素人そのものだが、その権能により大罪司教の中でもトップクラスの強さを誇り、要塞都市をたった1人で攻め落としたなどの逸話を持つ。 その圧倒的な力でラインハルトとも渡り合ったが、レグルスの強さは完全に権能に依存するもので、戦闘技術だけでなく、戦術や戦略を練ることもできず、大きすぎる虚栄心と強すぎる権能から圧倒的優位な立場から勝つという方法しかできない。そのため少しでも優位性が崩れたりするとあっさり勝負を投げて不平不満や身勝手な屁理屈で相手を罵倒したり、権能だけでは切り抜けられない状況では何も出来なくなる。 スバルとの対決において、妻たちをエミリアの手でコールドスリープさせられ、またエミリアに重ねられた彼の疑似心臓もスバルの『見えざる手』で破壊されたため、権能の万能性が崩れ去り、最後はラインハルトの手によって地の底に叩き込まれ、途中で権能の効果が切れたことで土中で衝撃により体が圧し潰され、地上から流れ込んできた水の中で溺死した。 かつてパンドラと共にエリオール大森林を襲撃したときに自身に激しく抵抗されたことからペテルギウスのことを見下しており、スバルに殺される際には彼の中に居座るペテルギウスを感じ取り、彼に殺されることに激情を露わにした。 『憤怒』 シリウス・ロマネコンティ 身体中に包帯を巻き、手には鎖を巻きつけ、機械のような声で話す女怪人。「憤怒」などいらないと主張し、皆が1つになって喜びを分かち合うよう主張する。ペテルギウスの妻を名乗っているが、実際はシリウスが一方的に慕っているだけであり、ペテルギウスとろくに口を利いたことさえなかったようで、家名であるロマネコンティも自称。スバルの中にある怠惰の魔女因子を察知し、スバルにペテルギウスが乗り移っていると信じ込む。反対に魔女教徒であるにもかかわらず、ペテルギウスが執心している嫉妬の魔女に対して並々ならぬ憎悪を抱いており、同じハーフエルフであるエミリアやペテルギウスと同じ精霊の女であるベアトリスに対して憤怒を抱き、普段の取り繕った態度から一転、汚い言葉で罵倒し殺そうとした。 憤怒の権能により、効果範囲内にいる人間の感情・外傷を強制的に共有させることができる。応用として、2人以上の人間の感情を同時に共有させてこれを増幅させる(本編では恐怖の増幅によりスバルを狂死させた)ことができるほか、シリウス自身の感情を共有させることで擬似的な洗脳技としても機能する。また、シリウスが受けたダメージはそのまま周囲の人間に拡散されてしまうため、多くの観衆がいる状況では人質として絶大なアドバンテージを生む。戦闘においては両手の鎖を得物として自在に操るほか、そこから炎を発して攻撃することもでき、単純な戦闘力もそれなりにある。 プリシラとの戦いでリリアナの歌により自分の権能の支配下にあった人々の心を奪い返され激昂するも強固な自己でシリウスの権能を拒絶するプリシラに敗れ王国に囚われる。 『色欲』 カペラ・エメラダ・ルグニカ 他の人間をクズ肉呼ばわりして見下し、下品な言葉でこき下ろす悪辣な性格の少女。かつてのルグニカ王女の名を名乗っているが、その正体は未だ不明。 色欲の権能の効果は変異と変貌。様々な人間を擬するのはもちろん、不定形のスライムや巨大な黒竜にまで自由自在に化けることができ、また他人を変貌させることもできる。怪我を負ってもその能力で即座に修復することができ、戦闘力も高い。人間の愛は所詮見目の美しさによるものだと嘯き、姿形の変わる自分は全人類に愛されることができる存在であるとする。それに同意しなかったプリステラ都市庁舎の人間を蠅に変貌させた。 自らの血に「龍の血」が混じっていると話し、その血をかけられたクルシュは侵食を受け醜く変貌し、スバルの右足は傷口が塞がれ治癒した。
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七つの大罪のうち嫉妬以外の6つをその名を冠している、魔女教の幹部。「魔女因子」と呼ばれるものを持っており、それによって魔法、呪術、加護とも異なる『権能』と呼称される能力を操る。地球における星と関連した名前を持ち、その星に関する逸話と魔女因子の権能との間に何らかの関連性があることが示唆されている。なお当代の『傲慢』担当は空席となっているが、ペテルギウスがスバルのことを『傲慢』ではないかと疑ったことがあり、またIFの世界を描いた短編『ゼロカラアヤマツイセカイセイカツ』では実際にスバルが『傲慢』を名乗っている。
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