侵食とは? わかりやすく解説

しん‐しょく【侵食/侵×蝕】

読み方:しんしょく

[名](スル)

他の領域をしだいにおかし、損なうこと。「他国市場を—する」

浸食」に同じ。


しん‐しょく【浸食/浸×蝕】

読み方:しんしょく

[名](スル)流水雨水海水・風・氷河などが地表岩石土壌削り取ること。また、その作用。「波が岩を—する」

[補説] 「侵食」とも書く。


浸透・侵食 (しんとう・しんしょく)

浸透については、河川水位高くなると川側から堤防内に向かって浸透流という水の流れ発生します。この浸透流により、堤体土砂堤防断面から湧出すると、その箇所泥状となって土砂流れ危険な状態なります。侵食とは、洪水流れにより土砂洗い流されることを言います

侵食

作者阿久根想一

収載図書方舟建造計画
出版社彩図社
刊行年月2000.11
シリーズ名ぶんりき文庫


侵食

作者飯野文彦

収載図書恐怖症異形コレクション
出版社光文社
刊行年月2002.5


侵食

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/27 14:46 UTC 版)

地球科学の未解決問題
NegevWadi -2009-

侵食(しんしょく、侵蝕ともerosion)は、などの外的営力により岩石地層が削られること。浸食浸蝕)と表記する場合もあるが、水に「浸る」とは限らないため、学術的には侵食の表記を用いる[2]

水の場合は雨水およびそれが流れたものから河川の流れ、氷河などが原因(scoring)。水流そのものによって物理的侵食をする場合を「洗掘」、長時間にわたって堅い岩盤などが摩耗されることを「磨食」と区別することもある。

風の場合は風そのもののほか、風で飛ばされてくる砂粒によって削られる(サンドブラスト状態)ことも多い。これは風食(deflation)と呼ばれることもある。また、貝類ウニなどによって石灰岩などが侵食されることを生物侵食(bioerosion)という。

河川プロセスにおける侵食 

河川の物理的侵食作用

下刻作用(下方侵食)
河床を掘り下げる作用。下刻がおこると、河床が低下し下流側の勾配が小さくなり、流れの運搬・侵食力が低下する[3]
側刻作用(側方侵食)
横に向かって河岸を削り、川幅を広げる作用。河床勾配の変化はおこさず、荷重の供給量を増加させ、侵食余力(運搬力の余剰分)を少なくする[3][注釈 1]
谷頭侵食(頭方侵食・頭部侵食・後退侵食)
河谷の最上流部において[5]、地中のパイプの天井崩落やパイプ流出口の侵食などにより河道を上流側へと伸ばす作用。侵食は斜面の基部付近で地中流が噴出した地点や、地中のパイプが地表に露出した地点で発生しやすい。湿潤地域の河道は、こうした地下水や側方浸透流からの湧水出口のサッピング(地下水流による侵食)によって形成される。[6]

河床の形態別による侵食作用

河床岩盤からなる河川岩床河川(岩盤河川とも)、堆積作用による沖積層からなる河川を沖積河川というが、河川の侵食は、これら河床の形態によって大きく異なる[7]

(1)岩床河川の侵食

溶食
河床の岩盤に河川水が接触して、岩盤中の岩石鉱物が溶解されること。特に石灰岩のような炭酸塩岩で顕著であり、炭酸が岩石を溶解し、溶流として運搬する[7]
磨耗(削磨・磨食とも)
河川水が岩盤を研磨したり削り取ったりすること。流水中を運搬される砂礫が、河床に衝突したり引きずられたりすることで生じるのが一般的であり、河床を削り込むことにもっとも強く関与する。磨耗速度は、岩盤の強度や運搬される砂礫の特性・砂礫の運動エネルギーなどが関与する。大量の砂礫を運搬する洪水時に磨耗が大きくなりやすい[7]が、岩屑量が河川の運搬能力以上に多いと、むしろ岩盤が覆い隠され侵食は生じない[5]
磨滅
砂礫が河床の衝突で削れたり磨かれること。あるいは、砂礫どうしの衝突や摩擦で細粒になったり円磨されたりする作用。岩床河川の甌穴はこの作用によるものである[7]
プラッキング
岩盤の割れ目から剥離される現象で、岩盤に層理面や節理面などの割れ目が多いと起こりやすい[5]
キャビテーション(空洞現象)
高速な流水下の局所的な圧力低下とその復元により岩盤が破壊される現象。ダムの放水口やなど、流速が特に大きい場所に限って生じる[5]。ただし、室内実験による検証では、岩盤河床における影響はほとんどないとの報告もある[8]

(2)沖積河川の侵食

沖積河川のある区間での侵食・堆積は、区間に流入する土砂と流出する土砂のバランス(土砂収支)できまる[8]

デグラデーション(減傾斜作用)
土砂の流出量が流入量を上回り、河床が侵食されて低下すること。例えば、ダム建設によりダムに土砂が堆積する一方、下流側では河床が侵食される例が挙げられる。逆に流入量が上回り河床が上昇することは、アグラデーション(増傾斜作用)と呼ばれ、上流部の侵食やマスムーブメント採鉱など人為的活動などが要因となる[8]
洗掘
洪水時に河床が大きく侵食されること。逆に、河床に堆積して凹地が埋められることを埋積という[8]

侵食によってできた地形の例

グランドキャニオン(アメリカ合衆国)
地殻変動により隆起した地層がコロラド川によって削られ、平坦な高原に断崖が切り込む現在の地形となっている。
カッパドキア(トルコ)
凝灰岩が雨によって侵食され、残った部分が円錐形 - キノコ型の奇岩群となっている。
桂林(中華人民共和国)
石灰岩が雨水によって化学的に溶解し(侵食の一種で溶食という)、大規模なカルスト地形となっている。

脚注

注釈

  1. ^ ただし、蛇行河川での側刻は、その部分の流路の長さを増し、勾配と運搬力を減少させる効果がある[4]

出典

関連項目

参考文献


侵食

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/16 06:20 UTC 版)

表面流出」の記事における「侵食」の解説

表面流出地球表面の侵食の原因1つである。農作物生産性減退は侵食が生じるが、土壌保全分野学ばれている。4つ典型的な侵食があり、雨滴侵食・ガリー侵食・表層侵食(面状侵食)・河底浸食である。雨滴侵食は、土壌表層に繋がる雨滴力学的衝突結果であり、土の粒子表面流出容体の中を漂う。ガリー侵食は、土壌中を帯状に削るほど強い流れのときに発生するが、1cmの溝であることもあれば、数mの川であることもある。表層侵食は、はっきりとした溝を持たない流路で、地表運搬をする。2つのタイプ流路とも相当量堆積物その他の水質汚染物質を運ぶ。ガリー侵食の場合かなりの量の物質が、一時的な増水運ばれる河底浸食は、河やクリーク早い流れにおける、川岸河底磨耗である。 流路運ばれる土の粒子さまざまなサイズ持ち直径0.01–1.0mmである。より大きな粒子少な輸送距離で沈殿堆積するが、微粒子水中漂って長距離を動くことができる。こういう理由で、濁度生み出し光透過率減じるのは微粒子シルト質土であり、水の生態系混乱させる状況である。 世界規模現代の侵食土壌喪失の主要の原因は、熱帯雨林焼畑農業から生じる。大地表面全体植生剥ぎ取られ有機体全て焼き払われたならば、土の表面は、風化水の浸食に傷つきやすい。地球数多くの国で、全ての地域生産性なくなっている。国の陸地10パーセント程度構成するマダガスカル高地中央部では、実質的に陸地全体植生に対して不毛で、そこにはおおよそ奥行き50m、幅100kmを超えるガリー侵食溝帯がある。世界のある地域には、移動農耕焼畑農業組み合わせて営農組織となっている。侵食は、肥沃な表土損失し、沃土減退させ、農業生産性の質をも後退させる

※この「侵食」の解説は、「表面流出」の解説の一部です。
「侵食」を含む「表面流出」の記事については、「表面流出」の概要を参照ください。

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侵食

出典:『Wiktionary』 (2021/08/14 00:59 UTC 版)

名詞

しんしょく侵蝕」の「同音の漢字による書きかえ」)

  1. 他人領地徐々に侵し損なうこと。
  2. や風などが陸地岩石次第に削り取っていくこと。

発音(?)

し↗んしょく

動詞

活用

サ行変格活用
侵食-する

「侵食」の例文・使い方・用例・文例

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