侵食基準面とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 地理 > 地図 > 基準面 > 侵食基準面の意味・解説 

侵食基準面

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/23 23:10 UTC 版)

死海の湖水面が低下したことで、死海に注ぐワジによる開析が始まった状況

侵食基準面(しんしょくきじゅんめん、英:Base level)とは、河川侵食作用が及ぶ限界の高さである。

河川による侵食作用が続けば、地面が削られてその場所の高さは徐々に低くなっていくが、その地域で水が流れる事の出来る最低の高さよりも低くなることはあり得ない。この流水による侵食が働き得る限界の高さを侵食基準面という。

狭い地域、短期間の侵食現象について考えるならば、その地域の最大の河川の河床(川底)や湖沼水面が侵食基準面となるが、広い地域、長期間の侵食現象を考えるならば、海面が侵食基準面となる。

広域的・長期的な侵食基準面となる海面の高さは、気候変動の影響を受けて過去に何度も変動を繰り返してきた(海水準変動)。寒冷で氷河が広がる氷期には上に氷河という形で水が蓄積されるため海水が減り、そのため海面が下がる(海退)。一方、温暖で氷河が縮小する間氷期には、その逆の理由で海面が上がる(海進)。ヨーロッパの研究によれば、第四紀に入って以降、古い順に、ビーバー氷期、ドナウ氷期、ギュンツ氷期、ミンデル氷期、リス氷期、ビュルム氷期という6つの氷期があった事が分かっている。

氷期・間氷期の繰り返しによって、侵食基準面が変動を繰り返したことは、全世界における地形形成に影響を与えた。侵食基準面が変化すると、土地を削る水の流れ方が変化し、河川の侵食作用の強さが変化する。この事によって河岸段丘(河成段丘)が形成される。

関連項目

参考文献

  • 熊木洋太、鈴木美和子、小原昇/技術者のための地形学入門/山海堂(1995)




侵食基準面と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「侵食基準面」の関連用語

侵食基準面のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



侵食基準面のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの侵食基準面 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS