海底谷とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 地理 > 地形 > > 海底谷の意味・解説 

かいてい‐こく【海底谷】

読み方:かいていこく

大陸斜面を刻む深い谷。主に乱泥流による浸食によってできる。広く大陸棚にあるものもいう。海谷


海底谷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/08 17:11 UTC 版)

ロサンゼルス沖のサン・ガブリエルおよびニューポート海底谷の鳥瞰陰影起伏図。

海底谷(かいていこく、submarine canyon)とは、海底大陸斜面に存在する渓谷である。海底谷は一般に大陸からの大河川の延長として海底へ連続的に伸び、最大距離数百km深度1kmに及ぶ。

成因

1960年代までは、沈水説が根強かったが、1970年代以後は乱泥流説を海底谷の本質的な成因とする考えが支持されている[1]

沈水説

海底谷は、海面が現在よりも低く、河川が大陸棚の端に流れ出ることができた時代、すなわち地上にあるときに河の流れによって侵食され、その後に沈降したとする説である。

この理論は、氷期の海面が低い時代に地表であった地域(多くの渓谷が大河の沿岸部に発見される)に海底谷を見ることができることから支持されている。一方、海面下3,000mの斜面にも海底谷が確認できるが、海面の高さは、地球の大陸形成史において数千mも変動したとは考えられず、このような深海の谷の形成について説明することができない。

なお、ほとんどの地質学者は支持しないが、星野通平らは白亜紀以降に地球膨張し、結果的に海面も数千m上昇したという仮説(地球膨張説)を唱えた[2]

乱泥流説

海底地すべりによって発生した海中の乱泥流(タービダイト)により削られたとする説である。つまり、密度が濃い堆積物が、地震などのきっかけにより、侵食しながら大陸棚を流れ落ち、谷を形成する。

しかしながら、堆積物重力流のみに本質的な成因を求めることには無理があるとする研究者もいる[1]。なお、富山深海長谷などは乱泥流説と考えられている[3]

海底谷の例

脚注

  1. ^ a b 嶋村清「改訂「日本列島海底谷系図」-海底谷の地形的特徴と問題点-」『地質学雑誌』第114巻第11号、日本地質学会、2008年、560-576頁、doi:10.5575/geosoc.114.560 
  2. ^ 星野通平"深海掘削計画(DSDP)の成果,青木斌・三沢良文・石川政憲,号外海洋科学,vol.1, no.1, 193-203, 1978"に対する反論」『地球科学』第34巻第1号、地学団体研究会、1980年、41-46頁、doi:10.15080/agcjchikyukagaku.34.1_41 
  3. ^ 産業技術総合研究所富山大学理学部「富山深海海底谷最下流部の海底地形」(PDF)『歴史地震』第18号、歴史地震研究会(静岡大学)、2002年12月27日、221-225頁、NAID 400058222082017年11月28日閲覧 

関連項目

外部リンク


海底谷(canyon)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 05:48 UTC 版)

海底」の記事における「海底谷(canyon)」の解説

比較狭くて深いくぼみで、両側急な斜面をなす。底が一般に連続性のある傾斜をなし、大陸斜面特徴的に発達する

※この「海底谷(canyon)」の解説は、「海底」の解説の一部です。
「海底谷(canyon)」を含む「海底」の記事については、「海底」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「海底谷」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「海底谷」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



海底谷と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「海底谷」の関連用語

海底谷のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



海底谷のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの海底谷 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの海底 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS