氷河湖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/30 01:46 UTC 版)
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氷河湖(ひょうがこ、英語: glacial lake)とは、氷河および氷河作用に関係し形成された湖のことである[1]。
氷河湖とは、氷河の侵食作用や堆積作用、あるいは氷河の融解水の集積によって形成された湖沼の総称である。主に寒冷地域や高山帯に分布し、氷期の進行および後退に伴って形成される。
分類
氷河湖には、氷河消耗域表面の融解により形成されたもの、氷河前面に形成され氷河の氷体と接することで形成されたもの(氷河前縁湖)、氷河の前進時に河川をせき止めることで形成されたものなどがある[2]。
形成メカニズム
氷河湖は、氷河の侵食作用、堆積作用、ならびに融解水の集積など、複数の形成過程によって生じる。主な形成型は以下の3つに分類される。
氷食湖(侵食型)は、氷河の移動に伴う強力な侵食作用によって岩盤が削られ、形成された凹地に水が溜まることで生じる湖沼である。一般に規模が大きく、水深も深い。代表例として、フィンランドの湖沼群、北アメリカの五大湖、シベリアのバイカル湖などが挙げられる。
モレーン堰止湖(堆積型)は、氷河が運搬・堆積した土砂や岩屑(モレーン)が谷をせき止めることで形成される湖沼である。氷河の後退に伴って形成される例が多く、山岳地域に多数分布する。
融氷水湖は、氷河の融解水が低地や凹地に集積して形成される湖沼であり、氷期の末期や氷河後退期に多く出現する。短命な湖沼となる場合も多いが、大規模なものでは長期間存続することもある。
分布
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日本にはU字谷に淡水が入り込んでできた氷河湖の例はない(氷河によって運ばれた岩石(モレーン)によってせき止められた湖としては豊似湖がある)が、ヨーロッパやアメリカ大陸などには氷河湖が多く存在し、代表的なものにボーデン湖などがある。アメリカ大陸の五大湖も全て氷河湖である。
災害
氷河前縁湖において、モレーンが決壊し洪水や土石流が発生することがあり、これを氷河湖決壊洪水という[2]。
ヒマラヤ山脈では、多くの氷河湖が形成され、地球温暖化の影響で夏に雪が降らず、雨が降ることにより、氷河が縮小し、氷河湖の貯水量が増える傾向があると指摘されており、その危険性が指摘されている。
東ネパールのイムジャ氷河のイムジャ湖は最も決壊の危険性が大きい湖として、警戒されている。
雪食湖と氷食湖の違い
雪食湖と氷食湖はいずれも寒冷地域や高山帯に形成される湖沼であるが、形成要因および規模に明確な違いがある。
雪食湖は、長期間残留する雪田や万年雪の融解水による侵食作用(雪食)によって形成される小規模な湖沼であり、主に高山帯に分布する。湖盆は浅く、面積も小さいことが多く、融雪期にのみ水が溜まる季節湖として存在する場合が多い。生態系は未発達で、魚類が定着することはほとんどない。
一方、氷食湖は、氷河の移動に伴う強力な侵食作用によって岩盤が削られることで形成される湖沼であり、一般に規模が大きく、水深も深い。長期間にわたって安定した湖沼環境が維持されるため、生態系が発達し、魚類を含む多様な水生生物の生息地となることが多い。氷食湖は氷河湖の一種に分類される。
このように、雪食湖と氷食湖は、形成過程、規模、生態学的特性のいずれにおいても大きく異なっている。
雪食湖・氷食湖との関係
- 氷河湖:総称
- 氷食湖:侵食型
- 堆積型氷河湖(モレーン湖)
- 融氷水湖
- 雪食湖:別分類(氷河ではなく雪田起源)
脚注
参考文献
- 岩田修二『氷河地形学』東京大学出版会、2011年。ISBN 978-4-13-060756-8。
- 中野尊正、式正英『新版 地形の教室』古今書院、1986年5月。
- 松倉公憲『地形学』朝倉書店、2021年。 ISBN 978-4-254-16077-2。
氷河湖(氷食湖)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 21:56 UTC 版)
かつて氷河が侵食して形成された窪地に、その後の温暖化によって氷河が消えて残された湖である。五大湖のような大規模な湖も存在する。
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