東京大学出版会とは? わかりやすく解説

東京大学出版会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/20 02:50 UTC 版)

東京大学出版会
正式名称 一般財団法人東京大学出版会
英文名称 University of Tokyo Press[注釈 1]
前身 財団法人東京大学出版会(2012年10月まで)[1]
現況 事業継続中
出版者記号 13
取次コード 5149
法人番号 9010005004251
設立日 1951年3月1日[2]
代表者 理事長: 中島隆博東京大学東洋文化研究所教授)[2][注釈 2]
本社郵便番号 113-0033
本社所在地 東京都文京区本郷7丁目3番1号 東大構内[3][注釈 3]
事業所郵便番号: 153-0041
事業所所在地:
東京都目黒区駒場4丁目5番29号[3]
北緯35度39分37.0秒 東経139度40分43.4秒 / 北緯35.660278度 東経139.678722度 / 35.660278; 139.678722
資本金 基金: 3億8229万円(2025年9月期)[2][注釈 4]
従業員数 31人(2025年12月1日現在)[2]
決算期 毎年9月30日
ネット販売 有り
定期刊行物 『UP』
関係する人物 東京大学総長 藤井輝夫(本出版会の会長[2][注釈 2]
大学出版部協会理事長 橋元博樹(本出版会の専務理事[4]
外部リンク www.utp.or.jp
Twitter 東京大学出版会 (@UT_Press) - X(旧Twitter)
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一般財団法人東京大学出版会(とうきょうだいがくしゅっぱんかい、英語: University of Tokyo Press[注釈 1])は、東京大学出版部に当たる法人東京大学総長を会長とし[注釈 2]、東京大学の活動に対応した書籍の出版を主に行う。1951年3月設立当時は任意団体であり、同年12月14日に財団法人東京大学出版会として認可されたのち1952年1月30日に登記を完了して法人格を取得し[5]2012年10月より一般財団法人へ移行した[1]。2026年3月1日をもって創立75周年を迎えた[4]

概要

  • 1951年3月に、当時の東京大学総長南原繁の発案によって、日本国立大学で最初の大学出版部として設立された[2]。設立趣意書に「学問の普及、学術の振興」[6]を目的に掲げ[注釈 5]、以来、大学の研究成果に基づく学術書、学内向けの教科書・教材、東京大学史料編纂所編纂の『大日本史料』等の史料集、一般向けの教養書を主として、年間百数十点を刊行している。東京大学教養学部の「基礎演習」のテキストとしても使用している『知の技法』はベストセラーとなった。
  • 1963年度に「学術書刊行基金」を設置し[7]、若手研究者による研究成果の刊行に対し助成を行っている。
  • 理事を学部や研究所から迎えるなど東京大学本体との関係は深いが、独立した組織となっている[2]
  • 月一回『UP』というタイトルのPR誌を発行している[8]
  • 2011年に創立60周年を記念し「『学問の入り口』フェア――知のチカラ×未知のチカラ」を開催する[9]など、学術分野への貢献も高い。
  • 2013年10月15日より東京大学の本郷地区キャンパス整備計画に則り、駒場(東京大学キャンパス外)へ移転した[10]
  • 2020年一般社団法人出版梓会の第36回出版文化賞を受賞。一貫して良書を出版してきたことに加え、2011年に創設した「東京大学南原繁記念出版賞」の活動が評価された[11]
  • 1977年3月に東京大学出版会はアメリカ大学出版協会(AAUP, 現:AUPresses)の正会員となった[12]。今日でも、日本の大学出版局(部)の中で AUPresses に加盟する唯一の団体である[13]

所在地

東京大学南原繁記念出版賞

東京大学南原繁記念出版賞は、優れた論文を書籍として世に出すために東京大学出版会が設ける賞である。東京大学出版会創立60周年を機に2011年平成23年)に創設された。賞名は元東京大学総長であり、東京大学出版会の創設者(初代会長[5])でもある南原繁の名前にちなむ[14][15]

応募対象となる論文は、以下の4要件を全て満たすものに限られる(第17回募集時の規定)[15]

  1. 東京大学の専任の教授・准教授、または同大学退職後5年未満の元教授の推薦による論文(第1回においては教授と准教授のみ[14]
  2. 未発表で書き下ろしの、またはそれに準ずる論文
  3. 個人による学術的著作として第1作にあたる論文
  4. 1冊の書籍として出版が可能な適当な分量の論文

特に上記の3.の要件から、賞自体も若手研究者の新人賞的な位置づけになっている。

受賞作品

すでに書籍として刊行されているものは受賞作に続いて一段下げて示す[15]

  • 第1回(2011年)『ロシアとパレスチナを繋いだ想像力――シオニズムの歴史社会学』- 鶴見太郎
    • 『ロシア・シオニズムの想像力――ユダヤ人・帝国・パレスチナ』ISBN 978-4-13-016032-2
  • 第2回(2012年)『プロイセン東アジア遠征と幕末外交』- 福岡万里子
  • 第3回(2013年)『エマニュエル・レヴィナスと「場所」の倫理』- 藤岡俊博
  • 第3回(2013年)『天体建築論――イワン・レオニドフと紙上の建築プロジェクト』- 本田晃子
  • 第4回(2014年)『明治維新期の貨幣経済』- 小林延人
  • 第5回(2015年)『近世日本の「礼楽」と「修辞」――荻生徂徠以後の「接人」の制度構想』-高山大毅
    • 『近世日本の「礼楽」と「修辞」――荻生徂徠以後の「接人」の制度構想』 ISBN 978-4-13-036258-0
  • 第6回(2016年)『永井荷風研究──江戸文化の受容と「小説」の創出』-多田蔵人
  • 第7回(2017年)『ジョルジュ・バタイユにおける行動の論理と文学』-石川学
  • 第7回(2017年)『漢語系諸語と系統樹――「粤(えつ)語」からの視点』-濱田武志
  • 第8回(2018年)『北米建築論壇におけるジョン・ラスキン受容に関する研究』-江本弘
  • 第9回(2019年)『蜂起と占領下のパレスチナ(1967~1993年)』-鈴木啓之
    • 『蜂起〈インティファーダ〉 占領下のパレスチナ 1967-1993』 ISBN 978-4-13-036301-3
  • 第9回(2019年)『ナフマニデスの聖書解釈研究:知の源泉とその彼方』-志田雅宏
  • 第10回(2020年)『平安朝文人論』-宋晗
  • 第11回(2021年)『戦後日本の夜間中学に関する歴史的研究――周縁の義務教育史の視座から』-江口怜
  • 第11回(2021年)『人権の哲学――自然本性的構想及び二元的理論の擁護とその含意』-木山幸輔
  • 第12回(2022年)『犠牲の森で――大江健三郎作品における死生観』-菊間晴子
  • 第12回(2022年)『植民地台湾の形成――清末・日本統治初期における国家・社会関係の転換』-新田龍希
  • 第13回(2023年)『共通スラヴ語――印欧祖語からスラヴ語派に至るまでの音韻・形態法の通時的変化の研究』-大山祐亮
  • 第14回(2024年)『現代イスラエルにおける権利をめぐる政治とナショナリズム:性的少数者の権利と動物の権利の比較分析』-保井啓志
    • 『権利の名のもとに――イスラエルにおける性的少数者の権利と動物の権利』 ISBN 978-4-13-036291-7
  • 第14回(2024年)『『ラオコオン』論争からみる二〇世紀中国美学』-丁乙
  • 第15回(2025年)『戦時期建築界による社会革新の構想――建築学会と建築行政の連携体制とその政策思想に関する研究』-常松祐介
    • 『国策と建築――戦時期日本の建築テクノクラートと構想力』 ISBN 978-4-13-066866-8
  • 第15回(2025年)『自民党政治と「二つの中国」――日台間における非公式チャネルを中心に』-三代川夏子
  • 第16回(2026年)『近代日本の農業革命と機械』-太田知宏
  • 第16回(2026年)『上海語音の史的研究――清朝後期から民国期にかけての欧文資料と対音資料に基づいて』-張玥

脚注

注釈

  1. 1 2 本法人の定款第1条(名称)において定義。
  2. 1 2 3 本会の代表者は会長でなく理事長(定款第23条参照)。会長は、定款第33条が定めるところの名誉職であり、重要な事項について理事長の諮問にこたえる。
  3. 国税庁法人番号公表サイトにおける「本店又は主たる事務所の所在地」と同じ。本項目のInfobox(インフォボックス)にある法人番号のリンク先に記載。
  4. 公式ウェブサイトの「東京大学出版会概要」[2]に掲載の「第75期貸借対照表」にある正味財産合計382,294,518円にあたる。
  5. 現行の一般財団法人移行後の定款第3条(目的)では「学問の普及、学術の振興」との文言は見当たらない。

出典

  1. 1 2 第11回東京大学南原繁記念出版賞発表”. 東京大学出版会 (2021年3月11日). 2023年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年5月17日閲覧。 “財団法人東京大学出版会(2012年10月より一般財団法人)”
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 東京大学出版会概要”. 東京大学出版会. 2026年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年5月17日閲覧。
  3. 1 2 特定商取引法に基づく表示”. 東京大学出版会. 2026年4月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年5月17日閲覧。
  4. 1 2 東京大学出版会、創立75周年で「感謝の集い」」『新文化オンライン』2026年3月27日。2026年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ
  5. 1 2 東京大学出版会 1969, p. 30.
  6. 東京大学出版会 1969, p. 30, 設立趣意書.
  7. 東京大学出版会 1969, p. 54.
  8. "PR誌「UP」."東京大学出版会公式サイト. 2024年9月16日閲覧。
  9. 「学問の入口」フェア2011「知のチカラ×未知のチカラ」開催のお知らせ(東京大学出版会 2011年3月23日) - ウェイバックマシン(2011年4月11日アーカイブ分)
  10. 小会社屋移転のお知らせ(東京大学出版会 2013年10月15日) - ウェイバックマシン(2013年10月30日アーカイブ分)
  11. 「出版文化賞」に東京大学出版会・第36回梓会
  12. 大学出版部協会 1988, p. 72.
  13. Our Members [協会のメンバー] (英語). Association of University Presses. 2026年4月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年5月17日閲覧。
  14. 1 2 第1回東京大学南原繁記念出版賞発表のお知らせ - 東京大学出版会 - ウェイバックマシン(2013年6月5日アーカイブ分)
  15. 1 2 3 第17回東京大学南原繁記念出版賞 論文募集のお知らせ”. 東京大学出版会 (2026年4月15日). 2026年4月16日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク


東京大学出版会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 07:30 UTC 版)

古語辞典」の記事における「東京大学出版会」の解説

日本最高学府東京大学出版部東京大学活動対応した書籍の出版を主に行う。 古語大鑑 築島裕編著収録40,000 大型 学術用途目的とした古語大辞典2011年12月第1巻(あ〜お)刊行以降2016年3月第4巻(は〜ん)まで刊行予定だったが、2016年2月になってようやく第2巻(か〜さ)が出版された。第3巻(し〜の)以降はいつ出るか不明である。上代奈良時代以前)から南北朝時代14世紀)に至る「古代日本語」を対象とし、特に上代から鎌倉時代終わり1333年頃)までの語に重点を置き。その期間に成立した文献現れる語彙収録見出し現代仮名遣い示し語釈語源など解説し文献用例として最古用例探索して採用している。一般向け。

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