お‐ね〔を‐〕【尾根】
尾根
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/14 05:34 UTC 版)
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尾根(おね)は、谷と谷に挟まれた山地の一番高い部分の連なりのことである。山稜(さんりょう)、稜線(りょうせん)とも言う。地図上では等高線の突出として示される。
概要
尾根は山頂から始まり谷間へと続く。富士山のような円錐形の山では尾根は明確には存在しない。しかし、降雨と流水によって浸食が進むと谷ができるから、谷と谷の間の盛り上がりとして尾根が生まれる。孤立峰(こりつほう)では尾根は山頂から麓へと伸びるが、多くの山は複数が並んでおり、その場合には尾根は山脈の間をつないで伸びる。ある程度直線的に尾根のつながった山が並ぶのを連峰(れんぽう)という。そのような尾根筋を通り抜ける山行を往々に縦走という。また、そのような尾根筋は分水嶺ともなる。
両側の斜面が急峻な尾根のことを、登山用語では痩せ尾根と言う。これにはいろいろな呼び方があり、鎌尾根、馬の背、剣の刃渡り(つるぎのはわたり)、金冷やし(きんひやし)などと呼ばれる場合がある。アレート(仏: arête)、グラート(独: grat)、リッジ(英: ridge)などとも呼ばれる。氷河の作用(氷食作用)によって作られた痩せ尾根は、日本では特にアレートと呼ばれる場合が多い。氷食によるアレートは、氷河の流下が進行していくことで峰の両側からカールが拡大してきてできる。痩せ尾根の中でも特に急なものは、ナイフエッジ(英: knife edge)とも呼ばれる[1][2]。
「痩せ尾根」の反対に両側の斜面が緩やかな尾根を、登山用語では広い尾根と言う。やせ尾根は崖に近い点で危険であるから、穏やかな尾根の方が安全であるが、他方で緩やかな尾根は尾根筋が明確でないため、尾根筋をたどりにくく、道に迷う危険が大きい。八甲田山で雪中行軍が遭難したのも、なだらかな山頂部であるため、尾根筋によって方向が確認できなかったのが大きい理由であった。
道として
山歩きをする場合、尾根筋は位置が把握しやすく、コースがわかりやすいため、道としてよく使われる。また、道に迷った場合も尾根筋に出るのがよい。谷間にはいると見晴らしがきかず方向がわからなくなる上、滝や崖があって通れなくなったり、それらからの転落や滑落の危険性があることが多い。また、上記のように尾根筋は分水嶺であることがあり、その場合は下る向きを間違えると全く異なった方向に向かってしまう例もある。
このようなことから、古くから尾根筋は山を踏破する際の通り道として使われた。たとえば熊野古道の山間部はその多くが尾根筋で、要所要所で谷底に下りつつ、また尾根を昇る繰り返しになっている。普通あまり昇降のない部分は尾根筋を通り、ちょっとしたピークではその山腹を通るようなコースである。なお、このような経緯から、山間部奥地では集落は往々にして主たる河川より遙かに水準の高い位置に作られた。
ただし尾根筋は一般に水が十分に得られず、生活には不向きである。集落は山腹から谷間に作られる。山を越える場合、長く続く尾根があれば最も低いところで越える。このような地点を峠という。
道路は主に河川沿いに造られるが、主流ではそのそばを通り、谷間から分水嶺を超える場合には谷底から山腹を昇って、ある程度のところでトンネルを造ってしまう。そのため、古道をあちこちで横切るコースになる。また、集落より遙かに低いところを新しい道路が通ることになる例が多く、不便さを増幅している。
区分線として
尾根筋ははっきりした区切りとして把握しやすい。また、水系を分けるものでもあり、それによる区分には実質的な意味もある。そのため、尾根筋を区分線とする例が多い。行政区分も、往々にして尾根筋を通る。高い山の山頂が二つ以上の行政区分にまたがる例が良くあるのもこれによる。
脚注
- ^ 山用語 区分(3713:地形・尾根) 山どんの資料室
- ^ 山岳用語集 あ行 ぶらり山旅
関連項目
尾根(おね)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/08 15:19 UTC 版)
山地の一番高い部分の連なりのこと。稜線(りょうせん)や山稜(さんりょう)とも。
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「尾根」の例文・使い方・用例・文例
- 彼が尾根づたいの道をどんどん先へ進んだ
- 尾根伝いに 2 時間ほど歩くと天城峠へ出た.
- 侵食が山の尾根を切り詰めた
- したいの尾根ばった顔の特徴
- 山の相並んだ尾根
- 彼は、尾根をわたってやって来る国王一座を見つけた
- それぞれ触手を産出する曲がったか円形の尾根を持っている小さいポリープの苔がはえた居留地を形成する無柄の水生動物
- 尾根が広がっている
- その土地は南部に向かって尾根が延びている
- 隣接する2つの河川系を分ける陸の尾根
- 岩だらけの山で見つけた急で狭い尾根
- 丘の狭い尾根
- 水面近くの岩またはサンゴの沈没した尾根
- 2つの頂点の間を緩やかに傾斜する、道や尾根(鞍のような形をしている)
- 海抜の低い地域(特に尾根の間の湿地)
- 水が流れる山の尾根の通り道
- 山の尾根沿いに小川の流れていない尾根沿いの小道
- 大規模なトランクの深い尾根と種子の大きいさやを持つすべすべとしたかま糸で覆われる大規模な熱帯の木
- 竜骨を支える突起または尾根
- 鞍部という,山の尾根の場所
尾根と同じ種類の言葉
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