河川敷とは? わかりやすく解説

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河川敷

読み方:かせんじき

河川敷とは、河川両岸広がる平坦な土地のことである。河川敷は、河川水量増加した際に一時的に貯める機能持ち洪水被害軽減する役割がある。また、河川敷は河川流れによって運ばれ土砂堆積し地形形成される過程である。河川敷は、主に天然のものと人工のものに分類される

天然の河川敷は、河川の自然な流れによって形成されるもので、河川周辺植生生態系影響与える。一方人工の河川敷は、河川改修治水工事によって形成されるもので、洪水対策河川利用目的としている。人工の河川敷は、コンクリート石材護岸整備され河川流れ安定させることが目的である。

河川敷は、市民憩いの場としても利用されることが多い。遊歩道公園運動施設など整備され多く人々訪れる。また、河川敷は、釣りバーベキューなどのアウトドア活動にも適した場所である。さらに、河川敷は、地域祭りイベント開催される場としても利用されることがある

河川敷の維持管理は、河川法基づいて行われる河川法では、河川敷の利用改変について、河川管理者許可が必要とされている。また、河川敷の環境保全景観保護重要な課題である。河川敷の適切な管理によって、洪水被害軽減河川環境保全図られる

河川敷

読み方:かせんじきかせんしき

「河川敷」とは、一般的には川岸堤防の間の水面除いた範囲広がる平らな土地部分のことを意味する表現

河川敷の一般的な意味・どこを指すのか?

特に定義なく口語で「河川敷」と口語で言う場合は、このような使い方が多いが、逆に文書場合は、普段川の水流れている部分(低水路)と激しい雨などにより水面高くなった場合には川の一部となる部分(高水敷)の両方合わせて河川敷と記述している場合や、そこに堤防(堤防敷)も含んで河川敷と記載している場合もあり、注意が必要である。

河川敷と土手の違い

河川敷と土手違いとしては、土手は主に土を盛って作られ堤防部分(堤防敷)のことを指すのに対して、河川敷は川岸から土手までの平らな部分のことを指すという意味的な違いがある。

堤防と土手の違い

また堤防土手違いについては、一般的なほぼ同義考えて差し支えないが、土手と言う場合は土をもって作られ部分のことを指すのに対して堤防と言う場合は主にコンクリートによって固められたもののことを指すことが多い。ただし土手堤防を特に区別なく使っている用例もあり注意が必要である。

河川敷の目的と意義

河川に対して治水工事施して河川敷を作る目的大雨などにより河川増水した際に水位急激に上昇するのを抑止するという点にある。

河川法における河川敷

河川法の中では「河川敷」という言葉登場しない代わりに河川区域」という言葉定められている。河川法における河川区域というのは治水工事が行われた河川堤防堤防の間の区域、つまり川(河道)と河川敷と堤防合わせた区域のことを基本的に意味している。また、河川管理施設敷地である土地や、堤防の外(堤内地)の敷地であっても河川管理者がその河川一体的管理する必要がある指定した土地も「河川区域」に含まれる

行政における河川敷と管理区分

河川の管理区分河川種類によって異なる。

一級河川(直轄区間)・・・国土交通省
一級河川(指定区間)・・・都道府県(一部区間政令指定都市)
二級河川・・・都道府県(一部区間政令指定都市)
準用河川・・・市町村
普通河川(河川法適用外)・・・市町村


なお、どの河川が「一級河川」「二級河川」「準用河川」「普通河川」なのかということについては、国土交通省ならびに自治体定めている。また、日本の一級河川一覧」のページでは一級河川を一覧で見ることができる。

河川敷の活用

河川敷は公共用物であり、比較的昔から、キャンプバーベキュー野球ゴルフ花火オープンカフェイベント広場船着場などとして活用されている。他方で、2011年に」「河川敷地占用許可準則」の一部改正され河川管理者である自治体との間で施設使用契約により、オープンカフェイベント広場キャンプ場バーベキュー場、船着場移動販売などを行う民間事業者占用料を河川管理者である自治体支払うことにより、利活用することができるようになった

河川敷に設置された代表的な施設

以下に河川敷に設置され代表的な施設紹介する

江戸川の河川敷・・・江戸川グラウンド
淀川の河川敷・・・淀川河川公園サッカーラグビー陸上競技フットサルコートテニスコートパターゴルフグラウンドゴルフなどの運動施設設置されている。

河川敷の英語表現

なお、河川敷は英語ではriver bed(直訳すると、川のベッド)」という表現用いられる

かせん‐しき【河川敷】


河川敷

作者鈴木恵子

収載図書湯河原文学賞アンソロジー
出版社祥伝社
刊行年月2007.2


河川敷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/18 00:30 UTC 版)

大和川(写真左右方向)と石川(写真奥)の合流点。 石川の河川敷がグラウンド自転車道として利用されているのがわかる。大阪府柏原市・高尾山頂より)

河川敷(かせんしき[1]、かせんじき[2])もしくは河道(かどう)とは、常時水が流れている区域(低水敷)と増水時に冠水する平坦土地(高水敷)を合わせた区域をいう。

この河道に堤防敷を加えて河川敷という場合もある。

航行可能であれば、航路ともなる。

河川区域

河川敷の断面

河川法第6条第1項では以下3つの区域が「河川区域」として定められている。

  1. 河川の流水が継続して存する土地及び地形草木の生茂の状況その他その状況が河川の流水が継続して存する土地に類する状況を呈している土地(河岸の土地を含み、洪水その他異常な天然現象により一時的に当該状況を呈している土地を除く。)の区域 - 一号地。低水敷やダム湖で貯水されている標高水位までの範囲など。
  2. 河川管理施設[3]の敷地である土地の区域 - 二号地。堤防やダムのダムサイトなど
  3. 堤外の土地(政令で定めるこれに類する土地及び政令で定める遊水地を含む。)の区域のうち、第一号(上記の1)に掲げる区域と一体として管理を行う必要があるものとして、河川管理者が指定した区域 - 三号地。高水敷など[4][5]

なお、普通河川の河川区域について(普通河川区域)は、当該の普通河川条例などで定められている。

類似の用語には「河川敷地」(かせんしきち)がある。河川敷地占用許可準則[6]において、河川敷地とは、河川法上の河川区域内の土地で、河川管理者[7]以外がその権限に基づき管理する土地を除くものであるとしている。

河川敷で、河川敷地以外の土地としては堤外民有地が知られ[8]、高水敷の土地でも公図で「水」(青道)表記になっておらず地番があり、民有地のところがある。そこはその土地所有者がたとえば耕作などを行うことは可能であり[9]、実際に多摩川などは堤外地・高水敷内にがみられる[10][11]。第二号地・堤防用土地の取得(用地買収等)はその地が必要な個所しかしないため[11]北上川左岸の宮城県側、登米市の日根牛地区は高水敷に家屋が存在し[12][13]大和川の中流部に位置する大阪府柏原市国分地区でも、高水敷に家屋密集している[14]

高水敷の土地利用

野球場として利用された河川敷(江戸川
神通川右岸の河川敷にある富山空港

土地利用に当たっては、河川法第24条に基づく河川管理者(国もしくは地方自治体)の許可が必要となる。主に、公共的な用としてスポーツ施設運動場公園遊歩道として利用されることが多い。前述の堤外民有地といった私有化されている土地もあって一部では農業も行われるが、長年の既得権として許可が与えられているものがほとんどである[10]

ただし、堤外民有地や河川法第24条に基づく占用許可がない土地については、不法占有となる。

占拠

  • しばしばホームレスが簡易な居住施設を造るが、占拠を黙認すると居住権が発生すること、出水時に人的被害が出る恐れがあることから強制的な排除が行われる[15]令和元年東日本台風(台風19号)の例では、ビラや防災無線で避難の呼びかけが行われたが溺死者も出た[16]
  • 近隣の住民が造る無許可の家庭菜園が、しばしば本格的な耕作地化することもある。これらも河川管理者の撤去勧告が行われ、従わない場合は行政代執行による排除が行われることになる[10]
  • 2016年の千葉県におけるデータによれば、県内で河川敷が不法に占有され、畑や小屋、桟橋などが作られるケースが377件に及んだという[17]
  • 大阪府内の淀川では、野球サッカーなどのチームが、国土交通省淀川河川事務所に無断で河川敷にバックネットベンチなどを設置し、グラウンドとして長年に亘り使用していた。河川法に違反するため、同事務所は再三に亘り撤去を要請してきたが、チーム関係者の抵抗で進んでいなかった。しかし2019年以降に豪雨災害が相次いだ影響もあって、これらのチームのうち計33チームが、2021年3月までにバックネットなどを撤去する方針であることが明らかになった[18]

こうした事例は、上記の他にも各所で多くみられる[19]

脚注

  1. ^ 河川敷(カセンシキ)とは - コトバンク
  2. ^ NHK放送文化研究所・「河川敷」の読み方は?
  3. ^ ダム、堰、水門、堤防、護岸、床止め、樹林帯(堤防又はダム貯水池に沿つて設置された国土交通省令で定める帯状の樹林で堤防又はダム貯水池の治水上又は利水上の機能を維持し、又は増進する効用を有するものをいう。)その他河川の流水によつて生ずる公利を増進し、又は公害を除却し、若しくは軽減する効用を有する施設(河川法第3条第2項)
  4. ^ 高水敷、堤外の土地の他には、河川整備基本方針で定められている遊水地、堤防に隣接して堤防と同一の働きをしている土地(例えば堤防に接している丘陵地台地などの河岸部分など)、またそうした土地や堤防の対岸にある土地のうちで堤防と同一の働きをしている土地(2号類地とよばれる)、前述の土地と1号地の間にある土地無堤部の高水敷に類する土地といった堤内の土地も、三号地に指定されている場合がある。堀込型の河川などでみられる。
  5. ^ ダム湖の場合は、ダムによって貯留される流水の最高の水位、サーチャージ水位の際の水面で土地に接する線によって囲まれる地域内の土地。河川法施行令第1条第1項第3号で定められている。なお、ダム湖を周回するよう設けられた道路の道路区域と、前述の件で定められた土地との間に生じた余剰残地も、ダムによっては三号地に指定されている場合がある。
  6. ^ 平成11年8月5日建設省河政発第67号建設事務次官通達
  7. ^ 河川法に基づき、洪水や高潮などの災害を防止し、公共の安全を確保するために、河川の管理について権限と義務を負う者
  8. ^ たとえば、[1]など
  9. ^ たとえば、[2]内の京浜河川事務所回答など
  10. ^ a b c 河川敷の野菜畑は誰のもの?”. 2016年11月23日閲覧。
  11. ^ a b 多摩川における河川敷利用の変遷について
  12. ^ 寄稿 国土交通省 東北地方整備局 北上川下流河川事務所長 石田 和也 │ 建設グラフ”. jiti.co.jp. 2025年5月18日閲覧。
  13. ^ 張り出し量の大きい桁架設の施工
  14. ^ 大和川直轄河川改修事業 - 近畿地方整備局
  15. ^ “国有地を60年間も不法占拠…”立ち退き危機”の京都の集落を直撃した”. デイリーニュースオンライン. (2016年4月21日). https://dailynewsonline.jp/article/1119046/?page=all 
  16. ^ 多摩川のホームレス 都内唯一の死者に 救えなかったか”. 毎日新聞 (2019年10月19日). 2019年10月19日閲覧。
  17. ^ 畑だけでなく釣り桟橋まで…千葉・花見川の河川敷不法占有 「増えた中国人」県が放置で歯止めなく産経ニュース・産経新聞(2017年1月29日)2017年2月12日閲覧
  18. ^ 淀川河川敷の違法グラウンド撤去へ 長年の「無法状態」動かしたきっかけとは 毎日新聞 2020年12月18日
  19. ^ たとえば、河川の管理に関する行政評価・監視 - 資 料 - 総務省 等

関連項目

外部リンク


河川敷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 09:24 UTC 版)

多摩川」の記事における「河川敷」の解説

河川敷のうち運動場などに利用されていない草むらには雑草類が生い茂りバッタなどの昆虫やそれを捕食する鳥類生息する堤防部分では、強度維持のために定期的に草刈りが行われている。そのため日当たりのよい荒野生育する各種雑草類やヤブカンゾウ・ノカンゾウ、ヒガンバナなどが観察される

※この「河川敷」の解説は、「多摩川」の解説の一部です。
「河川敷」を含む「多摩川」の記事については、「多摩川」の概要を参照ください。

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河川敷

出典:『Wiktionary』 (2021/08/21 07:20 UTC 版)

名詞

河川かせんしきかせんじき

  1. 堤防挟まれ河川敷地。常に流れ低水敷と、低時に干上がる高水敷からなる堤防敷地含めていうこともある。

発音(?)

か↗せ↘ん
か↗せ↘んじき

類義語

参照


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