普通河川とは? わかりやすく解説

普通河川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/11 01:54 UTC 版)

普通河川(ふつうかせん)とは、一級河川二級河川準用河川のいずれでもない河川(法定外河川)のことで、河川法の適用・準用を受けていない。

市町村が必要と考えれば条例を策定し管理している。管理者は市町村長である[1]

普通河川は、法定外公共物である。

学説では、 「河川法や下水道法など河川管理に関する特別法の適用ないし準用のない河川 (これと接続する湖沼を含む)、 運河、公共用悪水路、堤塘[2]等を総称」 したものとしている[3]。ただし研究によれば、青線(青道[4]のほか、 川敷や湖底等が公共団体または私人の所有に属する河川、湖沼、溜池等のうち、公共用物である普通河川や溜池 等から、脱落地たる河川や公共用悪路、溜池等も、私川または私有との確証のない公共用物たる河川、溜池等も含まれるようである[5]

なお、普通河川等の (旧) 法定外公共物のうち、里道と公共用水路等として、現に公共の用に供されているものは従来、国土交通省 (旧建設省) 所管の 国有財産であると解されてきたが、これらは2000年(平成12年)4月1日から2005年(平成17年)3月31日までの間に、市町村に譲与。里道とともに普通河川については、 「水路」 や 「里道」 のうち、道路法や 河川法、下水道法の適用もしくは準用のないもので、現に公共用物として機能としており、地盤の所有権が国に属するもので かつ旧建設省所管のものが、譲与の対象となった[6]。また、 (旧) 法定外公共物には、従前は海岸法の適用のない一般海岸も含ま れるとされてきたが、これらは1999年(平成11年)改正後の海岸法にいう一般公共海岸として管理されることとなった[7][8]

普通河川に関しては、当該市区町村が条例を定めて管理することが一般的ではあるが、条例を定めなくても管理行為ができるとする有力な見解もあり、また実務上からも、条例の制定を行っていない地方公共団体もある[9]。そして、定められている条例の形式についても、最も多いと考えられるのは「法定外公共物管理条例」として、他の法定外公共物とともに制定している条例で、法定外公共用財産管理条例等の名称が用いられることもあったりする[9]東京都23区内であると公共溝渠管理条例という名称を持つものも多い[10]

有名な普通河川

関連項目

脚注

  1. ^ これだけはぜひ!河川管理の基礎知識”. 川の基礎知識. 大分河川国道事務所. 2020年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月26日閲覧。
  2. ^ ここでの堤塘 (堤塘敷, 土揚げ敷) は一般に公図上には河川・水路の両側に長狭線で描かれているもので、二線引畦畔と同様に無着色あるいは薄墨色に着色された無番地の土地として表示されている。 こうした堤塘の多くも、もとは (旧) 法定外公共物である。
  3. ^ 例えば、原龍之助:公物営造物法 [新版] (有斐閣, 1974) 352頁、 寳金敏明:里道・水路・海浜 (4訂版) (ぎょうせい, 2009) 11頁 など。
  4. ^ ここでいう青線とは、公図上青線を以て表示されている河川、公共用悪水路等のうち、河川法や下水道法等の適用や準用のないもので、その多くが明治初年以来の農業用水路。
  5. ^ 寳金敏明:里道・水路・海浜 (4訂版) (ぎょうせい, 2009) 11頁
  6. ^ 地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律113条、国有財産特別措置法5条1項5号
  7. ^ 建設省財産管理研究会編:地方分権と法定外公共物 (ぎょうせい, 1999)
  8. ^ 公共用財産管理研究会編:法定外公共物の譲与 (ぎょうせい, 2001) が
  9. ^ a b ぎょうせい:長狭物 維持・管理の手引き―自治体による旧法定外公共物の運営 (ぎょうせい,2005年, 加除式) 188頁。
  10. ^ なお、公共溝渠とは、一例として江東区は 「溝渠及び堤塘, 護岸, 土揚敷その他これに附属して一体をなす施設 (以下堤塘以下を 「附属物」 という。) であって一般公共の用に供せられているものの総称をいう。」 と定義している (江東区公共溝渠条例2条)。



普通河川と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「普通河川」の関連用語

普通河川のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



普通河川のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
気象庁気象庁
©2025 Japan Meteorological Agency. All rights reserved.
なお、「気象庁 予報用語」には、気象庁の「気象庁が天気予報等で用いる予報用語」に掲載されている2009年11月現在の情報から引用しております。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの普通河川 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS