じっ‐たい【実体】
読み方:じったい
1 そのものの本当の姿。実質。正体。「—のない想像上の人物」
2 《(ギリシャ)ūsia/(ラテン)substantia/(英)substance》多様に変化してゆくものの根底にある持続的、自己同一的なもの。アリストテレスでは具体的個物、デカルトではそれ自身によって存在し、その存在のために他のなにものも必要としないもの、カントでは現象を認識するための範疇(はんちゅう)にすぎないとされた。→属性
じっ‐てい【実体】
実体
読み方:ジッテイ(jittei)
誠実。まじめ。
実体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/21 16:42 UTC 版)
実体(じったい、英: substance, 羅: substantia, 古希: οὐσία ; ousia)は、古代ギリシアから使われている古典的な哲学用語。文脈によって様々な意味をもつが、基本的には「真に存在するもの」を意味する。
- ^ 『新版 アリストテレス全集 第1巻 カテゴリー論 命題論』内山勝利、神崎繁、中畑正志、岩波書店、2013年、97頁。
- ^ a b c d 中畑正志 著「移植、接ぎ木、異種交配――「実体」の迷路へ」、村上勝三・東洋大学国際哲学研究センター 編 『越境する哲学:体系と方法を求めて』春風社、2015年、223-228頁。ISBN 9784861104787。
- ^ なお、仏教においては、とりわけ「空」を主張した学派によって、同様の論理から、しかしエレア派のように生成変化が否定されるのではなく、主語・実体・実在が否定され、状態・様態・生成変化・関係性のみがあるとされた。般若心経では「色即是空」と説かれる。これは、かたちづくられたものには実体はないこと、他によって存在しているものであり、縁起していることを意味している。対極的ながら龍樹とパルメニデスの議論には共通点も多い。
- ^ Écrits de linguistique générale. Gallimard. (2008, cop. 2002). ISBN 2070761169. OCLC 781224141
実体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/21 02:47 UTC 版)
「書誌レコードの機能要件」の記事における「実体」の解説
FRBRにおいて利用者の関心の対象となる実体は、全部で10定義され、3つのグループに分類される。 第1グループ - 知的・芸術的な創作である実体 - 著作(work)、表現形(expression)、体現形(manifestation)、個別資料(item) 第2グループ - 実際に製作や頒布、管理を行う実体 - 個人(person)および団体(corporate body) 第3グループ - 主題に関する付加的な実体 - 概念(concept)、物(object)、出来事(event)、場所(place) FRBRではこのうち第1グループのみ詳細な分析を行い、第2、第3のグループに関しては必要性は認識しているものの詳細な分析は行っていない。 著作とは知的・芸術的創造であり、抽象的な実体である。物理的な実体ではなく表現を限定しない作品のことである。例えばシェークスピアのオセロであれば原文であろうと邦訳版であろうと、著作としては「オセロ」という同一の実体である。「オセロという作品は…」と述べるときに特定のテキストを指してはおらず、抽象的な「オセロという作品」に言及しているのである。著作は表現形を通じて形となる。言い換えると表現形は著作の実現である。表現形が具体的な形、物理的な存在として現れたものを体現形と呼ぶ。そして個々の体現形を個別資料と呼ぶ。すなわち、知的・芸術的創造である著作は表現形をもって実現され、体現形で具体化される。体現形で具体化された著作の単一の例示が個別資料である。FRBRでは著作という抽象的な概念を明確に定義し、物理的な実体である出版物との関連性を示すことに着目している。 例えば、アガサ・クリスティのAnd Then There Were Noneが「そして誰もいなくなった」として邦訳された場合、これは同一の著作が異なる表現形で表されたことになる。またハードカバーで発刊されていたものが、内容が変わらずに文庫版で発売された場合は、同一の著作が同一の表現形で表されているが、異なる体現形で表されたことになる。翻案や改作などにより著作に大きな知的・芸術的創造が加わった場合は、その著作を元となる著作とは異なった新たな著作とみなす。 FRBRによる表現形の定義は「英数字による表記、記譜、振付け、音響、画像、物、運動等の形式あるいはこれらの形式の組み合わせ」となっている。字義通り解釈するとアルファベット以外の文字で書かれた文章は表現形とみなされなくなってしまう。 著作A:○○○表現形A-A:○○○(原文)体現形A-A-A:○○○(原文ハードカバー版)個別資料A-A-A-A:○○○(原文ハードカバー版)、状態良好。 表現形A-B:○○○(邦訳版)体現形A-B-A:○○○(邦訳ハードカバー版)個別資料A-B-A-A:○○○(邦訳ハードカバー版)、状態良好。 体現形A-B-B:○○○(邦訳文庫版)個別資料A-B-B-A:○○○(邦訳文庫版)、欠落あり。 個別資料A-B-B-B:○○○(邦訳文庫版)、状態良好。
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実体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 04:47 UTC 版)
「デイヴィッド・ヒューム」の記事における「実体」の解説
なお同様の議論において、実体の観念は、個々の印象の連想による主観的な結合を客観において支えるべき何ものかとして、単に想定されたものであるとしている。
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実体
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「ヴァイシェーシカ学派」の記事における「実体」の解説
実体(dravya)は以下のように分けられる。 地 (pṛthivī) 水 (āpas) 火 (tejas) 風 (vāyu) 虚空 (ākāśa) 時間 (kāla) 方向 (dik) アートマン (ātman) 意(マナス) (manas)
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実体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/30 08:01 UTC 版)
低温のために固まらなかった火砕流堆積物の地下に水の浸食により穴があき、突然崩落して出来た窪地、すなわちシラスドリーネのこと。表面的には固まった土壌にみえるが、豪雨がくると陥没してしまう地質。熊本県全体に散らばっているが、特に菊陽町、大津町、西原村など、阿蘇中流域に多い。
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実体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 23:18 UTC 版)
前庭皮質は領域の総称である。近年の研究により前庭の情報を受け取る領野の具体的な位置・機能が解明され始めている。 頭頂葉-島前庭性皮質(parieto-insular vestibular cortex、PIVC) posterior insular cortex area (PIC) VIP野(ventral intraparietal area)
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実体
「実体」の例文・使い方・用例・文例
- ヒートアイランド現象の実体解析と対策のあり方について。
- どうかあなたの実体験のことを書いて下さい。
- 「情報スーパーハイウェイ」の真のインパクトは、情報インフラの構築により経済が従来のハードやモノづくり中心の実体経済から知識、情報、ソフトを主体とした経済に移行し、そこから生まれる新しい産業や経済活動にある。
- 実体のない影.
- 実体のあるもの.
- 実体論
- 実体学
- 物理的な存在がある実体
- 別々のまた自己充足的な実体
- 触れることができて目に見える実体
- 実体に属するまたは実体に特徴的な抽象的実体
- 1単位として考えられるいくつかの実体(メンバー)
- 2つの実体あるいは部分にともに属する、あるいは固有な抽象的実体
- 実体法
- もし、一つ以上の結論に対し、実体があるのであれば、誤りは広がっていく
- 単なる夢、実体も実質もない
- 夢と同じくらい実体がない
- 地平線の上の実体のない蜃気楼
- 実体のない空想
- 幽霊と他の非物質的な実体
品詞の分類
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