第3グループ
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「S級潜水艦 (イギリス海軍・2代)」の記事における「第3グループ」の解説
第二次世界大戦勃発後に発注され、大戦中を通じて量産された50隻が第3グループに分類される。発注は1939年から1943年にかけて行われ、1942年から1945年に順次就役した。最も完成の遅かった"センチネル"(HMS Sentinel, P256)は第二次世界大戦の終結した後の1945年12月に就役した。第3グループの艦はそれまでのS級に比べてより大型化、重武装化しており、乗員数も更に増えている。またこれまでのS級に比べ、水上での速力は1ノット速くなり、逆に水中での速度は2ノット低下した。従来型に比べ燃料搭載量航続距離も伸びたことから、地中海や太平洋戦域での作戦にも投入された。また、第3グループの艦には3桁のペナント・ナンバーが付けられるようになった。 これらの第3グループは、更に2つのグループ"前期型"と"後期型"に分類出来る。 "前期型"は基準排水量842トンで艦首に外装式魚雷発射管を装備しているタイプで、1939年に発注された5隻、1940年に発注された20隻のうち実際に建造された13隻、1941年に発注された15隻のうち"スコッツマン"(HMS Scotsman, P243)、"シーデビル"(HMS Sea Devil, P244)を除く13隻、そして1942年に発注された13隻のうちの"スターディ"(HMS Sturdy, P248)、"スティジアン"(HMS Stygian, P249)の2隻の、計33隻が前期型に分類される。 "後期型"は基準排水量814トンで艦首に外装式魚雷発射管を装備しておらず、船体が全溶接に変更され潜航深度が前期型の300フィート(約90m)から350フィート(約110m)に改良されている。前期型に分類されない17隻、つまり1941年発注の"スコッツマン"と"シーデビル"の2隻、1942年発注の13隻のうち"スターディ"と"スティジアン"を除く11隻、そして1943年に発注された8隻のうち実際に建造された4隻が後期型に分類される。 第3グループの艦は9隻が第二次世界大戦中に失われ、更に2隻は攻撃を受け大破し、自力で帰投したが復旧不能として除籍解体された。第二次世界大戦を生き延びた艦はイギリス海軍で40年代後半~60年代中頃まで運用され、また1948年には3隻がポルトガル海軍(ネプトゥーノ級)に、1952年には4隻がフランス海軍に、そして1958年から59年に掛けては2隻がイスラエル海軍に売却され運用された。イスラエル海軍に"タニン"(INS Tanin)として導入された"スプリンガー"(HMS Springer, P264)は1972年まで運用が続けられた。 1939年発注 サファリ(HMS Safari, P211) 1942年に就役。第二次世界大戦を生き延び1946年に除籍、解体。 サーヒブ(HMS Sahib, P212) 1942年に就役。1943年4月24日にイタリア海軍水雷艇および2隻のガッビアーノ級コルベット("ガッビアーノ"、"エウテルペ")および航空機による攻撃を受け大破し、鹵獲を避けるため自沈。 サラセン(HMS Saracen, P247) 1942年に就役。当初、P213の船番が予定されていたが不吉な数字であるとしてP247に変更された。1943年8月14日にイタリア海軍のガッビアーノ級コルベット("エウテルペ"、"ミネルヴァ")の攻撃を受け沈没。 サタイア(HMS Satyr, P214) 1943年に就役。第二次世界大戦を生き延びた後、1952年にフランス海軍に供与され"サフィール"(Saphir)に改名。1961年にイギリス海軍に復帰。1962年に除籍、解体。 セプター(HMS Sceptre, P215) 1943年に就役。第二次世界大戦を生き延びた後、1949年8月に爆発事故による損傷を受け、翌月に除籍、解体。 1940年発注 シードッグ(HMS Seadog, P216) 1942年に就役。第二次世界大戦を生き延び1947年に除籍、解体。 シビル(HMS Sibyl, P217) 1942年に就役。第二次世界大戦を生き延び1948年に除籍、解体。 シーローバー(HMS Sea Rover, P218) 1943年に就役。第二次世界大戦を生き延び1949年に除籍、解体。 セラフ(HMS Seraph, P219) 1942年に就役。第二次世界大戦を生き延び1965年に除籍、解体。 シェイクスピア(HMS Shakespeare, P221) 1942年に就役。1945年1月3日にドイツ空軍機の攻撃を受け大破し、自力で帰投するが修復不能と判断され翌1946年に除籍、解体。 P222(P222) 1942年に就役。1942年12月12日にイタリア海軍チクローネ級水雷艇"フォルツナーレ"と交戦し沈没。艦名が付けられる前に戦没したため"P.222"と呼称されている。 シーニンフ(HMS Sea Nymph, P223) 1942年に就役。第二次世界大戦を生き延び1948年に除籍、解体。 シックル(HMS Sickle, P224) 1942年に就役。1944年6月に機雷もしくは爆雷により沈没したと見られている。 シムーン(HMS Simoom, P225) 1942年に就役。1943年8月9日にイタリア海軍のアルフレード・オリアーニ級駆逐艦"ヴィンチェンツォ・ジョベルティ"を撃沈。同年11月に機雷により沈没したと見られている。 サーダー(HMS Sirdar, P226) 1943年に就役。第二次世界大戦を生き延び1965年に除籍、解体。 スパイトフル(HMS Spiteful, P227) 1943年に就役。第二次世界大戦を生き延びた後、1952年にフランス海軍に供与され"シレーヌ"(Sirene)に改名。1958年にイギリス海軍に復帰。1963年に除籍、解体。 スプレンディッド(HMS Splendid, P228) 1942年に就役。同年12月17日にイタリア海軍のソルダティ級駆逐艦"アヴィエーレ"を撃沈。1943年4月21日にドイツ海軍の駆逐艦ZG3の攻撃を受け沈没。 スポーツマン(HMS Sportsman, P229) 1942年に就役。第二次世界大戦を生き延びた後、1952年にフランス海軍に供与され"シビーレ"(Sibylle)に改名。同年9月24日に事故により沈没。 他、7隻(P81~P87)が発注されたが1943年にキャンセルされた。 1941年発注 ストイック(HMS Stoic, P231) 1943年に就役。第二次世界大戦を生き延び1950年に除籍、解体。 ストーンヘンジ(HMS Stonehenge, P232) 1943年に就役。1943年2月末に出港後消息を絶ち、3月に沈没と認定された。 ストーム(HMS Storm, P233) 1943年に就役。第二次世界大戦を生き延び1949年に除籍、解体。 ストラタジェム(HMS Stratagem, P234) 1943年に就役。1944年11月22日に日本海軍の第五十三号駆潜艇の投下した爆雷により沈没。 ストロングボウ(HMS Strongbow, P235) 1943年に就役。1945年1月13日に日本海軍艦艇の攻撃を受け大破し、自力で帰投するが修復不能と判断され除籍、解体。 スパーク(HMS Spark, P236) 1944年に就役。第二次世界大戦を生き延び1949年に除籍、解体。 シジアン(HMS Scythian, P237) 1944年に就役。第二次世界大戦を生き延び1960年に除籍、解体。 スタボーン(HMS Stubborn, P238) 1943年に就役。第二次世界大戦を生き延びた後、1946年に標的艦として沈没。 サーフ(HMS Surf, P239) 1943年に就役。第二次世界大戦を生き延び1949年に除籍、解体。 シルティス(HMS Syrtis, P241) 1943年に就役。1944年3月28日に機雷により沈没。 シャリマー(HMS Shalimar, P242) 1944年に就役。第二次世界大戦を生き延び1950年に除籍、解体。 スコッツマン(HMS Scotsman, P243) 1944年に就役。後期型に相当する。第二次世界大戦を生き延び1964年に除籍、解体。 シーデビル(HMS Sea Devil, P244) 1945年に就役。後期型に相当する。第二次世界大戦を生き延び1962年に除籍、解体。 スピリット(HMS Spirit, P245) 1943年に就役。第二次世界大戦を生き延び1950年に除籍、解体。 ステイツマン(HMS Statesman, P246) 1943年に就役。第二次世界大戦を生き延びた後、1952年にフランス海軍に供与され"スルタン"(Sultane)に改名。1959年にイギリス海軍に復帰。1961年に除籍、解体。 1942年発注 スターディ(HMS Sturdy, P248) 1943年に就役。前期型に相当する。第二次世界大戦を生き延び1957年に除籍、解体。 スティジアン(HMS Stygian, P249) 1944年に就役。前期型に相当する。第二次世界大戦を生き延び1949年に除籍、解体。 サトル(HMS Subtle, P251) 1944年に就役。第二次世界大戦を生き延び1959年に除籍、解体。 シュプリーム(HMS Supreme, P252) 1944年に就役。第二次世界大戦を生き延び1950年に除籍、解体。 シースカウト(HMS Sea Scout, P253) 1944年に就役。第二次世界大戦を生き延び1962年に除籍、解体。 セレーネー(HMS Selene, P254) 1944年に就役。第二次世界大戦を生き延び1961年に除籍、解体。 セネシャル(HMS Seneschal, P255) 第二次世界大戦後の1945年9月に就役。1960年に除籍、解体。 センチネル(HMS Sentinel, P256) 第二次世界大戦後の1945年12月に就役。1962年に除籍、解体。 シドン(HMS Sidon, P259) 1944年に就役。第二次世界大戦を生き延びた後、1955年6月に魚雷の爆発事故により沈没。浮揚したが修理されず、1957年に標的艦として再度沈没した。 スルース(HMS Sleuth, P261) 1944年に就役。第二次世界大戦を生き延びた後、1952年6月に同じイギリス海軍のZ級駆逐艦"ゼファー"と衝突事故を起こし損傷を受ける。1958年に除籍、解体。 ソレント(HMS Solent, P262) 1944年に就役。第二次世界大戦を生き延び1961年に除籍、解体。 スピアヘッド(HMS Spearhead, P263) 1944年に就役。1948年にポルトガル海軍に売却され"ネプトゥーノ"(NRP Neptuno)に改名。1967年に除籍、解体。 スプリンガー(HMS Springer, P264) 1944年に就役。1958年にイスラエル海軍に売却され"タニン"(INS Tanin)に改名。1967年の第三次中東戦争に投入された後、1972年に除籍、解体。 1943年発注 サーガ(HMS Saga, P257) 1945年に就役。1948年にポルトガル海軍に売却され"ナウティーロ"(NRP Náutilo)に改名。1969年に除籍、解体。 スコーチャー(HMS Scorcher, P258) 1945年に就役。1952年2月に衝突事故、同年11月には訓練中の火災により損傷を負う。1962年に除籍、解体。 スパー(HMS Spur, P265) 1945年に就役。1948年にポルトガル海軍に売却され"ナルヴァール"(NRP Narval)に改名。1969年に除籍、解体。 サングイン(HMS Sanguine, P266) 1944年に就役。1959年にイスラエル海軍に売却され"ラハヴ"(INS Rahav)に改名。第三次中東戦争には投入されず、1968年に"タニン"の部品取り用に除籍、解体された。 1943年発注、建造キャンセル シーロビン(HMS Sea Robin, P267) スプライトリー(HMS Sprightly, P268) サーフェス(HMS Surface, P269) サージ(HMS Surge, P271)
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第3グループ
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「U級潜水艦 (イギリス海軍)」の記事における「第3グループ」の解説
第3グループの34隻は3度に分けて発注された。喪失は依然として多かった。1940年6月の決定により、非常に多くの潜水艦が発注されることを見越して、潜水艦を命名する慣行は省略され、これらの潜水艦は当初、艦名を与えられる代わりにP.31からP.39、P.41からP.49といったように識別された。1942年の終わりに、チャーチルは、すべての潜水艦が艦名を与えられるべき旨を個人的に命じたが、公式に艦名を与えられる前にすでに8隻がイギリス海軍では失われていた。また、数隻は連合国の海軍で任務に就いており、戦後も引き続き各国にとどまった。ノルウェー海軍のウーレド(HNoMS Uredd)は触雷により喪失した。戦争を生き延びたU級潜水艦は、1950年代にスクラップ処分された。 10隻は1940年5月11日、1940年計画のもとで発注された。 アップロア(HMS Uproar, P31) P32(HMS P32, 1940) P33(HMS P33, 1941) アルティメイタム(HMS Ultimatum, P34) アンブラ(HMS Umbra, P35) P36(HMS P36, submarine) アンベンディング(HMS Unbending, P37) P38(HMS P38, 1941) P39(HMS P39) ウーレド(ノルウェー海軍、HNoMS Uredd, P-41) 12隻は1940年8月23日、1940年計画のもとで発注された。 アンブロークン(HMS Unbroken, P42) ユニゾン(HMS Unison, P43) ユナイテッド(HMS United, P44) アンライバルド(HMS Unrivalled, P45) アンラッフルド(HMS Unruffled, P46) P47(HMS P47) P48(HMS P48, 1942) P49(HMS Unruly, P49) アンシーン(HMS Unseen, P51) ジーク(ポーランド海軍、ORP Dzik) アルトア(HMS Ultor, P53) アンシェイクン(HMS Unshaken, P54) 最後の12隻が発注されたのは、1941年7月12日1941年計画の下であった。 アンスペアリング(HMS Unsparing, P55) ユーザーパー(HMS Usurper, P56) ユニヴァーサル(HMS Universal, P57) アンテームド(HMS Untamed, P58) アンタイアリング(HMS Untiring, P59) ヴァランジャン(HMS Varangian, P61) ユーゼル(HMS Uther, P62) アンサーヴィング(HMS Unswerving, P63) ヴァンダル(HMS Vandal, P64) アップスタート(HMS Upstart, P65) ウーラ(ノルウェー海軍、HNoMS Ula, 1943) キュリー(FFS Curie) 最終グループの数隻は、艦名がUではなくVから始まっている。しかしながら、最後の2隻はノルウェーおよびフランスへの移管の際に遡及的に改名されたものであり、これらの艦名は新しいV級の潜水艦に割り当てなおされた。
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