抽象的
抽象的とは、共通した要素を抜き出して一般化していること、または具体性に欠けていて実態が明確ではないことである。
抽象的は肯定の意味合いでも否定の意味合いでも用いられる。具体的には、「この絵は抽象的だ」「彼の表現は抽象的だ」という場合、描写をあえて限定しないことで深みがあるといった肯定的な捉え方もできるが、テーマや意図が分かりにくいといった否定的な意味合いにもなる。
抽象の「抽」は「抽出」の抽、抽象の「象」「印象」「森羅万象」の象と同じで「形」や「姿」を意味する。このことから「抽象的」は多くのものから共通点を抜き出して形にするといったニュアンスがあると言える。
「抽象的思考」とは、物事を俯瞰(ふかん)して共通する要素を一般化し、より戦略的な行動に結びつけるといった考え方である。抽象的思考はビジネスシーンなどで課題解決を求められる際の思考法として用いられることが多い。
「曖昧」は抽象的と同じく、はっきりとは明示していないといった意味合いがある。「抽象的」との違いは、「曖昧」には「多くのものから要素を抜き出す」といったニュアンスがないことである。曖昧という語は「曖昧な返事をした」などのように、「どのようにも解釈できて意図がわかりにくい」といったニュアンスで用いられる。
抽象的の対義語である「具体的」とは、実例を出して細かく表現したり、物事の構成要素をはっきりと明示したりすることである。例えば「犬」を説明する際に「四本足の動物」といえば抽象的に述べたことになり、「我が家のペットで白くてふわふわした8歳のメイちゃん」といえば具体的に述べたことになる。
ちゅうしょう‐てき〔チウシヤウ‐〕【抽象的】
抽象的
抽象化
(抽象的 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/14 06:34 UTC 版)
抽象化(ちゅうしょうか、英: Abstraction、独: Abstraktion)とは、思考における手法のひとつで、対象から注目すべき要素を重点的に抜き出して他は捨て去る方法である[1]。反対に、ある要素を特に抜き出して、これを切り捨てる意味もあり、この用法については捨象(しゃしょう)という[1]。従って、抽象と捨象は盾の両面といえる。
- ^ a b 「抽象」 - ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典、2014年、Britannica Japan。
- 1 抽象化とは
- 2 抽象化の概要
抽象的
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