抽象的
抽象的とは、共通した要素を抜き出して一般化していること、または具体性に欠けていて実態が明確ではないことである。
抽象的は肯定の意味合いでも否定の意味合いでも用いられる。具体的には、「この絵は抽象的だ」「彼の表現は抽象的だ」という場合、描写をあえて限定しないことで深みがあるといった肯定的な捉え方もできるが、テーマや意図が分かりにくいといった否定的な意味合いにもなる。
抽象の「抽」は「抽出」の抽、抽象の「象」「印象」「森羅万象」の象と同じで「形」や「姿」を意味する。このことから「抽象的」は多くのものから共通点を抜き出して形にするといったニュアンスがあると言える。
「抽象的思考」とは、物事を俯瞰(ふかん)して共通する要素を一般化し、より戦略的な行動に結びつけるといった考え方である。抽象的思考はビジネスシーンなどで課題解決を求められる際の思考法として用いられることが多い。
「曖昧」は抽象的と同じく、はっきりとは明示していないといった意味合いがある。「抽象的」との違いは、「曖昧」には「多くのものから要素を抜き出す」といったニュアンスがないことである。曖昧という語は「曖昧な返事をした」などのように、「どのようにも解釈できて意図がわかりにくい」といったニュアンスで用いられる。
抽象的の対義語である「具体的」とは、実例を出して細かく表現したり、物事の構成要素をはっきりと明示したりすることである。例えば「犬」を説明する際に「四本足の動物」といえば抽象的に述べたことになり、「我が家のペットで白くてふわふわした8歳のメイちゃん」といえば具体的に述べたことになる。
ちゅうしょう‐てき〔チウシヤウ‐〕【抽象的】
ちゅうしょうてき
ちゅうしょうてきと同じ種類の言葉
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