俯瞰
読み方:ふかん
「俯瞰」とは、「高所から下方を見渡すこと」および「広い視野を持って(巨視的に)物事を捉えること」の意味で用いられる表現である。「俯瞰的に考える」のような言い回しで用いられることが多い。
「俯瞰」の「俯(フ)」は「身をかがめて下を向く」という意味の字である。同じく「俯瞰」の「瞰(カン)」は、「見下ろす・眼下に眺める」という意味がある。つまり、「俯瞰」は、「見下ろす」「下方を見渡す」という意味の漢語・2字熟語である。
「俯瞰」の語そのものに「見下ろす」「下方を見渡す」という意味が含まれているため、「俯瞰で見る」とか「上から俯瞰する」のような言い方は重言である。
なお「俯瞰」の「俯」は訓読みは「うつむ-く」と読む。「瞰」には訓読みはない(「み-る」という読み方が充てられることはある)。
「俯瞰的に考える」「俯瞰的に物事を捉える」といった表現は、「高所から見下ろすかのように大局的に考える」という意味であり、比喩的な表現であるともいえる。
「俯瞰」を比喩的・抽象的に「見渡すように捉える」という意味で用いる場合の言い換え表現としては「大局的」「巨視的」「マクロ的」あるいは(文脈によっては)「客観的」などの表現が挙げられる。
「大局的に見る」は、些末な事情を抜きにして、大雑把に全体を捉えるという意味がある。例えば、刻一刻と状況が変化する囲碁の対戦状況やスポーツの進捗具合を表す時に使われることが多い。このような場面では、俯瞰ではなく大局という言葉を使ったほうが適切である。
「マクロに見る」という言葉には、物事を広い視野で見るという、俯瞰と似た意味を含んでいる。マクロという言葉だけを見ると、「巨大」や「広い」という、単純に大きさを表しているに過ぎない。マクロ経済やマクロビジネスなど、他の単語と組み合わせることで、全く違う意味の言葉になる点が俯瞰とは異なる。
俯瞰は、英語では looking down と表現する。例えば、日本語の「上層階のオフィスから地上を見下ろしつつ、通知メールを確認する」は、英語では「Check notification emails while looking down on the ground from the office on the upper floors.」と表現する。looking down は物理的に眼下へ目を向けるという意味である。日本語の「俯瞰的な視点でビジネスを理解したい」は、英語では「I want to be able to see business from a bird's-eye view.」となる。これはビジネスシーンの状況を俯瞰的に把握したいという比喩的表現である。俯瞰には、物理的に下を見る意味と、比喩的に物事の全体に眼を行き届かせるという二つの意味があため、これらの意味を使い分けるには、文脈の流れで判断する必要がある。
「俯瞰」とは、「高所から下方を見渡すこと」および「広い視野を持って(巨視的に)物事を捉えること」の意味で用いられる表現である。「俯瞰的に考える」のような言い回しで用いられることが多い。
「俯瞰」の「俯(フ)」は「身をかがめて下を向く」という意味の字である。同じく「俯瞰」の「瞰(カン)」は、「見下ろす・眼下に眺める」という意味がある。つまり、「俯瞰」は、「見下ろす」「下方を見渡す」という意味の漢語・2字熟語である。
「俯瞰」の語そのものに「見下ろす」「下方を見渡す」という意味が含まれているため、「俯瞰で見る」とか「上から俯瞰する」のような言い方は重言である。
なお「俯瞰」の「俯」は訓読みは「うつむ-く」と読む。「瞰」には訓読みはない(「み-る」という読み方が充てられることはある)。
「俯瞰的に考える」「俯瞰的に物事を捉える」といった表現は、「高所から見下ろすかのように大局的に考える」という意味であり、比喩的な表現であるともいえる。
「俯瞰的」の類語・類義語・言い換え表現
「俯瞰」を物理的に「見渡す・見下ろす」という意味で用いる場合、「鳥瞰」「瞰視」「瞰下」などの表現で言い換えられる。いずれも「見下ろす・下方を見渡す」という意味の言葉である。とりわけ「鳥瞰」は「上空から広範囲を見下ろす」という意味合いが強く、視点が際立って高い位置に置かれた表現といえる。「俯瞰」を比喩的・抽象的に「見渡すように捉える」という意味で用いる場合の言い換え表現としては「大局的」「巨視的」「マクロ的」あるいは(文脈によっては)「客観的」などの表現が挙げられる。
俯瞰の語の使い方や例文
- 小学校の教師は、教壇から生徒たちを俯瞰する
俯瞰という言葉を物理的な意味で使用した例文である。小学校の教壇は、床から一段高く設計されていることが一般的である。その上に立ち、眼下に生徒たちを見渡す様子を表している。 - 彼の風刺マンガは世の中を俯瞰的に捉えている
比喩的な使い方で俯瞰という言葉を取り入れた例文である。風刺とは、世の中の出来事を独自の視点で捉え、辛辣に表現する創作方法である。 - 俯瞰力を身に付けなければビジネスシーンでリーダーシップは取れない
ビジネスシーンでは、往々にして俯瞰という言葉が比喩的に使われる。俯瞰力は、経験によって培われるスキルのようなもので、部下を束ねたり、プロジェクトを滞りなく進めたりするために必要な基礎的な力である。 - 人物を俯瞰構図でスケッチする
俯瞰という言葉を物理的な意味として使用している。俯瞰構図とは、美術の世界ではよく使われる言葉である。例えば人物を俯瞰構図でスケッチする場合、描く側がモデルよりも物理的に高い位置にいなければならない。また、俯瞰構図で人物の全身を描く場合、頭が大きく、脚にかけて先細りになるのが一般的である。俯瞰構図に対して下から見上げることをアオリ構図という。 - 俯瞰撮影のために脚の長い三脚を購入した
物理的な意味として使用している。テーブルの上の平皿料理を撮影する際、真上に近い場所にカメラを構え、見下ろすように撮影する。その撮影方法を俯瞰撮影と呼ぶ。
俯瞰の語の類語
俯瞰の類語には、「包括的に見る」「大局的に見る」「マクロに見る」などが挙げられる。言葉が持つ本質は多少異なるため、適宜使い分けが必要である。「包括的に見る」という言葉には、広範囲に渡って物事を見るという意味を持つ。俯瞰が高い位置から全体を見渡すのに対して、包括的という言葉には視点の指定がない。散見する物事を縦横無尽に集約するような場面では、俯瞰より包括的のほうが適している。「大局的に見る」は、些末な事情を抜きにして、大雑把に全体を捉えるという意味がある。例えば、刻一刻と状況が変化する囲碁の対戦状況やスポーツの進捗具合を表す時に使われることが多い。このような場面では、俯瞰ではなく大局という言葉を使ったほうが適切である。
「マクロに見る」という言葉には、物事を広い視野で見るという、俯瞰と似た意味を含んでいる。マクロという言葉だけを見ると、「巨大」や「広い」という、単純に大きさを表しているに過ぎない。マクロ経済やマクロビジネスなど、他の単語と組み合わせることで、全く違う意味の言葉になる点が俯瞰とは異なる。
俯瞰の語の対義語
俯瞰の対義語には、「仰望(ぎょうぼう)」「近視眼」「主観」などが挙げられる。仰望は、物理的に物事を仰ぎ見るときに使う言葉である。「富士山を仰望する」というように使用する。近視眼は、近視の眼という物理的な意味を持つ一方、物事の一つの側面しか見ようとしないという比喩的な意味を持つ。俯瞰には、広く全体を見るという意味があり、その点においては対義語といえる。主観は、物事の中心部分に立って物事を見ることである。俯瞰という言葉には、外部から全体を見るという意味があり、客観的で冷静な目を持つという意味も備わっている。俯瞰は、英語では looking down と表現する。例えば、日本語の「上層階のオフィスから地上を見下ろしつつ、通知メールを確認する」は、英語では「Check notification emails while looking down on the ground from the office on the upper floors.」と表現する。looking down は物理的に眼下へ目を向けるという意味である。日本語の「俯瞰的な視点でビジネスを理解したい」は、英語では「I want to be able to see business from a bird's-eye view.」となる。これはビジネスシーンの状況を俯瞰的に把握したいという比喩的表現である。俯瞰には、物理的に下を見る意味と、比喩的に物事の全体に眼を行き届かせるという二つの意味があため、これらの意味を使い分けるには、文脈の流れで判断する必要がある。
俯瞰
読み方:ふかん
「俯瞰」とは、高いところから見下ろすこと・ものごとを広い視野で捉えることを意味する表現である。
俯瞰は、ものごとを広い視野で見ることや、客観視することなどを意味する、比喩表現としても使用される。ビジネスシーンでは、市場の流れや将来的な展望などを見通すことを、俯瞰と呼ぶ。ビジネスにおいては、ものごとを主観ではなく客観的に見ることが重要とされるため、俯瞰は良い意味で使用される。
俯瞰は、高い場所から下を見ることや、ものごとを広い視野で見ることを意味する名詞である。そのため、動詞形にする場合は、「俯瞰する」という表現に変わる。また、「俯瞰で見る」という表現が用いられることもある。厳密には、俯瞰には、「見る」という意味合いが含まれているため、「俯瞰で見る」という表現は二重表現である。ただ、慣用的に広く使用されているので、「俯瞰で見る」が間違った表現とされる可能性は低い。
「自分を俯瞰する」は、自分を客観視することを意味する表現だ。ビジネスシーンにおける自己分析を行う時や、自身の頭の中を整理する時などに、自分を俯瞰することが必要とされる。
「俯瞰の目」は、高所から見下ろしている人や鳥の目、視点を指す言葉だ。「俯瞰視点」とも呼ばれる。また、比喩表現として、ものごとを広く捉えている人の視点を指す場合もある。
「俯瞰力」は、ものごとを広い視野で見る、客観的に捉えるといったことができる能力を指す言葉である。様々な場面で、ものごとを広く捉えたり、客観的に見たりすることができる人は、「俯瞰力がある人」と呼ばれる。
「全体を俯瞰する」は、ものごとの全体を、広い視野で捉えるという意味の表現だ。「俯瞰する」という表現は、限られた範囲を客観的に見るという意味合いでも使用することが可能だ。そうではなく、全体を広い視野で見る、客観的に見るという意味合いを強調するために、「全体を俯瞰する」が使用される。
「俯瞰で見てる」は、高い視野から見ている、ものごとを広い視野で捉えているといった意味の、現在進行系の表現である。
「真俯瞰」は、真上からの構図を意味する言葉であり、写真の撮影に関する用語として使われる。真俯瞰から撮影した写真では、被写体の厚みや立体感を把握しにくい。しかし、被写体同士が重なることが少ないため、より多くの被写体をしっかりと収める場合には、真俯瞰が用いられる。
「ビジネスを成功させるためには、俯瞰が重要となる」
「過剰な俯瞰は、重要なことを見落とす恐れがあるので注意が必要だ」
「このゲームは、俯瞰視点に切り替えた方がプレイしやすい」
といった形になる。
「俯瞰する」という動詞形で使用する場合は、
「彼は自らを俯瞰するのが得意であり、常にやるべきことがわかっている」
「私は状況を俯瞰することがなかなかできず、目先の利益ばかり優先してしまう」
「登山は、山に登りきって景色を俯瞰した時に達成感を味わえる」
のような表現ができる。
「俯瞰して見る」の形にするのであれば、
「市場の流れを俯瞰して見ることが、事業の成功に繋がったのだと思う」
「あなたは、自分が置かれている状況を、俯瞰して見た方が良いだろう」
「今回のビジネス講習会は、俯瞰して見ることの重要性がテーマとなっている」
「俯瞰して見て初めて、世の中の構造を知ることができた」
という風に使用する。
「俯瞰」とは、高いところから見下ろすこと・ものごとを広い視野で捉えることを意味する表現である。
「俯瞰」とは・「俯瞰」の意味
「俯瞰」とは、高い場所から下を見るという意味の言葉である。「俯」の漢字は「顔を下に向ける」、「瞰」には「見下ろす」という意味がある。その2つが組み合わさり、顔を下に向けて見下ろすという意味の「俯瞰」という言葉になっている。人が高所に上って下を見ることや、飛んでいる鳥が下を見ることなどを、俯瞰と表現することができる。また、コンピュータゲームにおいて、プレイヤーがキャラクターを上からの視点で見ることも、俯瞰と呼ばれる。俯瞰は、ものごとを広い視野で見ることや、客観視することなどを意味する、比喩表現としても使用される。ビジネスシーンでは、市場の流れや将来的な展望などを見通すことを、俯瞰と呼ぶ。ビジネスにおいては、ものごとを主観ではなく客観的に見ることが重要とされるため、俯瞰は良い意味で使用される。
俯瞰は、高い場所から下を見ることや、ものごとを広い視野で見ることを意味する名詞である。そのため、動詞形にする場合は、「俯瞰する」という表現に変わる。また、「俯瞰で見る」という表現が用いられることもある。厳密には、俯瞰には、「見る」という意味合いが含まれているため、「俯瞰で見る」という表現は二重表現である。ただ、慣用的に広く使用されているので、「俯瞰で見る」が間違った表現とされる可能性は低い。
「俯瞰」の熟語・言い回し
自分を俯瞰するとは
「自分を俯瞰する」は、自分を客観視することを意味する表現だ。ビジネスシーンにおける自己分析を行う時や、自身の頭の中を整理する時などに、自分を俯瞰することが必要とされる。
俯瞰の目とは
「俯瞰の目」は、高所から見下ろしている人や鳥の目、視点を指す言葉だ。「俯瞰視点」とも呼ばれる。また、比喩表現として、ものごとを広く捉えている人の視点を指す場合もある。
俯瞰力とは
「俯瞰力」は、ものごとを広い視野で見る、客観的に捉えるといったことができる能力を指す言葉である。様々な場面で、ものごとを広く捉えたり、客観的に見たりすることができる人は、「俯瞰力がある人」と呼ばれる。
全体を俯瞰するとは
「全体を俯瞰する」は、ものごとの全体を、広い視野で捉えるという意味の表現だ。「俯瞰する」という表現は、限られた範囲を客観的に見るという意味合いでも使用することが可能だ。そうではなく、全体を広い視野で見る、客観的に見るという意味合いを強調するために、「全体を俯瞰する」が使用される。
俯瞰で見てるとは
「俯瞰で見てる」は、高い視野から見ている、ものごとを広い視野で捉えているといった意味の、現在進行系の表現である。
真俯瞰とは
「真俯瞰」は、真上からの構図を意味する言葉であり、写真の撮影に関する用語として使われる。真俯瞰から撮影した写真では、被写体の厚みや立体感を把握しにくい。しかし、被写体同士が重なることが少ないため、より多くの被写体をしっかりと収める場合には、真俯瞰が用いられる。
「俯瞰」の使い方・例文
「俯瞰」を用いて例文を作ると、「ビジネスを成功させるためには、俯瞰が重要となる」
「過剰な俯瞰は、重要なことを見落とす恐れがあるので注意が必要だ」
「このゲームは、俯瞰視点に切り替えた方がプレイしやすい」
といった形になる。
「俯瞰する」という動詞形で使用する場合は、
「彼は自らを俯瞰するのが得意であり、常にやるべきことがわかっている」
「私は状況を俯瞰することがなかなかできず、目先の利益ばかり優先してしまう」
「登山は、山に登りきって景色を俯瞰した時に達成感を味わえる」
のような表現ができる。
「俯瞰して見る」の形にするのであれば、
「市場の流れを俯瞰して見ることが、事業の成功に繋がったのだと思う」
「あなたは、自分が置かれている状況を、俯瞰して見た方が良いだろう」
「今回のビジネス講習会は、俯瞰して見ることの重要性がテーマとなっている」
「俯瞰して見て初めて、世の中の構造を知ることができた」
という風に使用する。
ふ‐かん【×俯×瞰】
俯瞰景
俯瞰
「俯瞰」の例文・使い方・用例・文例
- 高い所から下の方を俯瞰する
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