ぶん‐みゃく【文脈】
コンテクスト
(文脈 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/04 18:54 UTC 版)
コンテクストあるいはコンテキスト(英: context)は、一般的に「文脈」や「状況」といった意味を持つ英語[1]であり、専門分野では次のような用語や修飾語として使われることがある。
言語学
- コンテキスト (言語使用) - 言語使用、言語変種、談話要約に影響を与えるコミュニケーション状況の関連する制約。
コンピューティング
- コンテキスト (計算機科学) - 計算機科学(情報工学)におけるコンテキストは、何らかのタスクによって使用されるデータの最小セットである。タスクによる計算資源の使用状況などを意味する。
- コンテキストスイッチ - プロセスやスレッドの状態を保存したり、後の時点で保存した状態を復元して実行を再開したりすることを可能にするための処理過程。
- コンテキストメニュー - グラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)において、クリックなどのユーザー操作が実行された状況(位置やタイミングなど)によって異なる内容が表示されうるメニュー。
- コンテキストアウェアネス - 世の中の情況を捉える技術や、それらに関する概念。
他の用途
- 人工知能におけるコンテキストは、意思伝達、言語学、形而上学などに属する部分と深い関係がある。自動的な推論を使ってそれらの観点が如何にしてコンピュータシステム上でモデル化できるかは、人工知能の研究テーマの1つである。
- マーケティングの方法論として、顧客の背景を理解・把握したうえで、それに沿った商品プロモーションを行うことを「コンテクスト・マーケティング」と呼ぶ。
- シチュエーション・コメディにおけるコンテクストとは、そのショーが公開されている時代背景やその時点の社会の出来事などを意味する。例えば、"I love Lucy"には1950年代のアメリカのコンテクストが反映されている。
- 心理学におけるコンテクストとは、フォアグラウンドの事象に伴うバックグラウンドの刺激を意味する。例えば、ネズミがネコを恐れながらエサを探しているとき、ネコがフォアグラウンドの事象であり、探し回っている場所(および時間)がバックグラウンドの刺激である。海馬にはある種のコンテクスト処理に特化した神経構造があると考えられている。
- 思想史におけるコンテクストとは、思想書の記述の背後にある「社会的文脈」「思想史的背景」を意味し、上述の言語学のコンテクストとも重なる。特にQ・スキナーらケンブリッジ学派の思想史方法論において論点になる。 → インテレクチュアル・ヒストリー#クェンティン・スキナーとケンブリッジ学派
脚注
文脈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/22 03:39 UTC 版)
「マウリツィオ・フェラーリス」の記事における「文脈」の解説
マウリツィオ・フェラーリスの実在論的転回は、アートの哲学としてではなく、知覚と感覚経験の存在論としての美学・感性学(aesthetics)の定式化に端緒を発しており、『Manifesto del nuovo realismo』(2012年)[英訳:『Manifesto of new realism』ニューヨーク州立大学出版局]で更にその傾向を強めている。フェラーリスは新実在論の原理について『La Repubblica』(2011年8月8日)で言及し、大きな議論を引き起こしたが、基本的には新実在論は歴史的、文化的、政治的な現象についての考察(ポストモダニズムがポピュリズムに堕落したことについての分析)によって得られたものである。そして考察を進めた結果、ポストモダニズムの逸脱が現代思想に何をもたらしたかを明らかにする必要が生まれた(主体と実在の関係が逸脱してしまったことに応答して、前世紀末に発展し始めた哲学的実在論と「真理の理論」を解釈するという作業)。ここから、退廃的なポストモダンのイデオロギーと、それが生み出した世界との偽りの関係に対する解毒剤が提案されたのである。実際、新実在論は自らを「存在論」、「批判」、「啓蒙」という3つのキーワードと連動するものだと自称している。新実在論は国内外のいくつもの会議で議論のテーマとして扱われ、実在を範型(パラダイム)として捉えるというコンセプトに関する文献は数多く出版されており、そこには哲学以外の分野での研究も含まれる。事実として、新実在論を巡る議論は、それに関わる人の数とメディアの反応の大きさから見て、近年の文化史の中で他に類をみない現象であり、コミュニケーション社会学や言語学の分析対象として「ケーススタディ」に選ばれるほどにまでなっている。 国外に目を転じると、『Manifesto of new realism』はすでにチリのスペイン語とスペイン語に翻訳されており、英訳(ニューヨーク州立大学出版局)、独訳(クロスターマン出版)、仏訳(エルマン社)も出版が予定されている。新実在論はこれまでに『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』、『ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング』、『南ドイツ新聞』で議論された。『Monist』の特集号(マウリツィオ・フェラーリスとマリオ・デ・カロの共編)も間もなく発行される。加えて、このテーマはマルクス・ガブリエルの『Warum es die Welt nicht gibt』(ベルリン:ウルシュタイン出版、2013年)や、マウリシオ・ベウショート(メキシコ国立自治大学)とホセ・ルイス・ヘレス(コマウエ国立大学)の『Manifiesto del nuevo realismo analógico』(ブエノスアイレス:シルクロ・ヘルメニューティコ社、2013年)でも検討されている。
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文脈
出典:『Wiktionary』 (2021/06/19 01:03 UTC 版)
名詞
発音(?)
- ぶ↗んみゃく
翻訳
- アイルランド語: comhthéacs (ga) 男性
- アラビア語: سِيَاق (ar) 男性
- アルメニア語: համատեքստ (hy)
- イタリア語: contesto (it) 男性
- ウズベク語: kontekst (uz)
- 英語: context (en)
- エストニア語: kontekst (et)
- エスペラント: kunteksto (eo)
- オランダ語: context (nl) 男性
- ギリシア語: πλαίσιο (el) 中性
- スウェーデン語: kontext (sv) 通性
- スコットランド・ゲール語: co-theacsa (gd) 男性
- スペイン語: contexto (es) 男性
- タガログ語: kalamnan (tl)
- チェコ語: kontext (cs)
- 中国語: 上下文 (cmn) (shàngxiàwén), 語境 (cmn), 语境 (cmn) (yǔjìng), 前後文 (cmn), 前后文 (cmn) (qiánhòuwén)
- 朝鮮語: 문맥 (ko) (文脈 (ko)), 맥락 (ko) (脈絡 (ko))
- ドイツ語: Kontext (de) 男性
- ノルウェー語:
- ハンガリー語: szövegkörnyezet (hu), kontextus (hu)
- フィンランド語: konteksti (fi), asiayhteys (fi), yhteys (fi)
- フランス語: contexte (fr) 男性
- ブルガリア語: контекст (bg) (kontékst) 男性
- ペルシア語: زمینه (fa)
- ポーランド語: kontekst (pl) 男性
- ポルトガル語: contexto (pt) 男性
- マン島語: co-lhaih (gv), cohecks (gv)
- ルーマニア語: context (ro) 中性
- ロシア語: контекст (ru) 男性
「文脈」の例文・使い方・用例・文例
- 文脈を無視して…を引用する
- 文脈によって決まる意味
- 意味と文脈の相互作用
- 文脈上の要素
- 文脈の中でイベントを設定することが出来ます。
- それは文脈による。
- 私は、この文章を正しく理解するためには、この単語の文脈上の意味を読み取ることが大切だと思う。
- これらは同じ単語だが、この文章内では文脈上の意味が異なる。
- 文脈の分析を行ってください。
- 私はその文脈の中で、そういう発言をした。
- その社会的文脈に注目している。
- 中国語においては「テンス」を表す場合には上述のように「助詞」か「時を表す語」または文脈によるものが多い。
- 日本文化の文脈の中では当然と思われる微笑みも、外国人の間では、不気味な笑いとして多くの混乱を生み、また悪評が高い。
- 特定の文脈でどんな語を使うべきか知っている人は語の有効な使用者である。
- 単語の意味はそれが使われている文脈で決まる。
- 言葉の意味は文脈によって変わりうる。
- 語の文脈上の意味.
- 異なった文脈の[で(は)].
- 文脈内において, 文脈がある時.
- 文脈を離れて, 文脈がない時.
文脈と同じ種類の言葉
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