し‐や【視野】
視野
![]() | この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2012年12月) |

視野(しや、英: field of vision, visual field)とは、目に見える範囲のこと[1]。
人間の視野
正常な人で、片目では鼻側および上側で約60度、下側に約70度、耳側に約90~100度と言われている。両眼がほぼ平面の顔面上にあるため、両目で同時に見える範囲が広い(左右120度)代わりに、両目が顔の左右に付いている他の動物と比べて総合した視野は広くない(左右180~200度)。
測定
- 視野検査
視野の測定には、対座法、平面視野計法、動的量的視野測定法(一般にゴールドマン視野計が使われる)、静的量的視野計測法(一般にハンフリー視野計が使われる)がある。一般的には片眼ずつ測定を行う。先に挙げたとおり、重なり合う部分が大きいため、視野欠損を自覚しづらい面があり緑内障などの疾患の早期発見が困難になることが多い。逆に言えば末期に至るまで不便さを自覚しない可能性もある。
より検査受診を促進するため、目の動きを検知するカメラの付いたヘッドマウントディスプレイやスマートフォンに装着する測定機器を使用した手軽な検査プログラムも開発されている。
疾患
「視野が狭くなる」ことを視野狭窄(しやきょうさく)と呼ぶ。緑内障、網膜色素変性症、網膜剥離、脳梗塞等にて生じる。
視野に起きる現象
- 対光反射 - 目に入る光の量を調節するため瞳孔が拡大収縮する。
- 散瞳/縮瞳 - 疾患などによって、光の量とは関係なく瞳孔が拡大収縮する。
- 立体視、空間認識能力
- 色覚
- フィリングイン - 目で見えていても目の傷や盲点等によって見えなくなる部分ができるが、脳の機能によって補完されている。
- トロクスラー効果 - 視野が目標以外のピントが合わなくなり、対象物以外が見えなくなる状態。射撃競技など何かに集中して見ている時に起きる。
- グレイアウト、ブラックアウト (航空・宇宙) - 人体にかかるGによって血液が脳に行かなくなり、視野が暗くなっていき、見えなくなる現象。
- レッドアウト - 頭に血流が集中するような加速度がかかった際に、視界が赤くなる現象。
- 錯覚
動物の場合
動物の種によってもその視野は大きく異なる。主に肉食動物は獲物を狙うために両眼視ができる方がよく、目が顔の前にあるため狭い。草食動物では目が顔の横にあり、両目での視野は広い。これは肉食動物をできるだけ早く発見し、それから逃げやすいようにとの適応と考えられる。
視野の補助装置・機械の場合
- 望遠鏡、双眼鏡、眼鏡
- ISO 14132-1 - Optics and photonics や JIS B7121などでは、
- tan ω' = Γ × tan ω
- 見掛け視界:2ω'(角度)
- 実視界:2ω(角度)
- 倍率:Γ
- の式であらわされる。
- 補足すると、見掛け視界というのはレンズなしで望遠鏡だけを覗いて見られる視界のことで、実視野は倍率がかかった状態で見られる視界のことである。要するに大きい望遠鏡を使用すると、遠くの距離を見るために高い倍率をかけても見えるということである。
- 顕微鏡
- 顕微鏡で見られる視野は、実視野(FOV、Field Of View)= 接眼レンズの視野数(FN、Field Number) /対物レンズの倍率(Mo、magnification of objective)で決定される。
- テレビゲーム
- ゲーム内の視覚
戦闘やスポーツにおける視野
- 視野の使い方
- 実際の戦場での生存率が高い兵士や、ネット系の3D対戦ゲームでの上級者などの多くは、「視野」の使い方が上手い。バスケットボール[2]やサッカーなどの選手も、同様である。
- 彼らの動きを見ていると、他の選手とは異なる方向を見ていることが多く、また他の選手とは異なる動きをしている。「自分の視野」に敵が見えるよう、「敵の視野」に自分が映らないように、戦術的に移動するのである。たとえば、サッカーの場合であれば、目の前の敵やボールだけを見るのではなく、それ以外の敵味方を一瞬で見渡し、フィールド全体を俯瞰視点で認識したりする。
- 視野の裏をかく
- 戦闘・スポーツにおいては、敵の視野を利用することも、非常に有効である。例えば、わざと自分の姿を見せておいて敵を誘導したり、注意を他に向けることで敵の背後を取るなど、自分に有利なポジションを確保するのである。ボクシングなら、視野外からのパンチは予想外の攻撃となり、クリーンヒットしやすいだろう。
脚注
- ^ "視野 visual field ... 視野とは,片目でまっすぐ前方を見つめた時に網膜が捉えうる空間の全領域を指す。" p.222 より引用。ベアー. (2007). 神経科学 -脳の探求-. 初版. 西村書店.
- ^ バスケットボール選手のポジション特性別スポーツビジョンの研究 - 早稲田大学
関連項目
視野
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 05:14 UTC 版)
視野には中心視野と周辺視野の2種類が存在する。中心視野はものの形や色、立体覚などを認知するものであり網膜ではP細胞が担い、その80%が中心視野の領域に存在する。中心視野の経路は周辺視野の経路と連絡はない。視力検査は中心視野の検査である。周辺視野は運動覚、立体覚、空間認知などを担うものであり網膜ではM細胞が担う。対光反射はM細胞保たれていると出現する。
※この「視野」の解説は、「視野障害」の解説の一部です。
「視野」を含む「視野障害」の記事については、「視野障害」の概要を参照ください。
視野
「視野」の例文・使い方・用例・文例
- よい映画は人の視野を広げる
- 視野,視界
- 彼はXを視野に入れるべきだ
- 私はXを視野にしっかり入れています
- それは視野が狭い物の見方だ。
- バランススコアカードは企業の中長期的ゴール成就という視野に立って組まれるもので、一時的な対応策ではないということ理解する必要がある。
- 私が留学したい理由は、視野を広げたいからです。
- わたしが学生に願うことは、この機会に国際的な視野を広げることです。
- これは視野を広げることにつながる。
- 海外で勉強することは視野が広がると思う。
- それは私の視野を広げるのに良いでしょう。
- 彼は視野が狭くなりがちだ。
- あなたに会えて視野が広がりました。
- 私はもっと視野を広げたい。
- 私たちはそれについて大きな視野で見なければいけない。
- あなたは国際的な視野も必要です。
- 彼らとの取引を視野に入れる。
- 私は幅広い視野を持つことができる。
- 私はあなたに出会って、視野が広がりました。
視野と同じ種類の言葉
- >> 「視野」を含む用語の索引
- 視野のページへのリンク
辞書ショートカット
カテゴリ一覧
すべての辞書の索引
「視野」の関連用語
視野のお隣キーワード |
視野のページの著作権
Weblio 辞書
情報提供元は
参加元一覧
にて確認できます。
(C)Shogakukan Inc. 株式会社 小学館 |
|
Copyright (C) 医療法人社団 医新会 All Right Reserved. | |
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License. この記事は、ウィキペディアの視野 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。 |
|
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL). Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの視野障害 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 |
|
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL). Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの視野 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 |
|
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:![]() | |
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。 | |
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved. | |
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved. | |
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved. | |
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved. WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License | |
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved. 「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編 | |
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence. |
ビジネス|業界用語|コンピュータ|電車|自動車・バイク|船|工学|建築・不動産|学問
文化|生活|ヘルスケア|趣味|スポーツ|生物|食品|人名|方言|辞書・百科事典
ご利用にあたって
|
便利な機能
|
お問合せ・ご要望
|
会社概要
|
ウェブリオのサービス
|
©2025 GRAS Group, Inc.RSS