M細胞
英語:microfold cell、M cell
腸内粘膜の濾胞上皮に存在する、微絨毛と呼ばれる極小の突起を持たない上皮細胞。外来の抗原を取り込んで免疫細胞に渡すという働きが確認されており、腸管免疫機能に大きく関与していることが知られている。
これまで、M細胞を含む腸管免疫のメカニズムの大部分が解明されていなかった。2012年6月に、理化学研究所がM細胞への形成に関与する遺伝子を発見したと発表した。これにより、食中毒などに関して効果のあるワクチンの開発などが期待できるという。
関連サイト:
腸管内の抗原取り組み口「M細胞」の分化に必須な転写因子を発見 - 理化学研究所 プレスリリース 2012年6月18日
M細胞から腸管免疫のメカニズムを解き明かす - 2010年 理研ニュース
M細胞
M細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/05 22:15 UTC 版)
パイエル板の免疫で重要な働きをするのがM細胞 (microfold cell)である。M細胞は、腸管の上皮組織の一部で、腸管内と接している。M細胞は腸管内腔側からエンドサイトーシスによって腸管内腔の細菌などの抗原を取り込み、基底膜側で接触しているT細胞やB細胞、マクロファージに提示することによって、パイエル板内の免疫細胞群に抗原情報を伝達する。パイエル板内では種々のリンパ球などの間で複雑に情報処理が行われ、病原微生物に対してはIgAの分泌を中心とする免疫応答による排除が、食物由来のタンパク質や腸内の常在細菌に対してはアレルギー反応などの異常な免疫反応が起こらないような免疫寛容が、それぞれ誘導されていると考えられている。つまり、食物由来のタンパク質に激しく免疫応答を起こしてしまう食物アレルギーにも、パイエル板での情報処理が深く関係していることになる。 また、本来は生体防御の中枢器官であるパイエル板であるが、病原生物の中にはM細胞によるパイエル板への異物取り込み・提示機構に適応して、感染を成立させる能力を身につけているものもある。赤痢菌がその例として挙げられる。
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