こざとへんとは? わかりやすく解説

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こざとへん

別表記:こざと偏こざとヘン

こざとへんとは

こざとへんとは、漢字部首1つで、「院」や「降」、「隆」、「陸」などの左側の「⻖」のこと。こざとへんは、漢字の「阜(フ)」を略した象形文字で、段のついた土の山の形をしており、「おか」「ふくらんだところ」などの意味がある。また、大きい、盛ん、多い、豊か、肥え太るなどの意味合い含んだ部首である。

こざとへんの書き順

こざとへんは3画の漢字である。まず、段のついた山を象形する右部分先に書く。書き順は、1画目上の部分の段を書き2画目に2つ目の段を書く。そして、3画目で縦の線を真っすぐに引く。2画目は1画目より右に出してならないまた、2画目の終筆は左上押し出すようにはね、3画目の終筆は止める

こざとへんのつく漢字

こざとへんの漢字には、同じような意味をもつ漢字がある。たとえば、「隊」と「降」は、どちらも「おちる」の意味をもつ。「隊」は、山の段象形である「⻖」と、逆さに落ちる人象形文字である。一方、「降」は、段のついた丘と下向きの足の形を表した文字である。どちらの漢字も山や丘から落ちる人の形をもって「おちる」の意味となった。「隊」は「屯」がもつ「くみ(組)」や「むれ(群れ)」など統一され集合体の意味持ち合わせている。「隊員」「軍隊」などが挙げられる

「階」は、階段階級などの漢字使用する。階は、段のある山や丘と、人が並んでいる姿の象形文字である。同じように、段のある土の上に人が並ぶ様子を表す漢字に「陛」が挙げられる

「防」と「除」は、どちらも段のついた土の山と農具象形文字である。「防」は突き出た柄をもつスキの形で、「除」は先端尖った除草具の形である。「防」はスキで土を張り出す様子から堤防意味し、「ふせぐ」という意味の漢字になった。「除」は、除草具で邪魔になる土を押しのける様子から「のぞく」の意味になった

「険」はけわしい・危ないといった意味をもつ。盛り上がった土と、多くの物を山のてっぺん集めた象形文字由来し、山の山頂がけわしい様子表している漢字である。「険」と同じく、けわしいの意味をもつ漢字に「阻」がある。段のある土山神様への生贄積み重ねた象形文字成り立ちいくつも積み重なるけわしい丘を表している。「阻」は、表外読みで「けわしい」や「へだてる」とも読むことができる。「へだてる」と読む漢字には、「隔」がある。このように「険」「阻」「隔」の漢字には共通する味のあることがわかる。

こざとへんとおおざとの違い

漢字左側に「⻖」があるものを「こざとへん」という一方で漢字右側「つくり」に「⻖」があるものを「おおざと」という。この2つ部分成り立ち異なる。こざとへんは、「阜」の漢字略されたものであるに対しておおざとは「邑(ユウ)」の漢字略されたものである。「邑」は、特定の場所で人がくつろぐ様子象形文字で、や里など人が集まるところの意味をもつ。「都」「郊」「郡」「邦」「邸」などが挙げられる

こざと‐へん【阜偏】

読み方:こざとへん

漢字の偏の一。「防」「隊」などの「阝」の称。

[補説] 漢字右側にある「阝」は「おおざと」という。


阜部

(こざとへん から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/16 17:29 UTC 版)

𨸏𠂤㠯
康熙字典 214 部首
門部 阜部 隶部
1 丿 2
3
广
4
5
6
7
8
9
10 11 鹿
12 13 14 15
16 17

阜部ふぶは、漢字部首により分類したグループの一つ。 康熙字典214部首では170番目に置かれる(8画の4番目、戌集の4番目)。

概要

源字となった「𠂤」「𨸏」には「積み重なったもの」の意味があり、さらに古い異体字で「𠼛」「𠻰」など、元は「大きな崖山の上に大きな岩が積み重なっている様子」を表した。ここから「大きい」という意味となり、「阜」字は小高い土山丘陵、「おか(丘)」を意味し、異体字に「峊」「𡶫」がある。

説文解字』によると、大きな「陸」(台地・高原の意)で、「山」に石がないものといい、その象形とする。また階梯の形に象るといった説もある。白川静は神梯の形としている。

なお、山地を表す字の一つで類義字が多いが、小さい方から「丘」「阜」「陵」「阿」の順とされる。また「山」は『説文解字』に「石有りて高」いものとあり、「山」は岩山、「阜」は土山という違いとされる。なお「岳」は「嶽」の簡体であり成り立ちが異なる。

篆書の字形では「𨸏」のように左側の縦画に「コ」字形が3つついた形であり、隷書にいたって最下の「コ」形が貫く横画に変形し、楷書ではこれを「十」字とするようになった。

偏旁の意符としては土山や丘陵といった地形、通行の障害、昇降、高低などに関することを示す。このとき左側の偏の位置に置かれるが、楷書では「𠂤」から2つのコの字を崩し、最後の横画を省略して「」のように変形している。これは邑部の偏旁と同形である。

阜部はこのような意符を構成要素に持つ漢字を収める。ただし、「隣」字の意符は「」であり、元々「鄰」と書かれていたものがなまったものである。

阜部に所属する漢字のうち、変形せず「阜」の字形のまま用いている漢字は、日常の範囲では「阜」自身のみである。それ以外の漢字の例では、Unicodeを見渡しても拡張B領域の「𨺔」「𨻑」「𨽪」「𨽫」「𨽱」をはじめとする極めて少数の例しかない。他にも特にUnicodeの拡張領域では、「𨸏」「𠂤」「㠯」などといった変形もある。なおこれも現代社会の日常生活ではまず用いられない漢字であるが、現在阜部に所属する漢字のうち、「𨸏」の形を取った上でその反転形を伴って「𨺅」の形で現れる漢字には、「𨼱」「𨽝」「𨽵」といったものがあり、『説文解字』では「𨺅部」という独立した部首に置かれていた。

部首の通称

  • 日本:こざとへん(同じく「」の形になる「邑」が「おおざと」を意味することから)・こざと・おか(偏ではない「阜」のときの名称)[1]
  • 中国:左耳旁(人間の耳のような字形であることから)
  • 韓国:언덕부부(eondeok bu bu、おかの阜部)・좌부방(jwa bu bang、左の阜の旁)
  • 英米:Radical Mound

部首字

例字

画数 例字
0
3
4 阨・・阪・防
5 ・阻・陀・陂・
6 限・7)・陏・・陋
7 ・陜・・陞・陝・陟・陛
8 ・陷(陥)・陲・陬・・陪・
9 ・隅・隍・
10 隘・隕・隗・(隔)・
11 際・障
12 (隣13)
13 隧・險(険8)・隨(随9)
14 隱(隠11)・隰・
16

脚注

  1. ^ 部首:阜 阝(こざと・こざとへん・おか)の漢字一覧”. 漢字辞典オンライン. ジテンオン. 2023年5月18日閲覧。

こざとへん

出典:『Wiktionary』 (2021/08/21 03:39 UTC 版)

この単語漢字
こざと
第四学年
へん
常用漢字
湯桶読み

異表記・別形

名詞

(こざとへん)

  1. 漢字部首」が偏である場合呼称

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